最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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県大会準決勝!新越谷高校VS咲桜高校 後編

始まった準決勝……。私達は先攻だ。

 

「咲桜の先発……見た事ないな」

 

「あの人は1年生の太刀川さんだね。この秋大会でも何回かマウンドに上がってるよ」

 

稜ちゃんの疑問に芳乃ちゃんが答えた。相変わらずよく分析してるよね。キャプテンや朱里ちゃんと他校のデータを色々調べてたんだっけ?

 

「1年生……って事は私達のライバルになる訳ね」

 

「咲桜は3年生が引退してからは柳大川越と同じように1年生を多く起用している伏があるみたいだね。今の咲桜は友沢さんの他に1年生5人がベンチ入りしてるよ!」

 

「5人も!?余程凄い実力を持っているのね……」

 

私達新越谷は上級生が3人しかいないから必然的に多く1年生が出場してるけど、もしも私達が咲桜の生徒だったら果たしてベンチ入り出来たのかな……?

 

「今日は5人共スタメンに入っているみたい。先発投手の太刀川さん、捕手の小鷹さん、ファーストの川星さん、サードの大空さん、センターの美藤さん」

 

あの5人と今日はいない友沢さんを含めた6人が今後私達のライバルとなる訳だね……!

 

「そういえば友沢さんはいないのね。まぁ私達からしたら助かるけど……」

 

「……友沢さんは9月に怪我をして入院中だよ。朱里ちゃんはそのお見舞い」

 

「朱里さんは友沢さんの元チームメイトって事でお見舞いに行っている訳ですか……」

 

白菊ちゃんが言うように元チームメイトって言うのもあるとは思うけど、他にも理由がありそうなんだよね……。

 

「……その件には余り深入りするな。朱里にも色々あるんだから」

 

キャプテンの言う通り、この場は朱里ちゃんはかつての仲間を心配してるって事にしておこう。

 

「太刀川さんの特徴は左投げ右打ちという朱里ちゃんと同じ投打かな?過去に右肩を故障してから、サウスポーに転向。そしてソフトボールから大成した過去を持っているよ!」

 

芳乃ちゃんがぴこぴこと髪を動かして興奮しながら太刀川さんの説明をする。そんな凄い人が相手なんだ……!

 

 

カンッ!

 

 

先頭打者の希ちゃんが太刀川さんの球を捉える。あの当たりだと一二塁間抜けそうだね。

 

「ファースト!」

 

ファーストの人が上手く回り込んで打球を処理した。

 

「機敏な動きね……」

 

「秋大会での太刀川さんはこのようにバックの守備力を信頼した打たせて取るピッチングをしているよ。チームワークも抜群!」

 

「……最近守備型のチームばかり相手にしているような気がするのは気のせいかしら?」

 

ふと息吹ちゃんがそう呟いた。確かに私達の周りは守備上手い人が多いよね。エラーが多い私からしたら羨ましい限りだよ……。

 

「こうなると投手戦が予測されるよ。ヨミちゃん、頑張ってね!」

 

「もちろん!朱里ちゃんの分も思いっ切り投げるぞ~!」

 

ヨミちゃんは張り切りを見せている。私も負けてはいられないね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合は最終回まで進み、0対0のまま。この試合はチャンスこそ作れるものの、得点には至らない……。互いにそんなピッチングを見せていた。

 

ちなみに私は今のところ全打席歩かされています……。

 

『ボール!フォアボール!!』

 

(そして今回の打席も……)

 

盗塁しようにもバッテリーには隙が見当たらない。この2人が私達の同学年ライバルだなんて……。歩かされる事には残念さを覚えるけど、今後が楽しみだよ!

 

 

コンッ。

 

 

キャプテンが私を得点圏に進める為に送りバント。なにがなんでも1点がほしいっていう芳乃ちゃんの気持ちが伝わってくるよ……!

 

そして次の理沙先輩の打席は……。

 

『ボール!フォアボール!!』

 

咲桜バッテリーによって再び敬遠。理沙先輩も良い当たりが多いからなのかな?或いは一塁を埋めてゲッツーを取りやすくする為……?

 

そして次は稜ちゃんの打席。

 

 

カンッ!

 

 

太刀川さんの球を初球から打っていった。打球は……。

 

「サード!」

 

サードゴロとなり、セカンドへ送球。

 

『アウト!』

 

二塁フォースアウトでツーアウト。セカンドがそのままファーストへと投げた。

 

(ここでゲッツーになったら私達が不利になる……。それだけは絶対に避けたい!)

 

「間に合えーっ!!」

 

アウトになるまいと稜ちゃんが決死のヘッドスライディングを見せた。判定は……。

 

『セーフ!』

 

セーフとなって、ツーアウト一塁・三塁。この次は菫ちゃん。

 

(結果的にアウトだったけど、稜もあんなに頑張っている……。私だって次に繋ぐ!)

 

 

カンッ!

 

 

『ファール!』

 

「良いぞーっ!」

 

「当たる当たる!!」

 

菫ちゃんが粘ってくれている……。勝ちたいって気持ちは皆一緒なんだ!

 

「頑張ってーっ!」

 

(私がよくやる犠打なんかはこのように状況では使えない……。洛山戦の時を思い出して……打つ!!)

 

 

カンッ!

 

 

「打った!」

 

「打球は!?」

 

菫ちゃんが打った打球は鋭いゴロで、再びサードへ。しかし正面だったのか、既に定位置でグラブを構えていた。

 

(朱里ちゃんが言っていた。最後まで諦めなければ何かが起こるって……。私はそれを信じる!)

 

 

ヒュウウウ……!

 

 

この球場に1つの風が吹いた。それは突然の出来事で、地面から砂埃が舞う。

 

(砂が目に!?)

 

砂埃が目に入ったのか、ゴロを処理出来ていない。それを見たショートが急いでカバーに入った。

 

「遥!菫!急げーっ!!」

 

キャプテンの掛け声で菫ちゃんは急いで一塁へ走って、私はホームへと滑り込む。

 

「くっ……!」

 

ショートがボールを捕って一塁へ送球。

 

『セーフ!』

 

判定はセーフで、最終回にして私達は待望の先制点を取る事が出来た。

 

「やっ……たーっ!!」

 

「先制点取ったーっ!」

 

「ナイススライ!」

 

ホームに還った私はベンチから手荒い祝福を受けている。打ったのは私じゃないんだけど……。

 

(でもこれで試合が動いたよ……!)

 

この勢いで勝利を新越谷に!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

7回裏。満塁のピンチになりながらも、ヨミちゃんが最後の打者を三振に抑えてゲームセット。

 

『ゲームセット!!』

 

1対0で私達新越谷が決勝戦へと駒を進めた。

 

(朱里ちゃんは私達の試合を観ててくれたかな……?)

 

朱里ちゃんに良い報告が出来るのは間違いない結果で試合は終わった。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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