「朱里ちゃんと星歌ちゃんもここで練習?」
「まぁね。そう言う武田さんと山崎さんも?」
「うん!この場所を朱里ちゃんに教えてもらってからは時々ここでタマちゃんと練習してるんだ~!」
この河川敷を知ってる人って新越谷野球部の中でも結構少ないからね。雨が降ってる日でも球当てが出来るから、私達投手陣にとっては絶好の練習場所だ。
「朱里ちゃん、頼まれてた物を持ってきたから渡しておくね」
「ありがとうございます」
今日は六道さんにキャッチャーマスク、プロテクター、レガース等捕手に必要な道具を持ってきてもらったのだ。ただ渡辺のボールを受けるだけならいらない物だけど、私自身もなるべく捕手に慣れておきたいのだ。
「朱里ちゃん、捕手の練習するの?」
山崎さんが首を傾げて聞いてきた。
「渡辺の投球練習も兼ねてね。いつまでも捕手が山崎さんだけって訳にもいかないし」
(来年には木虎が入ってくるから、少なくともそれまでの間は私が2人目の捕手(代理)とさせてもらうかな……)
装備を整えて、いざ捕球!
「おおっ!朱里ちゃんも捕手の格好が様になってるね~!」
「そう?」
マスク以外を付け終えると武田さんがそんな事を言ってくる。でも私の本職は投手なんだよね……。
「お待たせ~」
練習を始めようと思っていたら六道さんがこちらにやってきた。
「今日は私も朱里ちゃん達に付き添うね!」
いや、貴女シニアの練習は……?
「い、良いんですか……?」
「シニアの方は藍ちゃんが見てくれるって言ってたよ!」
木虎ぁ……。いくら六道さんに恩があるからって、それは断ろうよ!大分余裕あるかもだけど、君は受験生よ?
「星歌ちゃん、投げ込む前にキャッチボールしよう!」
「うん、良いよ」
渡辺の方は武田さんとキャッチボールをするみたい。まぁ投手同士の肩を作る為には良いかな。決勝戦では武田さんも投手として起用する可能性もあるし……。
渡辺と武田さんの肩を作り終えたので、私と山崎さんがそれぞれボールを受ける事に。
「朱里ちゃんも気合い入ってるみたいだし、星歌も頑張るよ!」
(まぁやる気があるのは良い事か……)
「とりあえず何球か投げてみようか」
「うんっ!」
「じゃあ私達も始めるよ。ヨミちゃん」
「了解!」
それから数球適当にストレートと変化球を散らして、様々なコースに投げてもらった。
「よし、ラスト1球!」
(ラスト1球……。ここで星歌が投げるのは……!)
振りかぶった渡辺が投げたのは、渡辺直伝のオリジナルフォーク。
ズバンッ!
(コース的にはボール球だけど、充分打者の空振りを誘えるレベルだね)
「じゃあ1度休憩にしようか」
「えっ?でもまだまだやれるよ?」
「オーバーワークは禁物。怪我に繋がりかねないからね」
「朱里ちゃんはそれで怪我したようなものだからね……。ここは言う通りにした方が良いと思うよ」
六道さんの言うように私はオーバーワークで肩を炎症した……。もう私のような人間を見たくないよ。
「そういえば新越谷は明日秋大会の決勝戦だね!」
「はい。やれる事は全てやっていくつもりです」
「白糸台も洛山も春の全国大会出場を決めてるんだよね。しかも洛山は和奈ちゃん抜きで!」
本当に洛山の打撃力は厄介極まりないよ。しかも全試合コールド勝ちだし……。
「白糸台や藤和とは関東大会でも当たる可能性があるから、試合映像の見直しとかも大切だね」
白糸台は最近1軍に昇格した留学生がホームランを連発しているらしい。大星さんも打率は高いし、新井さんや鋼さん、佐倉姉妹に二宮と強力な選手が揃っている。神童さん達3年生が引退した後も白糸台は隙がない。
(出来る事なら関東大会も優勝したいところだけど、今の実力でどこまで通用するのかな……)
正直夏の全国大会で白糸台に勝てたのは運が良かったから……。練習試合も負けちゃったし、柳大川越と同様に1勝1敗。勝てれば白糸台に対して苦手意識を持たずに済む。
「朱里ちゃん、そろそろ再開しよう!」
「……そうだね」
何れにせよまずは目前の決勝戦からだね。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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