「日葵が空振りなんて珍しいわね。ガールズ時代でもほとんどしなかったのに……」
「……朱里ちゃんの変化球、前よりもキレてたよ。あのフォークは簡単には打てないかもね。悔しいけど……!」
「あ、あの日葵ちゃんがそこまで言うなんて……」
「それが朱里さんですからね」
「ミズキさんがそこまで言うとは……。アカリさんの球はワタシが打ってみせマース!」
「始めに言っておきますが、この試合においてバンガードさんは期待出来ません」
「why!?」
「映像からでは伝わりませんが、朱里さんは変化球主体の投手な上に、変化球の種類も多いので、バンガードさんとは相性が極めて悪いです」
「ぐぬぬ……!映像ではただのストレートにしか見えないノニ……!」
「それが朱里さんの持ち味です。如何に変化球をストレートと類似させられるか……。それを朱里さんがシニア時代にとある人に教わった技術を精一杯に仕上げました」
「とある人って……?」
「その方は今アメリカにいます。私も彼女の情報は余り持っていませんが、その中でわかるのは彼女が投げる球は朱里さんの完全上位互換である事……それだけです」
「早川さんが今投げている球の……!?」
「更に彼女は来年の夏大会にて日本の高校で出場してきます。そうなると白糸台にとっては最大の敵となるでしょう……」
「そ、そんなに……!?」
「ですので彼女に勝つ為にもこの試合で朱里さんの突破口を掴みましょう」
「それが今日の試合の目的……という事ですか」
「そうなりますね。陽奈さんは今日の面子の中では日葵さんと並んで期待出来る打者です。頑張ってください」
「二宮さん……はい、行ってきます!」
(気になるのは彼女が入る予定である日本の高校にあの『上杉真深』さんや『ウィラード・ユイ』さんが一緒に来るかも知れないという事……。今もアメリカで同じチームで活躍しているみたいですし、仮に彼女達が清澄のような無名の高校に入ったとしてもその高校は間違いなく全国で1、2を争うチームに仕上がるでしょうね)
「……願わくばあの人達が同じ地区には入ってほしくないですね」
「瑞希ちゃん、何か言った?」
「……いえ」
カンッ!
『ファール!』
(やはり佐倉姉妹はどちらも厄介だよ。妹の日葵さんはリードオフガールとしての能力があり、姉の陽奈さんは小技を用いて確実に次に繋ぐ能力がある……)
幸いなのは日葵さんがランナーにいない事……。もしも彼女がランナーにいたら今頃三盗までされて、先制点を取られていただろうね。
(朱里ちゃん、ここも3球勝負でいくよ!)
(もちろん……!)
3球目に私が投げたのは……。
(この変化の軌道……フォークにしては速い!?)
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
(今のはまさか……SFF!?)
よし!日葵さんに続いて陽奈さんも三振!それでもまだ油断は出来ない。本番は佐倉姉妹の2打席目以降になる……。
(それかこの試合も9番に入っている二宮が何かを仕掛けてくると思うけど……!)
全国大会の準決勝……。その時の借りを返したいところだけど、上手くいけば良いなぁ……。
「フォークに続いてSFFも見られるとは……。朱里殿の変化球の数は星歌殿よりも多いでござるな!」
「確かに……。星歌ちゃんもかなりの種類の変化球を投げるけど、朱里ちゃんはその倍近くの種類を投げるもんね……」
「早川の大きく変化させるフォークやSFFにナックルカーブ、そしてストレートと錯覚するレベルの小さく変化させる変化球の数々……あれをキチンと狙える打者は少ないだろうな」
「早川ちゃんと同じシニア出身でも更に限られてそうだね~。清本ちゃんは打てるんだっけ~?」
「軌道を落ち着いて見ればいけると思います。けどそれに釣られて今のフォークやSFFを投げられると空振りしちゃうかも……」
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
3番の人も空振り三振……!バットが空を切る音って気持ち良いよね!
「朱里ちゃん、ナイスボール!」
「ありがとう山崎さん」
私がここまで気持ち良く投げられるのは山崎さんのお陰だろう。二宮とは違った安心感があるよ。
(もしも私が新越谷に来なかったらどうしていただろうか?或いは夏大会で全国出場が出来なかったら……?)
外野に専念?それとも投手として使ってくれていたか……?まぁ今となっては関係ない話だけどね。
(まぁ今はこの試合を楽しみますかね!)
1回は両チーム三者凡退で終了。2回表は雷轟から……。鋼さんが雷轟を相手に勝負をするか否か……それによってこの試合の行方は変わってくるかな?
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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見たい
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