もうすぐ試合開始。先攻は私達だ。
「ねぇ朱里ちゃん」
中村さんの応援をしつつ、橘が新しい球種を覚えているかの確認をしようと思っていたら雷轟が声を掛けてきた。
「どうしたの雷轟?」
「今日の梁幽館のオーダーって1番が橘さん、2番が村雨さんになってるよね?」
「そうだね。それが?」
「1番打者って足の速い人がやるってイメージがあったんだけど、前の関東大会で凄く足が速かった村雨さんが1番じゃないのはなんでかなって思ったの……」
成程ね……。まぁ雷轟の言う事は強ち間違いじゃないし、雷轟じゃなくてもそういうイメージを持っている人はそれなりにいる。
「1番に置く基準ってチームによって結構変わってきたりするんだよ。例えば梁幽館の場合は打率の高さで選んでるっぽいね」
「打率の高さ……」
「私達新越谷は結構打順を弄くったりするけど、基本的には私達の中で1番打率が高い中村さんを置いているよね?その理由は梁幽館と同じ。まぁあとは相性の問題だったりするね」
今の梁幽館で1番打率が高いのって橘だもんね。秋大会と関東大会で7割近く打ってるもん……。
「相性?」
「夏大会で梁幽館と当たった時に山崎さんを1番にしたのがその理由に当てはまるね。ガールズ時代のものとは言え、吉川さんの球を把握していたから。相手投手によって1番打者を変えたりするんだよ。まぁこれは1番打者に限った事ではないけど……」
ちなみに二宮が白糸台でほぼ毎回9番に入っているのは逆に相手投手の持ち球を把握したいから……という理由が当てはまる。
「話を戻すと、うちで1番足が速いのが主将で、その次に速いのが川崎さん。でも2人よりも中村さんの方が1番に入る事が多いのはさっきも言ったように打率の高さと、絶対的な信頼だね。中村さんなら安心して1番を任せられるっていう……」
「朱里ちゃん……」
なんか中村さんがこっちを見てる……。試合始まるよ?私達先攻だよ?早く打席に入らなきゃ。
「……で、1番に打率が高い選手を入れて、2番に足が速い選手を入れるケースもあるんだ。もちろん2番打者の仕事である次に繋ぐバッティングをする事が出来る前提ではあるけどね」
「じゃあ1番打者って足の速い人が入るって訳じゃないの?」
「そうでもないよ。さっきも言ったように1番打者を選ぶ基準はそれぞれ……。それこそ雷轟が言ってた足の速い人が1番打者という理論も決して間違いじゃない。阿知賀や稜桜の1番を打ってた高鴨さんと泉さんはチームで1番足が速い」
「へぇ~!」
私が説明を終えると皆が凄く感心していた。
「朱里ちゃんの理論は色々と参考になるね!」
「そうですね。早川さんは監督業をするのも向いています」
芳乃さんと藤井先生はそう言ってくれてるけど……。私は選手として頑張りたいです!
『プレイボール!』
あっ、試合が始まった……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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