試合は最終回まで進んだ。ここまで色々な事があったけど、武田さんも、橘もなんとか踏ん張り、1対3のままで投手戦となっている。
その色々というのが……。
「ニンニン♪」
村雨が再びライトゴロを決めたり……。
「あっ!?」
雷轟がトンネルしたり……。
「よっ……と!」
橘がファインプレーをかましたり……。
「ああっ!?」
また雷轟がトンネルしたりとあれやこれやとそれぞれが見せ場を作ってピンチやチャンスを凌いだり防いだりしていた。というか……。
「今日トンネルし過ぎじゃないかな……?」
「まるで初期の雷轟さんに戻ったみたいですね……」
私の隣で藤井先生も少し呆れていた。これはまた猛特訓が必要な気がしてきたよ……。
それはともかく、7回表。この回はクリーンアップからなんだけど……。
「頼んだぞ、朱里!」
「ファイトです!」
「かっ飛ばせ~!」
何故か私が代打で出場する事になりました……。なんで?主将の方が期待値高くない?藤井先生は……。
「折角の練習試合ですので、色々と試しておきましょう」
とか言って代打交代を受け入れた。それで良いのかな……?
(……まぁ良いや。今は橘との勝負に集中しよう。橘と勝負するのは夏大会が終わった後の混合試合以来だし、シニアの紅白戦でも余りやってないから、結構楽しみだったりするしね)
それにしても代打で出場とかいつ以来だろうか……?
「ここで朱里が代打で出るんだ……。朱里が代打で出るのは珍しいし、出るとしても、もっと後だと思ってたよ」
「これは練習試合……。言ってしまえばなんでもありです。本来なら岡田さんの方が期待値は高いですが、朱里さんも朱里さんでここ1番に力を発揮する打者なので、強ち間違いでもないでしょう」
「朱里ちゃんとはづきちゃんの対決って余り見ないから、結構楽しみかも……」
「今年は2回程見たけどね~。まぁ楽しみなのはアタシも同感かな☆」
「朱里さんとはづきさんの対決はシニアの紅白戦で片手で数えるくらいしかありませんでしたね」
(朱里さんの打撃力が更に伸びていると、3月に行われるシニアの世界大会でも打順が組みやすいんですけど……)
「それがどうなるかは朱里さん次第……ですね」
カンッ!
『ファール!』
初球から打っていったけど、ファールか……。
(次はこれでいくわよ!)
(了解でっす!)
2球目……。これは……ストレート?いや、まさか!?
ズバンッ!
『ストライク!』
(やってくれるね橘……!)
橘が2球目に投げたのはこの試合で初めて投げる偽ストレート。今の今まで温存していたのか……!
(ふっふーん!これくらいはしなきゃ朱里せんぱいには勝てないんですよ!)
3球目……何が来る?今の橘だとスクリューでも偽ストレートでも可笑しくない……。私はどっちに狙いを絞るべき……?
(……悩んでも仕方ない。ヤマを張ってバットを振る事にしよう)
そもそもこれは練習試合……。もしもヤマが外れたら公式戦で借りを返せば良い。
(私が狙うのは……!)
(これで三振ですよ。朱里せんぱい♪)
橘が最近マスターした……スクリューが媒体の偽ストレートだ!
カンッ!
(よし……!)
打球は三遊間抜けてヒットとなった。なんとか繋げる事が出来たよ……。
そして次は雷轟の打席。
(これは夏大会の時と状況が似ているね……)
違いと言えば、現状私達が負けている……という事だ。
(1打席目は橘が打ち取り……)
(2打席目は雷轟さんにホームランを打たれた……)
((この3打席目によって、この試合の命運は決まる……!))
雷轟対橘……。第3ラウンドが開幕した。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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