最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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早川朱里と上杉真深

武田さんの家に上杉さんが来た……んだけど……。

 

「雷轟と二宮がいるのは予想外だったなぁ……」

 

特に二宮。接点らしい接点が思い浮かばな……いや、あるにはあるのかな?

 

「ここに来る途中でこの2人に会ったのよ」

 

……と上杉さんは言っていた。どこか寄り道でもしてたのかな?

 

「バッセンにいたら、真深ちゃんと出会ったんだよ!」

 

「遥ちゃんって可愛らしい見た目で豪快に打つんだもの。思わず声を掛けちゃったわ」

 

これが雷轟と上杉さんの出会いなのか……。雷轟も世界一の日本人のスラッガーに褒めてもらってるし……。

 

「それにしても真深ちゃんの寄る所ってヨミちゃんのお家だったんだね!」

 

「ええ。年末だから帰省にね。私とヨミは従姉妹なの」

 

「そうなんだ~。だからどこかヨミちゃんに似ていたんだね」

 

確かに……。そう言われて改めて見ると上杉さんはどこか武田さんに似ている。容姿もそうなんだけど、人を惹き付ける魅力や頼りになるムードメーカーな感じも親戚……と言われればある程度納得もいく。

 

(上杉さんは武田さんを淑やかにした感じ……という事を覚えておこう)

 

コミュニケーション能力が高いところも武田さんと類似している。……で。

 

「二宮はどうしてここに?」

 

「私は人と会ってきた帰りなのですが、上杉さんと雷轟さんからお誘いを頂いたので、こちらに来た次第です。私としても朱里さんがいたのは意外でしたが……」

 

まぁそうだよね。私自身もそう思ってるし。

 

「さっきの雷轟の話でわかると思うけど、上杉さんって武田さんの従姉妹なんだって。それで……」

 

「……成程。上杉さんが武田さんのいる埼玉に訪れ、その時に朱里さんに会おうと思っていたんですね。思えば3年前のリトルリーグの世界大会において上杉さんは朱里さんをライバル視していました」

 

そうそれ。私自身も二宮に言われるまでわからなかったの。自分の事で手一杯だった時期だからさ。

 

「二宮さんの言う通り、私は早川さんに敗れたあの日から、どうしたら早川さんに勝てるか……そう思いながら毎日練習に明け暮れていたわ」

 

『…………』

 

上杉さんは過去に私と対戦して、そこから今の上杉さんがいる……。私はそれをどこか嬉しく思う。私にとって上杉さんは宮永さんと同格の打者かそれ以上だと思っていたから、その上杉さんが私をライバルだと思ってくれた事に……。

 

「……真深ちゃんと朱里ちゃんって中学1年の時にその、リトルリーグの世界大会で対決したんだよね?」

 

「ええ。3打席対戦して、結果は私の全敗……。かつてない悔しさを覚えたわ」

 

確かその時はあの人に教えてもらった偽ストレートが上手く投げられるようになって初めての実戦だったんだよね。

 

「……上杉さんは、朱里さんの投げた球の正体に気付いていますか?」

 

「当時は全くわからなかったわ。ストレートにしては可笑しい……とは思っていたけれど、確信には至らなかった」

 

中1の頃は偽ストレートの正体に気付いたのは二宮と清本くらいだったからね。

 

「……でも今は違う。あの人と出会って、話を聞いて、あの人が似た球を投げているのを見て、私の中でピースがはまっていく感じがしたの」

 

「そうですか……。聞きたい事が聞けて良かったです」

 

上杉さんの言うあの人は……私に偽ストレートを教えてくれた人で間違いないだろう。雷轟もいるので、二宮は敢えてその名前を口にはせず、上杉さんもその空気を察知したのか名前を言わなかった。

 

上杉さんにはもう偽ストレートは通用しないだろう。私の投げる球をどこまで知っているのかわからないけど、私だって高校に入ってかなり成長した……。それを世界大会で証明出来たら良いな。

 

(そういえば上杉さんとあの人は同じチームの一員として日本の高校に留学すると聞いた……。だとしたらあの人は今この日本に、埼玉にいるのかな?)

 

だとしたら会って話がしたい……。そしてあれから成長した私を見てほしい。

 

「そういえばシニアリーグの世界大会運営から通知が今日来ていましたね」

 

あっ、そうだ。それを見ようと思ってたのを忘れるところだった。

 

「持ってきたのですか?」

 

「うん……。私と二宮はもちろん、上杉さんにも多分関係すると思うからね」

 

「私は既に目を通しましたが、上杉さんの方は?」

 

「まだ見ていないわね。早川さん、良かったら見せてもらっても良いかしら?」

 

「構わないよ」

 

私は封筒を開けて、書類を確認した。その内容は……。

 

 

今年のシニアリーグの世界大会は男子も、女子も、優秀な選手達が揃っていて甲乙付けがたいので、男女別で行う事を決定した。各国男子20人、女子20人とチームを分けて、励んでください。

 

 

……と書かれていた。

 

遂に男女別で大会が行われるのか……。リトル、シニアと6年間男子と野球をやって、リトルリーグの世界大会ですら男子選手がいたのに、今回に限っては……いや、もしかしたら次回以降も男女別で大会が開かれるのかもね。

 

「今年は男女別で別れるのね……」

 

「あれ?じゃあ今までは男女混合だったの?」

 

「そうですね。まぁ男子とは別に女子選手にも段々と優秀な選手が揃ってきている事はわかっていましたが、運営も大胆な事をしました」

 

確かに……。まぁ男女混合って色々問題が起きる可能性もあるし、それを考慮したのかもね。

 

(だとしたら何れプロ野球の男女混合リーグというのもなくなりそうなものだけど……)

 

今はそんな事を気にしていられないね。近い内に、あの人に会っておく必要がありそうだ。

 

「早川さん。少し……話良いかしら?」

 

突如、上杉さんがそう言った。




遥「ヨミちゃんと真深ちゃんは従姉妹同士だったんだね!」

朱里「これはたかとさんの小説でも同じ設定だね」

遥「名字も武田と上杉だし、この2人は深~い縁を将来持つ事になるよ!」

朱里「……それは宛ら武田信玄と上杉謙信の如く?」

遥「その通り!!」

朱里「何を言ってるんだか……。そもそも従姉妹同士なんだから、深い縁なのは当たり前だし……」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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