遠前町
「着いたーっ!」
「……随分と静かな町ですね」
「商店街のお店も昼なのに、シャッターが閉まってるところが大半……」
風薙彼方、上杉真深、ウィラード・ユイの3人が訪れたのは活気がなく、寂れた商店街だった。
「可笑しいなぁ。私達がここに来た10年前はもっと賑やかだったのに……」
「10年前……」
(それは……彼方先輩が妹さんと、仲違いする前の……?)
(ユイ、邪推は駄目よ)
(……わかってるわ)
「……まぁ良いや。とりあえず私達の住居に行こうか」
「「はいっ!」」
「……今日から入って来た入居者?」
「はいっ!今日からよろしくお願いします!」
「……こんな寂れたボロボロで小さいアパートの一部屋に3人で暮らすなんて変わってる。こんなところじゃなくて、もっと大きいタワマンとか紹介しようか?」
(た、確かに3人で住むには窮屈だけれど……)
(大家さん?本人が言う事じゃないでしょ……。それにしても随分と若い人ね。私達と同年代なんじゃ……?)
彼女達が訪れたのは商店街から少し歩いたところにある小さいアパート。ここが3人の拠点となるのだ。
「……いえ、最初からここに住むって決めてるんです!」
「そう……。このアパートの管理人代理をしている水鳥志乃。何かあったら一応私に言って……」
「はい!」
「…………」
挨拶が終わると水鳥は中に入った。
「……私達も部屋に行こっか!今後の事も話したいし」
「そうですね」
3人は自分達が住む部屋に入り、話し合いを始める……。
「じゃあこれからの事を話すよ。私達は冬休み明けにここの近くの高校……遠前高校に編入して、そこの野球部に入って全国制覇を目指す……。ここまでで何か質問はあるかな?」
「はい!」
「ユイちゃん!」
「遠前高校……というところは聞いた事がないのですが、野球部ってあるんですか?」
「……十数年前はそこそこ強い野球部だったんだけど、今はよくわからない。遠前高校に編入するのは思い入れがあるからだよ」
(それは……遥と仲違いする前に、家族でお世話になったこの町の、遠前高校野球部の人達に、野球を教わったから……)
あの人達は今何をしているのかな?この町に戻って来てるなら、挨拶がしたい。貴女達に出会えたから、私は成長出来たよ……って。
「はい」
「真深ちゃん!」
「この地区は埼玉、神奈川、東京程じゃなくても、激戦区だと思いますが、勝算はあるんですか?」
真深ちゃんの質問の意図はなんとなくわかる……。正直私やユイちゃんが投げて、真深ちゃんが打つだけで、少なくとも全国出場は容易いとは思ってる……けど、それだと駄目なんだよね。
「……あるよ。遠前高校野球部が力を合わせたらね」
「そうですか……」
真深ちゃんもわかってくれたみたい。
「あれ……?」
「ユイちゃん、どうしたの?」
「私はともかく、彼方先輩が投げる球を捕れる人っているんですかね?アメリカでも先輩の球を捕れる人は少なかったような……」
「…………」
「…………」
「…………」
「……ああーっ!?」
そ、そこまで頭が回ってなかったよ!ど、どうしよう……!?
『ああーっ!?』
「……うるさ。壁が薄いから、声が響くっての」
「まぁ賑やかなんは良いんとちゃう?」
「外藤……。他人事だと思って……」
「他人事やしな。それよりも野球部の件やけど……」
「そっちもそっちでちょろちょろと動いてるのがいるから、面倒……。私達はもう野球を辞めたのに、私達がいる高校でやらないでほしい……」
「まぁ同意はするけどな」
(まさか、あの3人まで野球部に肩入れする……なんて事はないよね?)
彼方「……という訳で、今回からしばらく私達が主役だよ!」
真深「本当に良いんでしょうか?」
ユイ「真深は心配性ね。本家を喰うつもりで私達の躍進を見せ付けるくらいの気概でいくのよ!」
彼方「まぁどうなるかは完全に作者の見切り発車だけどねっ!」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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