最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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遠前野球部に足りないもの

翌日。授業が終わって、真深ちゃんとユイちゃんと合流して、部室に足を運ぶ。

 

「おっ?来たね。もう全員グラウンドに揃ってるから、なるはやで着替えちゃって」

 

部室に来るなり天王寺さんはそう言って部室を出て行った。

 

「私達以外の部員達……どんな人かしら?」

 

「野球経験0って天王寺さんは言っていたわよね?それと金の卵とも……」

 

そこが気になるところなんだよね……。でも今は早くグラウンドに行こう!!

 

「…………」

 

……また見られてる感じがする。昨日天王寺さんが言ってた2人の内のどちらかなのかなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着替えてグラウンドに向かうと、そこにはノックを受けている部員達の光景が……。

 

「ファースト!」

 

 

カンッ!

 

 

「天王寺先輩が打った打球ってかなり難しい打球よね?」

 

「あの打球は中々捕れるものじゃないかもね……」

 

 

バシッ!

 

 

『捕った!?』

 

私達3人はあのファーストが難なく打球を処理している姿に目を疑った。アメリカでも今の打球を捕れるファーストは少ないわよ……?

 

「次!セカンド!ショートと合わせてゲッツー!!」

 

 

カンッ!

 

 

次に打たれた打球は一二塁間に痛烈な当たり。これも処理するのは簡単じゃない。そんなノックをいとも簡単に打てる天王寺先輩って本当に何者……?

 

「また捕った……。凄いわね。連携もバッチリ」

 

ユイの言う通り、セカンドの人の打球処理も落ち着いていたし、ショートもそれに合わせて、連携も完璧なものにしている……。本当に素人なのか疑いたくなるわね。

 

その後も各ポジション毎に難しい打球を天王寺先輩が打って、それを上手く処理する彼女達……。この守備力は私達がいた高校の人達よりも上かも知れないわ……。そんな選手達が7人もいるのね。

 

「一旦休憩!真ん中に集合!!」

 

天王寺先輩の号令で私達もそれに合わせる。

 

「今日から新しく3人も部員が入る……。3人共私達を全国制覇まで導かんとする最高の選手達だ!」

 

わ、私達の事を持ち上げ過ぎなのでは……。

 

「か、風薙彼方です!2年生で、ポジションは投手、一塁手、三塁手、外野手を守れます!約半年と少しという短い間ですが、よろしくお願いします!」

 

彼方先輩の自己紹介に続いて私達も……。

 

「ウィラード・ユイ、1年生です。ポジションは投手と三塁手です。皆さんと切磋琢磨していけたらと思っています!よろしくお願いします!」

 

「同じく1年生の上杉真深です。ポジションは外野手です。打撃方面を得意としていますので、それで皆さんの援護を出来れば……と思っています。よろしくお願いします」

 

自己紹介はこんな感じで 大丈夫かしら?変な事を言ったつもりはないけれど……。

 

「次は私が見付けてきた金の卵達を紹介するよ!まずは内野(予定)から!」

 

「草野盾です。2年生で、練習ではファーストとサードを守ってるよ。よろしくね」

 

先程ファースト頭上の高い打球を余裕持って捕球した人。おっとりとした雰囲気だけど、きちんと鍛えられている……。確かに金の卵なのかも知れないわね。

 

「1年の森川雫っす。ポジションはショートとセカンドが主になるっす」

 

「わ、わたしは冴木昌です。1年生で、セカンドとショートを守ってます」

 

さっきの連携が完璧だった二遊間の2人……。この2人はそれぞれ逆のポジションも守れるようにしてるのね。

 

「サードとコンバート用に外野を守ってます。兼倉洋子。天王寺や草野と同じ2年生、同じクラスになるよ」

 

兼倉先輩の話によると天王寺先輩がもしもの時に備えてコンバートしているみたい。天王寺先輩はどこまで先を見据えているのか気になるわね……。

 

「最後は外野(予定)の3人!」

 

「2年生、矢部明美でっす!天王寺さんには良くしてもらってまっす!」

 

矢部先輩は彼方先輩に負けてないくらいに明るく、元気な人ね。

 

「夢城姉妹の姉の方の由紀です。1年生で、外野と、天王寺先輩の指示で投手の練習もしてます」

 

「夢城姉妹の妹の方の亜紀です。1年生で、外野と、サード、ファーストを天王寺先輩の指示で守ってます」

 

夢城由紀ちゃんと夢城亜紀ちゃん……。双子の姉妹ね。喋り方がどこか似ているのも双子だからかしら?

 

「……で、部員はこれで全員なんだけど、問題が2つあるんだよね」

 

「問題……?」

 

天王寺先輩が意を決したように発言する。

 

「1つ目は……彼女達の試合経験が0な事。真深とユイは3月にシニアリーグの世界大会もあるから、それまでにどこかで何試合かはやっておきたいんだけど……」

 

「この中途半端な時期に試合を組んでくれるところがあるかって事かな?」

 

「まぁ当てがない訳じゃないから、その辺はなんとかなる。そして2つ目。こっちの方が重要な事なんだけど、彼女達のポジションを聞いてたら大体わかってくる……筈」

 

紹介してもらった人達のポジション……まさか!?

 

「ひょっとして……!?」

 

「嘘……!?」

 

「……その様子だと3人共気付いたみたいだね。そうだよ。今の野球部には捕手を守れる人間が1人もいないんだ」

 

つまり彼方先輩の球を捕れる捕手については未だにいない……という事ね。

 

「こ、心当たりはいないのかな……?」

 

「う~ん……。1人いるにはいるんだけど、その子は昨日も言ったように訳ありなんだ」

 

昨日天王寺先輩が言ってた私達を見ていた2人の内の1人かしら?

 

「川越リトルで捕手を務めてたから、実績も間違いない……と思う。多少のブランクはあるだろうけど、彼方やユイの球もきっと捕れると私は思ってるよ」

 

凄い自信を感じるわ。余程その人を信用しているみたいね……。

 

「……まぁその辺りの事は追々やっていこう。今は練習練習!」

 

天王寺先輩はそう言っているけれど、本当にその人は入ってくれるのかしら……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こりゃ傑作やな。あの野球部、まともに捕手が出来る奴が1人もおらんらしい」

 

「なら野球部創部は無理じゃない?」

 

「水鳥、おまえスカウトされるんちゃうか?元々捕手やっとった訳やし」

 

「無理。私はもう野球やりたくないから。もしもやるとしたら……」

 

「やるとしたら?」

 

「外藤も道連れにする。ポジションは違えど、外藤も捕手の経験ある筈だし……」

 

「おお怖……」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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