最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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連打

あれから4回、5回、6回とイニングはどんどんと進んでいき、私達は合計で7点入れて14点になった……んだけど。

 

 

カキーン!!

 

 

「ま、またホームランを打たれた……」

 

「打たせて取るピッチングをしているとは言え、ユイちゃんの球はそう簡単には連打出来ない筈なのに……」

 

「まぁ今までが打たれなさ過ぎたんだよ。試合前にも話したけど、洛山のホームラン総数と打点は全国一。下手すれば世界の高校でもトップかも知れないんだから」

 

まぁそこまでの統計は取ってないけど……と言う天王寺さん。確かに3巡目だし、ユイちゃんの投げる球にも慣れてきているのかも知れないね。

 

「特にこのイニングから代打で出て来た根武谷、葉山、実渕の3人はそのホームラン総数と打点に貢献している……。この後投げるであろう黛も今の洛山には2人といない技巧派だし、下手すればこれ以上私達の追加点には期待出来ないかもね」

 

「で、でもまだ私達がリードしてるし、この回をユイちゃんが凌ぎ切ったら、あとは逃げ切るだけだよね!」

 

「その通り。彼方、最終回に投げてもらうから、肩を作っといて。明美は彼方の肩を作るのに付き合ったげて」

 

やった!やっと投げられる!

 

「うん!」

 

「了解でっす!」

 

明美ちゃんと一緒に肩を作りに行った。その時の私はいつもよりも嬉しそうな、機嫌が良さそうな顔をしていたと明美ちゃんは言っていた……。

 

「……三者連続でホームランで、未だにノーアウト、更には上位に回ってくるこの回……ウィラード・ユイはどこまで凌げると思いますか?」

 

「それはユイと、ユイを操る志乃次第さ。この試合はユイにとっても、他の選手にとっても良い刺激と経験になった筈。ユイと真深はシニアリーグの世界大会に向けてまた一皮剥けたと思う」

 

「……つまりはこれも天王寺先輩の想定に入っていたという事ですか?」

 

「それも当人達次第だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(彼方先輩が肩を作りに行っている……。私はこの6回裏で交代ね)

 

状況は6回で、スコアは14対11で私達がリードしている。超打撃チームが相手で、バックの守備練習も兼ねているとは言え、ここまで打ち込まれたのは初めてね……。

 

「洛山高校……アメリカのどのチームを相手よりも攻撃に極振りしたチームだと言う事を痛感したわ」

 

攻撃に極振りしているからなのか、1~4番を打っていた4人以外はエラーの連発だった。そういえば天王寺先輩はエラー総数も全国一と言っていたわね。こんな極端なチーム、アメリカにもいなかったわ……。

 

「……ウィラードはこの回まで投げ切ってもらうけど、まだ行けそう?」

 

「……はい。私はまだまだ大丈夫です!」

 

「天王寺からは『もう私達の事は気にしなくても大丈夫だから、思い切り投げてこい!』って伝言を受けてる」

 

「良いんですか?」

 

「……向こうが代打攻勢をしなければ、まだ打たせて取るピッチングをしてもらう予定だったみたいだけど、こうなった以上は仕方ないって」

 

……むしろそんな攻撃的なチーム相手に打たせて取るピッチングをして、11点で済んで幸運なのかしら?本来ならそれ以上……それこそその倍の点数を取られても可笑しくないって天王寺先輩は言っていたし。

 

「……わかりました。全力で相手打線を抑えてきます!」

 

「ん」

 

私がそう言うと志乃先輩は軽く返事をして、元の位置に付いた。よし……!ここからはギアを上げて行くわよ!

 

(強いて言うなら清本さんにはこの試合、ずっと打たれっぱなしだったのが少し心残りかしらね……)

 

それも世界大会でまとめて借りを返すわ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

「この試合、ウィラード・ユイが三振を取り始めましたね。5番以降を相手には初めてじゃないですか?」

 

「ユイが本来のピッチングをすれば少なくとも5失点くらいで済んでいたさ」

 

「……それでも5点は取られるんですね」

 

「1~4番……特に和奈は今まで投げたユイの球種に全て対応しているからね。リミッターを解放してもホームランを打たれていただろう」

 

(ユイが言っていたとっておき……というのを公開していたらまた別だっただろうけど、世界大会の事もあるからね……。ユイはそれを温存という形を取ったんだろう)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

(まぁあの洛山打線とは言え、下位打線にはユイの全力は打てまい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウィラードちゃんはここで全力を出してきたか~」

 

「あれがユイさんの本来のピッチングです」

 

「清本ちゃんに回らないタイミングで全力解放しているのを見ると、ウィラードちゃんはここで降板かな~?」

 

「じゃあ次に投げるのは誰なんですか?」

 

「向こうで肩を作ってる2人の内のどちらかだろうね~」

 

(キャッチボールをしている2人の内の1人は彼方先輩……。彼方先輩の球ってまともに打った事がないのよね……)

 

(もしもし彼方先輩が出て来るまでに逆転出来なかったら、私達の負け……でしょうか)

 

(多分投げてくるのは風薙ちゃんだね~。風薙ちゃんのこれまでのデータを見る限り……うちで風薙ちゃんの球をまともに打てるのは清本ちゃんだけになりそうだね~。いや、下手すれば清本ちゃんですら打てるかわからないかも~?)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

「二者連続三振。本当に力を温存してたんだ……」

 

「それでうちの打線を相手に11点で済んでいるのは素直にウィラードちゃんの能力が高いからだね~」

 

「ですね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

打たせて取るピッチングを止めたユイは1番のエルゼちゃんと2番のリンゼちゃんも3球で三振に抑えてしまう程のピッチングを見せた。

 

(遠前高校野球部に入ってから……また一段と成長したわね)

 

味方としては頼もしい限りね。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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