最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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近況報告?

アメリカの空港へと向かう飛行機に乗っている間、最近何があったのかを話している。

 

「すると洛山は風薙さん達がいるところと練習試合をした……と?」

 

「うん。でも14対11で負けちゃったんだよね……」

 

「そのスコアから察するに先発したのは風薙さんではありませんね?」

 

確かに。洛山の打線はかなり攻撃的だけど、もしも風薙さんが頭から投げてるなら洛山相手でも完全試合にしかねない。

 

「そうだね。投げてたのはウィラードさんだったよ」

 

「えっ?ウィラードさんから11点も取ったの?凄くない?」

 

洛山は速球派投手に強い打線ではあったけど、ウィラードさんなら取られても5点くらいだと思ってたんだけど……。

 

「でもウィラードさんは全然本気を出してなかったんだ。打たせて取る……って感じのピッチングをしてたから。多分世界大会まで手の内を晒さないようにする為だと思うんだけど……」

 

「過去のウィラードさんからは考えられないスタイルですね。群馬県にある遠前高校……でしたか。そこの野球部に入ってウィラードさんなりに何かを掴み、成長したのでしょう。確か遠前高校には天王寺さんもいた筈ですからね」

 

色々と凄い。試合結果に関しては打たせて取るピッチングをしていたとは言え、11点取った洛山を褒めるべきか、洛山打線に対して11点で済ませたウィラードさんを称えるべきか……。判断が難しい。

 

(ウィラードさんが清本が言うような成長したのは天王寺さんの影響なのか、それとも……)

 

「あとびっくりした事があって、遠前の捕手がなんと水鳥先輩だったんだよ」

 

「えっ?水鳥さんが?」

 

水鳥志乃さん……。二宮が入ってくるまでの川越リトルで捕手を務めてた人だ。二宮が正捕手になってから見掛ける事が少なくなり、シニアに上がらず野球を辞めたと聞いてたけど、清本の話によると無事に復帰しているみたい。

 

「水鳥さんですか……。あの人の捕手としてのセンスはかなりのものでしたのに、何故野球を辞めたのかはよくわからないんですよね。私からすればもったいない限りです」

 

(いや、水鳥先輩が野球を辞めたのって……)

 

(十中八九二宮が原因だと思うなぁ……)

 

まぁ口には出さないけど。

 

(まぁ水鳥さんなら風薙の球も問題なく捕球出来ても不思議じゃないね)

 

「それに下位打線は本気を出したウィラードさんを打てなかったし、最終回に交代で出て来たその風薙さん……?には私も非道さんも手も足も出なかったし……」

 

「やはり和奈さんでも風薙さんを相手に初見で打つ事は不可能ですか?」

 

「ドロップとナックルにはなんとか着いて行けたんだけど、その後に投げられた球は空振りしちゃったなぁ……」

 

清本の言う風薙さんがドロップとナックルに続いて投げた球と言うのは私と二宮が見た偽ストレートの完成形だと思われるのあの摩訶不思議な球だろう。

 

「和奈さんはその球に対して何か攻略法は浮かびましたか?」

 

「う~ん……。なんとなく、ボンヤリとしかわからないかな?朱里ちゃんが投げてるストレートに見せ掛けた変化球と性質は似てるんだけど、それは変化球とは言えなさそう。打ったと思ったらバットをすり抜けちゃったし……」

 

やはり清本も同じ事を思っているね。私も風薙さんと1打席勝負をした時も風薙さんが最後に投げたあれはバットをすり抜け、貫通するお化けボールだと始めは思ってしまう。しかし……。

 

「まだ曖昧ですが、あのストレートに対してわかった事があります」

 

「えっ?瑞希ちゃんはあれの正体がわかるの!?」

 

「私もなんとなく……だけど」

 

「朱里ちゃんも!?」

 

私と二宮は清本に風薙さんの決め球について軽くアドバイス……になってるかは微妙だけど、それを話す。

 

「……成程。確かにそれなら当てる事は出来るね。本格的な攻略法はそこから見出だすって事で良いのかな?」

 

「多分ね。清本ならそれが出来ると思うよ」

 

それと言うのは風薙さんの決め球を完全にわかった上で完璧に捉える事だ。清本のスイングスピードならそれが可能だ。

 

(あとは雷轟だけど……。風薙さんとは擦れ違ってるし、2人の姉妹の絆が修復してくれると良いなぁ)

 

風薙さんはもちろん、私にとっても、上杉さんやウィラードさんにとっても、そして風薙さんの実の妹である雷轟にとってもその方が確執がなく、蟠りがなく集中して野球には専念すると事が出来るだろう。

 

「……まぁ風薙さんと相見えるのは次の夏の全国大会、或いは県対抗総力戦になりますので、その話はその時にしておきましょう」

 

「そうだね。近況報告と言えば……。朱里ちゃんと瑞希ちゃんは最近何をしてたの?」

 

「私はいつも通り、情報収集を中心に、練習試合をしたり、最近では後進の育成に力を入れています」

 

「後進の育成?」

 

「もうすぐ4月になりますので、白糸台野球部に入りたいと希望する人達を少し早めに白糸台野球部の練習に参加させています」

 

白糸台野球部も凄く大きくなったよね。宮永プロが入学した時からその片鱗は見えていたけど、神童さんが入って頭角を現した。そこから王者とも呼ばれるようになったんだよね……。

 

「朱里さんはどうですか?」

 

「私は別段大した事はしてないけどね……」

 

飛行機が離陸してから数時間、私達3人は話せる事を話し続けた。




朱里(実は新越谷にも4月から留学生が来るって事は黙っていよう……)

瑞希「そういえば新越谷にも留学生が4月に来るみたいですね」

朱里「なんで知ってるの……?」

瑞希「秘密です」

和奈「瑞希ちゃんってなんでも知ってるよね?」

瑞希「なんでもは知りません。知っている事だけです」

朱里「情報源が一体どこから出てるのかって話だよね。私も清本も敵対してからは極力情報を洩らさないようにしてる筈なんだけど……」

和奈「ドローンでも飛ばしてるの?」

瑞希「さて、どうでしょう」

朱里&和奈「「え……?冗談だよね?」」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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