最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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開幕から大ピンチ!?

「さて……。世界一になる為の第1歩。まずは台湾を屠りましょうか」

 

『はいっ!!』

 

……いや思わず返事しちゃったけど、屠るってなに?

 

 

1番 レフト 金原

 

2番 センター 三森朝海さん

 

3番 キャッチャー 高橋さん

 

4番 サード 清本

 

5番 ファースト 綾瀬さん

 

6番 ショート 帯島さん

 

7番 セカンド 初野

 

8番 ライト 雨取さん

 

9番 ピッチャー 十六夜さん

 

 

ちなみに今日のオーダーはこんな感じ。村雨はブルペン捕手兼代走要因らしいので、ベンチスタートだそうだ。代わりの枠として朝海さんが入っていて、打順も2番だ。

 

「瑠花ちゃん。台湾代表の打線は確かに強力だけど、瑠花ちゃんが思い切り投げていけば抑えられない相手じゃないわ」

 

「…………」

 

「……だからそんなに緊張しなくても大丈夫よ?」

 

「は、はいっ……!」

 

台湾を相手に組んできた即席バッテリーである十六夜さんと高橋さん。私達は後攻だから、この2人もそれぞれの守備位置に付く訳なんだけど……。

 

「き、緊張で足が動きません……!」

 

「だ、大丈夫瑠花ちゃん!?」

 

しかしなんだろう。十六夜さんと高橋さんのやり取りに既視感を感じるんだけど……。

 

「……まるで昔の和奈さんを見ているみたいですね」

 

「ええっ!私ってあんなだったの!?」

 

「……まぁあんな感じだったねぇ」

 

「そ、そうだったんだ……」

 

確かに十六夜さんのあの様子はリトル入りたての清本とほぼ一緒。あの時は二宮が清本を宥めていたっけか。

 

「ほーら、アタシ達も早いとこ守備位置に付くよ。和奈は今日サードなんでしょ?」

 

「あっ、うん……」

 

金原の一言で清本はサードに付いた。ナイス金原。流石元川越シニアのキャプテンだ。

 

「さて、私達は皆さんの試合運びを見守りましょう」

 

「そうだね」

 

「あの、二宮さんも早川さんも落ち着き過ぎじゃないですか?」

 

二宮の隣に座っている朝日さんが私達の様子に疑問を持っていた。

 

「私達まで緊張の色を悟られたら向こうの思う壺です。堂々としていましょう」

 

「まぁ向こうからは緊張の様子とかないし、こっちもなるべく緊張しないようにしよう」

 

十六夜さんはなんか震えているようにも見えるけど……。

 

「や、やっぱり川越シニアの人って凄いんや……」

 

朝日さんが尊敬の眼差しで私と二宮を見ている。そういえば朝日さんは米原シニアだっけ?あそこもかなり強かった記憶がある。朝日さんはとても優秀なサードだった。今はなんか私達を見て方言を洩らしているけど……。

 

「しまっていこーっ!!」

 

『おおっ!!』

 

捕手の高橋さんが十六夜さんの緊張を解すかの如く試合開始と共に味方全体に声掛けをする。

 

「ああいう風に声を掛けるのも捕手の務めですが、私には出来ない芸当ですね」

 

「いや、それを堂々と言うのはどうなの?」

 

確かにあんな風に大声をあげる二宮とか全く想像出来ない……。まぁ私と出会う前の二宮ならわからないけどね?

 

(幼稚園から二宮と一緒だった清本なら二宮の幼い頃とかわかるのかね……?)

 

 

カキーン!!

 

 

えっ?

 

『ファール!』

 

「初球からいきましたね」

 

「ホームランじゃなくて良かった……」

 

しかしあれだと連打を食らうのも時間の問題になりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんとか試合開始に間に合ったのは良いけど、日本代表はいきなり正念場っぽいわね」

 

「そうね……。まだ試合は始まったばかりだからなんとも言えないけれど、あの投手の様子だと不味い流れになりそうだわ」

 

「おやおや~?そこにいるのはアメリカ代表の上杉ちゃんとウィラードちゃんじゃないかね~。今日はアメリカ側は試合がないんだね~?」

 

「あっ、はい。貴女は確か洛山の……」

 

「非道で~す。よろしく~。練習試合ではお世話になったね~」

 

「こちらこそ、お世話になりました。非道さんは日本から遥々と……。清本さんの応援ですか?」

 

「それもあるけど、アメリカ代表にはシルエスカ姉妹もいるからね~。どちらも我が子のように思ってるから、見守っておきたいんだよ~」

 

「そ、そうなんですね……」

 

「……まぁそれは建前として、本当の目的は私自身の視野を広げる為に来たんだよね~」

 

「視野を広げる為に……?」

 

「私は今まで大豪月さんの為に色々とやってきたけど、大豪月さんが野球部を引退して、高校を卒業して、1人になった時間が増えて、そして私ってなんなんだろうって思う事が増えてね~。大豪月さんが側にいない1年間の間、私の見れる新しい景色をここで見れたら良いなって思ってるんだよ~」

 

「「…………」」

 

「案外2人にとっても他人事じゃないかもね~。風薙ちゃんに着いて来て、遠前高校野球部に入って、そこから風薙ちゃん達が引退した後は……?とかとか~?」

 

「「…………!?」」

 

(確かに……。私達は彼方先輩に恩を返す為に着いて来た)

 

(じゃあ彼方先輩が事を成し遂げたら……?私達は……どうするべきなのかしら)

 

「……まぁ2人にも色々あるよね~。それと同じで私にも色々あるんだよ~。だからこうして新しい可能性を見付ける為にアメリカまで遠路遥々来たって訳~」

 

『ボール!フォアボール!!』

 

「おやおや~。日本代表は早くもピンチみたいだね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ボール!フォアボール!!』

 

1番打者に出塁されて、2番、3番と連続で四球で歩かせてしまう。そして……。

 

(ノーアウト満塁で4番の陽春星さんか……)

 

いきなり滅茶苦茶ピンチじゃん……。十六夜さんはここからどう切り抜けるのかな?

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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