清本がホームに還って来たのと同時に一色さんも戻って来たので、私はブルペンに行く事に。
(一色さんが戻って来たって事は、恐らく次の回から投げるんだろうな……)
十六夜さんはまだまだいけそうだけど、日本代表の方針……というか世界大会の投球制限によって日本代表の先発投手は投球イニングが長くても5回までとなる。厳しいルールだよね。他国はどうなっているんだろうか?
「おっ?待ってたでござるよ!朱里殿」
ブルペンに着くと村雨が捕手用ミットを持って待っていた。
「まぁ色々聞きたい事はあるのでござるが、今は朱里殿の投げる球を受ける事に専念するでござるよ!」
ニンニンと村雨はしゃがんでミットを構えた。
「行くよ……!」
「!!」
(朱里殿から気迫を感じるでござるな。川越シニアが全国優勝して、新越谷に入り、そこから夏の県大会、全国大会と両方を優勝で締め括り、秋の県大会も準優勝、関東大会も優勝と……。いくつかは朱里殿が関与していないでござるが、そんな苦楽を生き抜いて来た朱里殿からは風格が、体付きが、表情が……。それ等がシニアにいた頃とは比べ物にならないでござる)
ズバンッ!
「ナイスボールでござる!」
バシッ!
(村雨の返球動作……中々良いな。投手以外の全ポジションをそつなくこなす……というシニアで出来た噂は本当だったのかな?)
捕球も余裕を持ってたし、これは本職の捕手と比べても遜色ないよ。監督が村雨をブルペン捕手に指名した理由がわかるね。
それからも私の持ち球を数球投げて、肩を暖めた。それに対して村雨が吟味するように捕球していたけど、これって今後梁幽館と対戦する時の対策として使われたりするのかな?
(ボールのキレ、変化球の変化量、ストレートのノビ……。どれもシニアの時と……いや、最新の映像データで見た時よりも遥かに成長しているでござる。朱里殿ならもしかしたら世界一の投手……と呼ばれるのに相応しいのかも知れないでござるな)
「そろそろ戻るよ。試合展開も気になるし」
「……実況の声から察するに、先刻にいずみ殿がタイムリーヒットを打って、なんとか1点をリードしているでござるよ」
良かった。なんとかリード出来てるんだ……。というか私全然実況の声とか聞いてなかったよ……。
試合は6回裏。先程村雨が言ったように、金原のタイムリーヒットによって6対5となっている。
ちなみに5回から一色さんが投げていたのだが、十六夜さんと同様にホームベース2つ分の幅を使った変化球を駆使して三振とはいかずとも、凡退を連発させて、ランナーを背負いつつピンチを凌いでいた。
『アウト!チェンジ!!』
後続で追加点獲得はならず、1点リードのまま7回を迎えた。
「早川さん、最終回で決めて来なさい」
「はい!」
監督の指示により、最終回は私が登板。捕手も高橋さんから二宮に交代するみたいだ。
(シニアリーグ世界大会の初登板……。出来る限り、最高の結果を残していきたいね)
私は投手陣の中でもスタミナがない方なので、クローザーとしての起用だけど、その分全安心して力投球が出来るから、飛ばして行こう!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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