最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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圧倒的な投球

「おっ?日本代表は満を持して早川ちゃんの登場だね~」

 

「早川さんの投球を観客席越しとは言え、生で見るのは初めてなのよね。真深は早川さんと3年前のリトルリーグの世界大会で対戦したのよね?」

 

「ええ。3打席対戦したけれど、あの時は完敗だったわね。今年はクローザーで早川さんを起用するみたいだし、これを機に早川さんの攻略法を見付けてみせるわ」

 

「おお~。上杉ちゃんが闘志を剥き出しにしてるね~」

 

「確かに……。あんな真深を見るのは初めてですね」

 

(それ程まで真深は早川さんを意識している……という事でしょうね。あの真深をあそこまで意識させる事を私には出来なかった……。そういう意味では私にとっても早川さんは1番のライバルなのかも知れないわ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「朱里さん、いよいよですね」

 

「うん……」

 

3年前に行われたリトルリーグの世界大会で私はこのマウンドに立った……。あの時は先発投手としてだったけど、今日はクローザーとしてマウンドに立つから、別の緊張感が漂ってくるよ。

 

「この最終回……。向こうはクリーンアップからですが、調子の方は如何ですか?」

 

「多少緊張はするけど、調子は過去1番かな。良いピッチングが出来そうな気がするよ」

 

なんかもう高揚感というか、アドレナリンが溢れ出てるっていうか……。とにかく調子が良い。

 

(相手は3番から……。でもそんなの関係ない)

 

私は私……。風薙さんと再会したあの日から自分のピッチングについて色々考えていたけど、答えは変わらない……。変わらなかったよ。

 

(私は風薙彼方ではなく、早川朱里なのだから!)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

(……また、一段と成長しましたね。ストレートに見せ掛けた変化球も関東大会で私に投げてきた時と同等……いえ、もしかしたらそれ以上なのかも知れません)

 

(あれから私なりに精一杯練習してきた。それが今の偽ストレート……。クローザーという事でスタミナを気にせず思い切り投げる事で、関東大会で二宮達に投げたあの偽ストレートをいつでも投げる事が出来るようになった)

 

尤も私のスタミナでは使用に限度があるから、多投は出来ないけどね。次の夏大会までに足腰とスタミナを鍛える必要があるよね。これに関しては去年からずっと課題にしてるんだけど……。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

まずは3球三振!そして次は……!

 

「…………!」

 

(4番の陽春星さん……!)

 

二宮はど真ん中にミットを構えている。普通はあんなコースに投げたら、ピンポン球の如くボールはスタンドインする事だろう。

 

(それでも関係ない……。今の陽春星さんに私の投げる球が通じるかとか、そんなのもどうでも良い。ただ目の前の相手に私のピッチングを叩き込むだけ!)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

(あの陽春星さんが全くタイミングを合わせられていませんね。朱里さんは最後に対戦した関東大会の時とは比べ物にならないレベルで成長しています。これならアメリカ代表に勝つのも夢ではないかも知れません……!)

 

(調子が良い……。試合で投げるのは関東大会の決勝戦以来だけど、実戦で投げるとこんなにも充実した、気持ち良いピッチングが出来るんだね)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

「あの陽春星さんをあっさりと追い込んだ!」

 

「流石、早川朱里……。私達を翻弄した投手」

 

カウントはツーナッシング。見せ球はなし、3球で決める!

 

「……っ!?」

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

よし!あと1人!この調子で抑えてやる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、これが早川さんのピッチングなのね……。真深が完敗したのも頷けるわ。圧倒的だもの」

 

「違う……」

 

「真深……?」

 

「ユイが言っていたのは、これが私が完敗したのはあくまでも3年前……。今の早川さんはその時と全く比べ物にならない。ストレートそのものは彼方先輩の方が速いけれど、早川さんから感じられる気迫や、投げられるボールのキレは彼方先輩に匹敵……いえ、状況次第ではそれ以上に化けるわ」

 

「そ、そんなに!?確かに早川さんは彼方先輩からストレートに見せ掛けた変化球を教えてもらったとは聞いたけれど……」

 

「彼方先輩を除けば、私が一方的に敗けたのは早川さんだけ……。しかもそれは3年前で、今の早川さんはその数倍は成長している……。今対戦したところで私は早川さんには勝てないでしょうね」

 

「おお~。あの上杉ちゃんがそう言うって事は余程早川ちゃんの成長が凄まじいかわかるね~」

 

「……でも真深はこのままにするつもりはないんでしょ?」

 

「もちろんよ。日本代表とぶつかるのは決勝戦……。それまでに私は早川さんの攻略に勤しむわ」

 

(いや~。本当に日本代表とアメリカ代表の試合が楽しみになってきたね~。どちらも心配はしてないけど、途中で負けたら駄目だよ~?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

三者連続三振と同時に、試合終了。5対6でなんとか日本代表は台湾代表に勝利する事が出来た……。私はまだまだ成長出来るんだ!

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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