台湾代表に勝った翌日。私達は次の相手に向けて練習に励む。その一方で私、二宮、清本、金原の4人でアメリカ代表の試合観戦に来ている。
「投げるのはウィラードさんみたいだね」
「私達が観戦に来ているとわかっていたら洛山を相手にした時と同じ……打たせて取るピッチングを主流とするかも知れませんね」
「ウィラードさんってばそんな技術を身に付けたんだ?去年の世界大会では次々と三振を取りに行くって感じだったけど……」
「私達の試合を観に来てたみたいだし、私達がこの試合を観に来てるってわかれば二宮の言うように打たせて取るピッチングで力を温存するのかもね」
「ええ~!?でも相手は韓国代表だよね?打撃力は台湾代表にも負けてないって聞くし、そんなので通用するのかな~?」
金原が言うように韓国代表は台湾代表とはまた違った打撃チームだ。しかしあの洛山を相手に打たせて取るピッチングを成し遂げたのなら、アメリカ代表の守備力も相まって韓国代表を相手でも然程苦戦はしないだろう。
「……もしも韓国代表を相手に打たせて取るピッチングをするのなら、この試合はウィラードさんの実力ではなく、アメリカ代表の選手達の守備力が見られそうですね。どちらに転んでもこちらに損はありません」
「成程ね~」
流石二宮。ウィラードさんのピッチングが見られなくとも、他の注目選手に目を付けるという利点に気付いたか……。
「おや~?そこにいるのは日本代表の期待の選手達ではないかね~?」
背後から声が聞こえたので振り返ると、そこには非道さんがいた。そういえば私達の試合も観に来てたね……。
「ひ、非道さん!?」
「遠路遥々アメリカまで来たんですか?」
「まぁ私も色々あってね~。清本ちゃん達やシルエスカ姉妹の応援も兼ねて来たんだよ~」
非道さんも天王寺さん並に謎に包まれてるんだよね。正確には非道さんと大豪月さんのバッテリーだけど……。初めて会った時からオーラが他の人とは違うんだよね。威圧感とはまた別の何かを纏ってるって言うか……。
「試合、始まるよ~?」
「上杉さんのホームランボール、捕れるかなぁ……?」
プレイボールが近付くと清本がグラブを装着していた。そういえば清本は上杉さんに憧れを抱いていたね。練習試合の時もサインとかもらってたんだろうか……。
「真深、早川さん達が観に来てるわよ」
「本当ね。非道さんも一緒にいるわ」
≪マミ、ユイ、何してる?早く守備に付きなさい!ユイは今日先発でしょ!≫
≪パトリオさん、そんなに慌てなくてもまだ試合開始まで時間がありますよ≫
≪ロジャー、こういうのは心構えが大切なの!試合に全力で挑もうとするその姿勢が……!≫
≪真深さんやユイさんはお二方がライバル視している日本代表の選手達が何人か偵察に来ているみたいですし、無様なプレーは見せられないと気持ちを高めているのですよ≫
≪日本代表が?≫
≪ええ。お二方が昨日日本代表の試合を観に行っていたのと同じで、日本代表の選手達も私達の試合を観に来ているのでしょう≫
≪そう……。それなら尚の事私達アメリカ代表のやる気と熱気を見せる必要があるわ!≫
「……相変わらずパトは熱血漢って言葉似合うわね。闘志の炎が宿っているわ」
「でも味方としては頼もしいわね」
「そうね……。それはシニアで3年間バッテリーを組んできた私が1番よくわかっているわ」
「……今日は偵察に来ている日本代表に私達の野球を魅せましょう」
「もちろんよ!」
『プレイボール!』
アメリカ代表は後攻か……。
「ウィラードさんのピッチングを出来るだけ映像に残しておきましょう」
二宮はどこからかビデオカメラを取り出した。橘みたいな芸当してるな……。どこから出したのそのビデオカメラ?
瑞希「そういえば試合会場に足を運ぶ前、朱里さんは陽秋月さんと陽春星さんの2人と何か話していたようですが、何を話していたんですか?」
朱里「大した事は話してないよ」
朱里(本当に大した事は話してない……。うん、二宮達にとっては大した事じゃない)
和奈「っていうかお姉さんの方も来てたんだ……」
瑞希「上杉さん達と反対側の席で観戦していたらしいです」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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