今日はキューバ代表との試合がある日。
「この試合に勝てば決勝戦ですね」
「そうだね。アメリカ代表も勝ってくるだろうし、私達も勝ちたい」
キューバ戦の先発は渡辺さん。しかし監督の話によると投手陣のリレーになるだろうとも言われている。
(そうなってくると十六夜さん、一色さん、私の他にもう1人くらい誰かが投げそうだ)
投手も出来る野手組の中だと友沢が頭1つ抜けているけど、怪我によるブランクもあるから、一概にはそうとも言えない。夜子さんも高橋さんも優秀な投手だし、朝日さんも中々油断出来ないピッチングをするらしい。
「キューバ代表の打線は韓国代表とも、台湾代表とも、アメリカ代表とも一味違いますから、投げる方はいつも以上に気を配る必要があります」
「そうだね」
私の……偽ストレートや変化球、真ストレートは通用するだろうか。もしも私の投げる球がキューバ代表に通用しなかったらアメリカ代表に、上杉さんを相手に通用しないだろう。
(そうなってくるといよいよ偽燕に頼らざるを得なくなる……か)
できる事なら、夏大会まで偽燕は温存しておきたい。そしてボストフ選手に投げた偽燕よりも更に磨きを掛けたい。その辺りも山崎さんや芳乃さんにも相談しておこう……。
「う~!早くアメリカに着かないかなぁ!」
「芳乃、はしゃぎ過ぎよ」
「でも芳乃ちゃんの気持ちもわかるな。私も自分が試合に出る訳じゃないのに、ワクワクしてるもん!」
「そうだね……。朱里ちゃんのあの迫力があるピッチングを見ちゃうと思わず昂っちゃうよ」
芳乃ちゃんと先生の提案で私、ヨミちゃん、息吹ちゃん、芳乃ちゃんの4人は朱里ちゃん達が出場するシニアリーグの世界大会の舞台……アメリカ行きの飛行機に乗っている。
「それにしても……まさか飛行機でもファーストクラスの便に乗れるとは思わなかったわ」
「そ、そうだよね。これも凄い事だよね!」
「今日はありがとうございます!」
私達の保護者代わりに同行してくれている先生の知り合いに改めて礼を言う。この飛行機に乗れるのもこの人のお陰だし。
「ん、気にしなくても良いよ。それに私も身内の応援に久々に行けるからね」
この保護者の人……何とも言えない雰囲気を感じるんだよね。でもどこかで感じた事のある雰囲気のような……。
「んじゃ、私は到着まで寝てるから」
保護者の人……確かNって名乗ってたけど、本名じゃないよね。遥ちゃんはなんかNさんのサインとかもらってたけど……。
「そろそろ日本代表とキューバ代表の試合が始まってる頃よね」
「その試合と、決勝戦も録画してもらってるから、日本に帰国したらその試合も含めて全試合を見直そうね!」
(朱里ちゃん達、頑張ってね)
私は心の中で応援しながら目を閉じた。
このシニアリーグの世界大会のルールの中には5回終了時点で7点以上の点差があるとコールドゲームになる……というものがある。
更に4回までだと10点以上の点差があるとコールドゲームになる……というルールもある。
つまり何が言いたいかと言うと……。
「頑張れーっ!」
「こんな所じゃ終われないよーっ!」
4回表。0対10で私達はキューバ代表を相手にボロボロの展開を迎えていた。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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