4回表。私達日本代表は10点ビハインドを追い掛ける展開となっている。
「ど、どうしよう……。まさかあんなに点を取られるとは思わなかったよ」
「へ、平気ですよ!私達は逆境に強い日本代表ですよ!必ずや逆転まで導きます!」
「意気込むのは結構ですが、この回で1点でも取らないと私達のコールド負けが決定してしまいますよ」
「ちょっ!瑞希……」
二宮による無情で残酷な現実を突き付けられると、ベンチはお通夜ムードになってしまった。相変わらず歯に衣着せないよね。二宮の発言って……。
(しかし二宮の言う事もまた事実……。この回に1点どころか、次の回が終わるまでに4点取らないとコールドゲームになってしまう)
そうなる前に手を打つ必要があるけど……。
「……少し早いけれど、代打を出しましょうか」
監督がここで代打を出す事に。ショートを守っていた三門第一シニアの帯島さんから、帯島さんと同じシニアの雨取さんに交代するみたい。
「……あとお願いするッス」
「……うん!」
雨取さんにバトンが受け継がれ、雨取さんは右打席に入った。
「雨取さん、大丈夫かな……」
清本が雨取さんを心配していた。雨取さんも清本と同じ小さなスラッガーだから、何かと親近感が湧いているのかも知れないね。
「大丈夫ですよ和奈さん。監督を信用しましょう」
「瑞希ちゃん……」
「二宮の言う通りだよ。監督を、そして帯島さんの代わりに入った雨取さんを今は信じよう」
「そう……だね」
キューバ代表の先発はキューバ国内で1、2を争う実力者とも言われているダルシユさん。恐らく世界の中でもトップクラスの投手だろう。私達日本代表はダルシユさんに対してチャンスは作れても得点には至っていない……。ピンチになると実力を発揮するタイプの投手だ。
ズバンッ!
『ストライク!』
「コースギリギリの高めを突いてますね。雨取さんを相手に有効な戦術です」
「投げられたのは左に逃げていくシュートか……。右打者なのも相まって打ち辛いね」
ズバンッ!
『ストライク!』
2球目も高めのコースギリギリ……。雨取さんが低身長なのもあって、手の出し辛い厄介なコースだ。
(でも監督がここは雨取さんだと思って出したんだ。成果なしで終わる訳がない……)
だから雨取さんは打つ。どんなに打ち辛いコースに投げられたとしても……!
カキーン!!
「打った!」
「当たりは大きいぞ!」
雨取さんが打った打球は弾道こそは低いものの、その当たりはスタンドへと一直線に入っていった。
「ホ、ホームランだ……」
「なんとかこの回でコールド負けにはならずに済みましたね……」
雨取さんの1打で4回コールドはなくなった。しかし本当の勝負は次の回になるだろう。
『アウト!チェンジ!!』
その後は何人かはダルシユ作品の球を上手く捉えつつ、チャンスを作るも、この回で取れたのは雨取さんのホームランを含めて3点……。
投手陣が今後キューバ代表にこれ以上点を取られない事を前提に、次の5回表であと1点を取らないと私達のコールド負けとなってしまう……。
(でも次の回は上位打線に回る……。期待値はかなり高い筈)
4回表終了。3対10。日本代表、7点ビハインドで次のイニングに挑む……!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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