『ストライク!バッターアウト!!』
5回裏。キューバ代表の打線を三者三振に抑える。
(ここまで朱里さんが投げているのは全てストレートに見せ掛けた変化球……。媒体となっている変化球をバラバラに散らしているとは言え、渡辺さんも、一色さんも、十六夜さんも打たれたキューバ代表の打線をきりきりまいに出来るとなると、アメリカ代表との試合は……)
(風薙さん達と会ってから、調子が更に良くなった……。これならアメリカ代表とも渡り合えそうだ)
でもまずは4点差をどうにかしないとね。
「あと2イニング……必ず逆転しましょう!」
『おおっ!!』
私の掛け声に皆が返事をしてくれる。曲がりなりにキャプテンに選ばれたんだ……。こういう風に皆をまとめないとね。
カンッ!
先頭がヒットで繋ぎ……。
『ボール!フォアボール!!』
4番の清本が歩かされ……。
カキーン!!
今日の試合の途中から入った友沢の走者一掃のタイムリースリーベース。これで6対10。良いペースだ。
その後も連続でヒットを打ち続け……。
カキーン!!
雨取さんの本日2度目のホームラン。今度はスリーランだ。
「す、凄い……。一気に同点になった」
「これが日本代表の選手達に起こりうる真骨頂……。『逆境にとてつもなく強い』です」
確かに凄い。まだ6回なのに、もう同点になっちゃった。ダルシユさんもこれには正直理不尽だと思う。
(でもこの理不尽な強さを発揮するのが、逆境に追いやられた日本代表なんだよね。聞くところによると、去年もそうだったみたいだし……)
去年はアメリカ代表を相手に5対6の大接戦だった。上杉さんとかウィラードさんとかがいて、ボストフ選手やジータ選手も選ばれていた去年のアメリカ代表……。そんなチームを相手に僅差での敗北となった日本代表は、監督が言うには去年の日本代表よりもずっとずっと強いらしい。
(そしてそれはアメリカ代表も同じ……。例えボストフ選手達のような超主力選手がいなくても、それに匹敵する選手達の集まりなんだよね)
ロジャーさんやパトリオさんが良い例かもね。あの2人は去年の世界大会からいるけど、メインのポジションじゃなかったり、ベンチスタートだったりしていたらしい。
カキーン!!
1番に戻って、金原がホームランを打ち、11対10で遂に私達日本代表がキューバ代表に勝ち越した。
「逆転、しましたね」
「そうだね」
「あとは朱里さんが抑えるだけですね」
「わかってるよ」
逆転してくれた皆の為にも頑張って抑えないとね……!
「まさか本当に逆転してしまうとは……。やはり日本代表は興味深いチームですね」
「去年も似たような事をウチとやり合っていたわね。その時の日本代表も凄い粘りと追い上げを見せていたのを覚える……」
「今年はそれをキューバ代表を相手にやってたね~」
「そういう姿勢は私達も見習うべきなのかもね」
「そうね……」
(今投げている早川さんの球をキューバ代表は打てていない……。これは決まりね)
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!ゲームセット!!』
最終回も三者三振。二宮曰く、私のピッチングはまたギアを上げている……との事だった。何はともあれ決勝戦進出!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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