「それで、アメリカ代表との試合ですが……」
「予定通りにいくつもりだったけれど、今回のキューバ代表どの試合、そして今年のアメリカ代表選手達の能力や成績を見てみると考え直す必要があるわね……」
「それに関してですが、提案があります。私としてもオススメは出来ませんが、日本代表の勝利の為と、何より彼女自身がそうなりたいと思っているでしょう」
「……聞かせてくれるかしら?」
「…………」
「成程……。彼女の事を考えると確かにオススメは出来ないわね」
(でもこの方法以外でアメリカ代表を……彼女を打ち取る手段が思い付かないのがとても悔しい……。己の無力さを痛感したわ)
「いや~。なんとか決勝戦まで来れたね~」
「本当……。4イニングで10点取られた時は焦ったよね」
「キューバ代表の打線が半端ない事もわかったもんね……。去年は当たってなかったから、わかんなかったよ」
「それに関しては投手陣に責任はないよ。金原の言うようにキューバの打線が凄まじかった……。この一言に尽きる」
それでもなんとなく私は日本代表が逆転する事が出来ると心の中で思っていた。去年の日本代表のデータを見ると逆境になればなる程、日本代表の打線は火が点きやすい。眉唾だと思ってたけど、今日の逆転劇を見てしまうとそれが確信に変わったから。
「……次はいよいよアメリカ代表との試合だね」
「先にカナダ代表と試合やってたけど、圧勝だったもんね~」
私達が試合をする前にアメリカ代表は一足早く試合を行っていて、優勝候補の一角であるカナダ代表を相手にコールドゲームを決めていた。
「アメリカ代表の打者は投手陣も含めて全員がパワーヒッターなんだけど、中でも4番を打っている上杉さんは別格だよね」
「うん……。私にとっても上杉さんは理想の打者だよ」
アメリカ代表の打線は台湾代表とも、韓国代表とも、キューバ代表とも違う。どのチームとも比べるまでもなく、打線に隙がない。
「上杉さんは今日の試合でも4本のホームランを打ってるもんね。毎打席ホームラン打ってるんじゃないのって疑うレベルだよ……」
「しかも和奈とは違って毎回勝負してくれてるもんね♪」
「いずみちゃん酷い……」
金原は茶化すように言ってるけど、私達がオーストラリア代表との試合を観ていたのか、それ以降の試合では打席で上杉さんは敬遠球にも手を出し、それをホームランに仕留めるレベルの打撃術を身に付けていた。これは暗に敬遠で勝負を避けようとしても無駄だという上杉さんの警告に他ならない。
(十六夜さん、渡辺さん、一色さん、そして私……。日本代表のメイン投手陣はこの4人。私達の誰かが上杉さんと勝負しなければならない……)
「あれ?そういえば瑞希は?」
「瑞希ちゃんなら監督と話し合ってるよ。多分アメリカ代表との勝負に備えてると思うんだけど……」
アメリカ代表との試合は明後日……。私達日本代表がアメリカ代表に勝つ手立てを二宮と監督の話し合いで何か浮かべば良いんだけど……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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