最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 二宮瑞希の白糸台生活 秋に向けて21

『5番 サード 清本さん』

 

(一難去ってまた一難ですね)

 

やっとの思いで雷轟さんを抑えましたが、また同じ思いをする羽目になりそうです。

 

(あれは木のバット?)

 

(これは相当気合いが入ってますね。全国大会から和奈さんの雰囲気が大きく変わっています)

 

全国大会直後に洛山が昨日まで合宿を行っていたらしいですが、それと関係がありそうですね。雰囲気も今までとは違います。

 

(打席に立つと振り撒かれる威圧感が更に凄まじいですね。本来なら歩かせるべきでしょうが……)

 

(言うまでもなくここは勝負だよ)

 

ここは勝負です。朱里さんもそのつもりみたいですし、全力で抑えにいきましょう。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

見逃し……。今の和奈さんからはそこはかとなく非道さんと似た雰囲気を感じます。

 

2球目。緩急を付ける為にチェンジUPを要求。結果は……。

 

(は……?えっ?だ、打球は!?)

 

なんとボールが消えました。不思議な事もあるものですね。ミットにはないので、当てられたのは確かですが……。

 

 

ドンッ!

 

 

「えっ……?えっ!?」

 

『フ、ファール!』

 

打球の行方はレフト線でした。フェンスに当たっていた事もレフトが気付くのが遅れた……となると、相当速いスピードで打球が飛んだみたいですね。

 

(覇竹の勢い……だね)

 

(恐ろしいスイングスピードですね。目にも止まらぬ速さでスイングして、打球もそれに合わせて高速で飛んでいきました)

 

(これが私が獄楽島で得た新技。これで私は雷轟さんを越えてみせるよ……!)

 

「な、なんだ今のスイング!?」

 

「打球が消えたかと思ったらレフト線に……」

 

「す、凄い……!」

 

赤チーム側も今の和奈さんのスイングに脱帽している様子です。むしろ洛山の人達以外は絶対に驚くでしょうね。

 

「この場では味方だが、本来なら敵になる相手だ。ヨミや理沙が投げるのなら、彼女の対策を考えないといけないな……」

 

新越谷の人達もあの和奈さんに危機感を覚えましたね。

 

「朱里ちゃんがどう抑えるか……ね」

 

(朱里ちゃん、大丈夫かな……?)

 

「いやー、これってアタシ達も決して他人事じゃないよね……」

 

無論他人事ではありません。この打席をヒントに、私達の方でも洛山の対応策を考えておきましょう。

 

「そうだな。和奈と対峙する時にあのスイングに対する解答を見付けないといけない」

 

今は勝負に専念しましょうか。和奈さん相手には……。

 

(……朱里さんの方は何やら考え込んでいるみたいですが、私のやる事は変わりません。ただミットを構えるだけです)

 

朱里さんが何やら驚いている様子ですが、私がミットを動かす事はありません。

 

(まぁ正気だったら雷轟や清本と勝負しよう……なんて思わないよね。わかったよ)

 

運命の3球目。その結果は……。

 

 

カキーン!!

 

 

2球目と同様にスイングし、今度はセンターへと一直線。

 

『ホ、ホームラン!』

 

低い弾道を描いてホームランになりました。

 

(しかし流石清本……。リトルからの付き合いだけあって成長した私の球を打つのも難しくない……って事か)

 

(雷轟さんも打てなかったストレートを私は打てた……。あれがあの時の雷轟さんに投げたストレートだったのか……と問われたらわからない。勢いは感じたから、それに近いものだと思うけど……)

 

朱里さんにとっても、和奈さんにとっても、この打席で得るものはあったでしょう。私も同じ気持ちですから……!

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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