最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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考えている事は同じ

(全力で抑えていきましょう)

 

(当然……!)

 

相手は上杉さんなんだ……。油断慢心を見せた瞬間に持っていかれるよ。

 

(二宮が構えているコースは真ん中低めか……)

 

相変わらず私に対しては怖いリードするよね。それとも私ならそのコースに投げても打たれないっていう信頼から来てるの?それなら……!

 

(まずは偽ストレートで挨拶代わりの1球を……!)

 

あの時から互いに成長している……。その差がどれくらいなのかを確かめる為の1球でもある。

 

「…………!」

 

(あっ、これはヤバいやつだ)

 

 

カキーン!!

 

 

上杉さんは初球から私の偽ストレートをスタンドへと運んだ。なんかボストフ選手との勝負を思い出しちゃったよね!まぁボストフ選手は上杉さんよりも20センチ以上大きい分、威圧感は向こうの方が上だけど……。

 

『ファール!』

 

な、なんとかレフト線切れたか……。

 

(しかし物凄い一発だった……。やはり上杉さん相手に出し惜しみはしていられないね)

 

それでもアンダースローはまだまだ未解禁のつもりだけどね。あれは完成してないとかそういう次元じゃないし……。

 

(早川さんの投げるストレートに見せ掛けた変化球……。ギリギリまで見極めてやっと打てる球ね。元となっている変化球の媒体を探るだけで一苦労だわ)

 

(朱里さんの得意技にも難なくピッタリとタイミングを合わせてきましたね。流石はアメリカ一の日本人スラッガー……と言ったところです)

 

次は内角高め。内角に投げるのなら……!

 

(2球目。これもストレートに見せ掛けた変化球……!?)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

(ほっ……。なんとかコースに入ったか。ヒヤヒヤするんだよね。あのコースに投げるのは)

 

(内角ギリギリのツーシーム……。やられたわね)

 

何にせよ、これで追い込んだ……!ここは確実に三振を取りに行く!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「朱里ちゃんも真深ちゃんも一歩も譲らないね……!」

 

「うん……。どっちが勝つのか全く予測が出来ないよ」

 

「敵も去ることながら、朱里も凄いわね。こんな凄い人と私達はチームメイトなのね……」

 

「息吹ちゃん、出来るだけ朱里ちゃんのピッチングを見ておいて、コピー出来るようにしてね!」

 

「無茶言うんじゃないわよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪真深ちゃんも朱里ちゃんも一歩も譲らないね≫

 

≪しかし現状有利なのはハヤカワの方ですね……≫

 

≪なに、まだ1打席目だ……。ここでマミがやられたとしても、最後に勝てば良いんだよ!≫

 

≪どんな状況でも、打つ時は打つ……それが4番の仕事ですからね≫

 

(真深ちゃんも、朱里ちゃんも……。頑張ってね。口には出さないけど、2人共応援してるから!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

追い込んだ今なら、落としていけば空振りを誘える……。二宮が構えているコースもそれを誘導してるし、考えている事は一緒って事か。それなら私が投げるのは……!

 

(SFFだ……!)

 

思い切り振りかぶって投げる。空振りを取りに行くコースだったけど……。

 

 

カンッ!

 

 

あっさりと打たれた。でも上杉さんが待ってる球とは違ったっぽいし、ホームランという最悪の事態は避けられたかな?飛んだのはレフト線だし、とりあえず……。

 

「金原!」

 

「りょうか~い☆」

 

金原が追うも、打球はレフト前に落ちる。しかし金原はまだ諦めていないみたい。えっ、もしかしてレフトゴロ狙うつもり?

 

(さっきはやられちゃったからね~。お返しさせてもらうよ♪)

 

ボールを拾って金原は一塁方向へと送球。それを見たロジャーさんは三塁を蹴ってホームを狙いに行った。

 

(くっ……!)

 

 

ズバンッ!

 

 

『アウト!』

 

なんと一塁アウト。金原がレフトゴロを決めた。

 

(確か上杉さんってかなり足が速かったような……)

 

そんな上杉さんを前進してたとは言え、レフトから刺せる程の肩を金原は持っている……という事だね。味方としては頼もしい限りだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪まさか真深がレフトゴロを決められるなんてね……≫

 

≪レフトの金原さんは表の回で私の送球によって刺されていたし、その借りを返したってところかしら≫

 

(それでもレフトゴロにされたのは初めて……。これはかなり悔しいわね。この打席は早川さんだけでなく、金原さんにもやられたわ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪マミがレフトゴロだって!?マミの足はアメリカ内でもトップクラスだぞ!?≫

 

≪あのレフトは私達が参加した去年の世界大会にもいましたが、あれ程の肩の強さはなかった筈……≫

 

≪そうなんだ?でも日本代表も強いって事だよね。これは真深ちゃんもユイちゃんもうかうかしてられないと思うよ≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ初回が終了したばかりだってのに、驚きの連続ね……」

 

「レ、レフトゴロなんて初めて見たよ……」

 

「金原さんもまた日本代表においてトップクラスの戦力って事だよ!去年の世界大会からずっと1番レフトを打ってるからね」

 

「藤和高校のリードオフガール……だっけ?いずみちゃんも凄いなぁ……」

 

「2回表は4番の清本さんから……。是非とも先制点取って勢いを付けたいね」

 

「あれ?向こうも投手を交代するみたいよ?」

 

「そ、そうか……。ウィラード・ユイ選手!今日はサードでの出場かと思ってたら、アメリカ代表側も4番に対するワンポイントなんだ……!」

 

「でもなんで向こうもワンポイントをするのかしら……?」

 

「それはウィラードちゃんがいるチームと、私達洛山が練習試合をしていたからだよ~」

 

『ひ、非道さん!?』

 

「少し遅れたけど、なんとか清本ちゃんの打席に間に合ったね~」

 

「と、ところでウィラード選手がいるチームと洛山が練習試合をしたってどういう事ですか?」

 

「簡単だよ~。ウィラードちゃん達が日本の高校に留学してきて、その高校で先発を任されたウィラードちゃんの相手が私達洛山だって事だね~」

 

「ウィラード選手が日本の高校に!?そ、その話を詳しく……」

 

「話しても良いけど、今は試合の方に集中しようか~。今日の試合を生で観られるのは今日しかないからね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4番の清本の登場と同時に、アメリカ代表は守備を変更。アルヴィンさんがサードに入り、サードにいたウィラード選手がマウンドに上がる。

 

「……どうやら向こうも私達と同じ事を考えていたみたいですね」

 

「多分ウィラードさんも清本と何かしら縁があるんだと思うよ」

 

上杉さんとウィラードさんがいる高校が洛山と練習試合をした事が関係してそうだけど……。

 

(た、多分本気のウィラードさんと勝負するんだよね。緊張と同時にワクワクしてきたかも……!)

 

(今日の試合は監督に無理を言って、清本さんとの勝負の舞台を作ってもらった……。今度は全力で打ち取りに行って、練習試合の借りを返させてもらうわ!)

 

清本とウィラードさんが互いに睨み合っているように見える。まぁ外見だけ見たら、女豹(ウィラードさん)とマルチーズ(清本)の構図に見えるけど、果たして清本がウィラードさんを攻略出来るのか……。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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