最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

1417 / 1797
強打者とは?

「5回表……。この回は朱里ちゃんからだね」

 

「清本さんや上杉さんの打撃力に注目しがちだけど、朱里ちゃんもウィラードさんから打てそうな感じはするんだよね」

 

「過去の早川ちゃんのデータを見る限りだと、早川ちゃんは元々アンダースローの投手……それもウィラードちゃんと同じフォームだったからね~。そんな早川ちゃんがウィラードちゃんを攻略するのはそう難しくない……むしろ清本ちゃんよりも先に攻略するかもね~」

 

「……?どういう事ですか?フォームが同じだと攻略が難しくないって?」

 

「それはその内わかるよ~。多分この打席じゃなくて、次の打席になるだろうけどね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪ウィラードとハヤカワの対決か……≫

 

≪日本代表が先攻なのか、先にハヤカワが打席に立ちましたね≫

 

≪朱里ちゃんは打力も一級品だから、決して油断は出来ないよ≫

 

≪ハヤカワが優れた打者なのはわかるが、それでもキヨモト程怖さを感じないな≫

 

≪ハヤカワとキヨモトでは打者としてのタイプが違うからでしょう。キヨモトが生粋のパワーヒッターなのに対し、ハヤカワは確実に繋ぐアベレージヒッター……。ホームランを打つタイプではないと思いますよ≫

 

(確かに、私が知る限りだと朱里ちゃんがホームランを打っているところを見た事がない……。でも、この試合はもしかしたらって思っちゃうんだよね。それを実現しそうなのがユイちゃんだっていうのが少し複雑なんだけど……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

(やはり速いね……。しかも燕のように手元で伸びてるから、ついついボールの下を叩きかねない)

 

だから確実に打てるように、様子見しているところだけど……。

 

(早川さんとの対決……。早川さんが打者としても優秀なのはアルが投げてた時からわかっているのよ?だから……清本さんや、上位打線を抑えるつもりでいくわ!)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

(スライダー。でも清本に投げられた高速スライダーとはまた別の球っぽい……?それでもこのスライダーが凄まじいキレなのは間違いないけどね)

 

確実に叩くには、こういった決め球クラスの球じゃなくて……。

 

(外に1球外すぞ)

 

(そうね。様子見も兼ねましょう)

 

次に投げてきたのは、高めに曲がるシンカー。ボール球ではあるけど、この次は清本に投げてきたストレートやスライダーがくるだろうし……!

 

(このシンカーを打たせてもらうよ)

 

 

カンッ!

 

 

(なにっ!?)

 

(今のを打ってくるのね……!)

 

私が打った球はライト前に落ちる。なんとか上手くいったよ。悪球打ちなんて余りやらないから、ちょっと不安だったんだよね……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪すまん……。まさかボール球のシンカーをあんなに綺麗に捌いてくるとは思わなかった≫

 

≪……いえ。今のは私も予想外よ≫

 

(まさか早川さんが悪球打ちを決めてくるなんてね……。どこか油断していたのかしら)

 

≪まぁ良い。切り替えて抑えていくぞ≫

 

≪もちろんよ。でも次の打者についてだけど……≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノーアウト一塁。次は二宮の打席だけど……。

 

「えっ……」

 

「捕手が立ち上がった!?」

 

「一塁が埋まっているのに、敬遠するつもり!?」

 

二宮を相手にまさかの敬遠だった。まぁ気持ちはわかる。

 

「まさか瑞希を敬遠してくるとはね~」

 

「瑞希は粘らせると危険な打者だからな。下手に粘られて球数を費やされるくらいなら、4球投げて歩かせる方がマシ……と向こうも考えたのだろう。1打席目で粘りを見せてるしな」

 

友沢の言うように、二宮の打撃スタイルは粘りが特徴的。私なんかはスタミナがないので、二宮を相手にする時に真っ先に思い浮かぶ戦術だ。

 

『ボール!フォアボール!!』

 

≪本当にこれで良いんだな?≫

 

≪ええ。これで残りの打者を全力で抑えるわよ≫

 

本来敬遠は一塁ベースにランナーがいる時は基本的にしている。逆に言えば一塁が空いている状況で打者を歩かせて、ゲッツーを取りやすくする為……という理由で敬遠策を取ったりもする。

 

では敬遠する打者は、またどんな状況下で敬遠せざるを得ないのか?

 

前者は清本や雷轟、上杉さんのようなホームランを多数打ち、結果を残しているパワーヒッター等の強打者がよく敬遠されるイメージだ。

 

後者はどうしてもホームランを打たれたくない、勝負をするのが怖い打者を相手に敬遠して、勝負を避ける事がある。

 

では強打者の基準とは……?先程も述べたように、清本、雷轟、上杉さん等のパワーヒッター、その3人には劣るものの、打率で結果を出している金原や友沢等のアベレージヒッター……。

 

では二宮はというと……そのどちらにも当てはまらない。最近パワーを付けたと言ってもパワーヒッターには程遠いし、どちらかと言えばアベレージヒッターの部類には入るけど、二宮自身見送りが多く、見逃し三振もそれなりにあるので、打率も低い方。

 

では二宮瑞希に何故敬遠策を仕掛けるのか……?それは二宮瑞希が恐ろしい程の分析家で、情報収集を怠らず、相手投手の攻略法を徹底的に見付けようとするからだ。友沢の言う粘りもそこからきている。

 

(多分……ウィラードさんもそれがわかっていてやったんだろうなぁ……)

 

とは言え、これでノーアウト一塁・二塁のチャンス。可能ならばリードを広げたいところだね。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

  • 見たい
  • 見たくない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。