最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

1420 / 1797
6回の攻防 前編

6回表は3番から……。そして私達にとっても最後の得点チャンスになるだろう。

 

(ここで点が取れないと、いよいよ1点リードを守り切らないといけなくなる。だから皆……特にこの次の清本には是非ともウィラードさんを打ってほしい)

 

正直私は次に回ってくる上杉さんを抑えきる自信がないからね。だから最低でも1点以上はほしいんだよ。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

祈っている間に友沢が三振に倒れる。友沢も三振が少ない選手な筈なんだけど……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああっ!?友沢さんまで三振しちゃったよ!」

 

「今のウィラードさんを打てる人っているのかな……?」

 

「可能性がありそうな選手は次の清本ちゃんがその1人かもね~」

 

「そうか!清本さん!」

 

「遥ちゃんや白菊ちゃんが同じスラッガー連合としても頑張ってほしいって応援してるよ!」

 

「スラッガー連合……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪この6回の表裏は互いにクリーンアップから始まる……。最大の見所となるだろうな≫

 

≪先頭打者を三振に抑え、ウィラードとキヨモトの3度目の勝負が始まりますね≫

 

≪…………≫

 

≪彼方?≫

 

≪黙りこくってどうした?≫

 

≪……いや、この試合がどうなるのか全く予想が出来なくて。真深ちゃんが朱里ちゃんから打つのか、ユイちゃんが清本さんに打たれるのか、はたまた……≫

 

≪はたまた?≫

 

≪……なんでもない≫

 

≪気になる事を言うな?≫

 

≪えへへ……。正直言ってわからないんだよね。日本代表が勝つか、アメリカ代表が勝つか……≫

 

≪ここにいる以上はアメリカ代表を応援しておきましょう≫

 

≪……そうだね≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……済まないな。私では打てなかった」

 

「まぁウィラードさんの球はただ速いだけじゃないからね」

 

速いだけなら、高校生最速のストレートを投げる大豪月さんからホームランを打った事のある清本がウィラードさんを打てない訳がない。

 

「じゃ、じゃあ行ってくるね!」

 

「頼んだよ和奈~?日本代表が勝つには和奈の一発に掛かってると言っても過言じゃないからね☆」

 

「い、いずみちゃん、プレッシャーをかけないで……」

 

「1点リードしているとは言え、このままだと朱里さんがキツくなるのもまた事実です。和奈さんのホームランで朱里さんを楽にさせてあげてください」

 

「み、瑞希ちゃんまで……」

 

「まぁリラックスだよ清本」

 

「そ、そうだよね……」

 

だ、大丈夫だよね?打てるよね?打てなきゃ私がキツくなるかも知れないよ?

 

(あ、あれ?な、なんか朱里ちゃんからもプレッシャーを感じるんだけど……?)

 

ガチガチになりながらも、清本は打席に向かう。右打席に立つ頃には、頭が冷えたのか、冷静になっている。

 

「……風が吹いてきたな」

 

「これまでの試合では余り気にした事はありませんでしたが、もしかしたらこの試合に関しては展開に影響するかも知れませんね」

 

二宮の言う試合展開への影響が私達にとってプラスである事を祈るばかりだよ……。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

下からホップしていくストレートを清本は空振り。ホップするとは言え、ストレートを清本が空振りするなんて……。

 

(速さは大豪月さんの方が上なのに、ホップの勢いが凄いから、大豪月さんと同格かそれ以上に感じるよ……)

 

しかもスライダーはそのストレートとほぼ同レベル……。しかも変化球なだけに、それ以上の球に感じる時もある。

 

 

カキーン!!

 

 

しかし2球目には清本がタイミングを合わせてきた。こういう時に打つのが清本なんだ……。だからきっと打ってくれると信じてるよ!

 

(ここはスライダーで三振を取りに行くぞ)

 

(…………)

 

(どうした?)

 

(……ストレートよ)

 

(なに……?)

 

(今の私が更に上の次元に行く為にはここでストレートを投げるべきなのよ)

 

(正気か……?まぁウィラに任せるが)

 

(ありがとう。パト……!)

 

な、なんかバッテリーのやり取りが長かったような……?

 

(行くわよ清本さん。私はこの1球に力を込める。打てるものなら……打ってみなさい!)

 

3球目。ウィラードさんが投げたのは……1球目と同じストレート!?

 

(これは1球目と同じ……?いや、これはそれ以上の球だ……。でも打ってみせる……!)

 

 

カキーン!!

 

 

う、打った!だ、打球……は?

 

「お願い!入って!」

 

清本が大きな声で打球が入る事を祈っている。ここまでホームランに賭ける想いが強い清本は初めて見るかも……。

 

「…………」

 

センターへと飛んで行く打球に対して、ミッキーさんがフェンスに登ってグラブを構えていた。ま、まさか……!

 

 

バシィッ!

 

 

『ア、アウト!』

 

と、捕ら……れた?

 

「ふぅ……」

 

「…………!」

 

安堵の息を吐いたウィラードさんに対して、清本は悔しそうに顔を歪めていた。こ、これってもしかして流れを取られた?

 

「……今日は風が騒がしいね」

 

ポツリと、強風とはいかないまでも、吹く風に誰かが呟いた。確かに強めの風が吹いていた。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

5番の夕香さんも3球で三振してしまう。1番得点が期待出来る6回表が終わってしまう……。

 

(こ、こうなったらもう1点もあげられない……!)

 

吹く風に想いを乗せながら、私は気合を入れる。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

  • 見たい
  • 見たくない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。