最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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世界大会終了

アメリカの夜空は一面に星空が広がっている。脱力感に襲われた私はボーッと夜空を眺めていた。

 

「終わった……」

 

「お疲れ様です」

 

そんな私のところに二宮を始めとする内野陣が駆け寄って来た。

 

「まだ整列が残っていますよ。行きましょう」

 

「そう……だね」

 

整列を終えた後に日本代表の選手達は肩を組んで喜び合い、アメリカ代表の選手達は敗北に対して涙したり、その人を宥めたりとしていた。

 

私はと言うと、二宮の肩を借りて歩いている状態だ。つまり疲労感で倒れそうです。

 

「早川さん」

 

私を呼ぶ声が聞こえたので振り返ると、そこには上杉さんとウィラードさんが立っていた。

 

「良い……試合だったわ。ナイスピッチング」

 

「……こちらこそ、最高の試合が出来たよ。ウィラードさんもナイスピッチング」

 

ウィラードさんと互いの投球内容を褒め合った。序盤はワンポイントピッチングだったけど、4番を抑える為に全力を注ぎ、4回からは全ての打者に全力を尽くす。本当に最高の試合だった。

 

(私もスタミナ付けないとね……。皆に迷惑を掛けてばかりになっちゃうよ)

 

「お疲れ様。早川さんが最後に私に投げたストレート……。あれが日本代表の勢いを付けたのね」

 

「そんな事はないよ。上杉さんには結局打たれちゃったしね……」

 

「けれど後続の打者はしっかりと抑えてみせた……」

 

「それに真深とアリア以外は私も含めて全員三振だったのよ?同じ投手としても見習いたいくらいのピッチングだったわ。それに私だって最後に早川さんにはホームランを打たれたし……」

 

あの時は私もよくわかっていないんだよね。何故ウィラードさんの球をあそこまで完璧なタイミングで打てたのか……。

 

「良かったら教えてくれる?何故私のストレートをあそこまで完璧に打つ事が出来たの?余りにもタイミングが完璧過ぎて、打たれた悔しさよりもそこの疑問の方が大きいわ」

 

「何故って言われてもね……。まぁ理由を私なりに考えるともしかして……」

 

私が小学生の頃に投げていたフォームはウィラードさんのアンダースローと瓜二つ。そしてウィラードさんの下から上にホップするストレートは同じアンダースローの母さんが決め球にしていた燕とほぼ同じ。

 

私の中で母さんの燕を追い掛けて、アンダースローで燕を投げようと頭の中でインプットして、それが偶然にもウィラードさんのストレートと一致していたから……なんだろうか?

 

「もしかして?」

 

「……いや、なんでもないよ」

 

「ええっ?」

 

「その理由はまた……次の機会になるかな」

 

「……そう。ならその時を楽しみにしてるわね」

 

そう言ってウィラードさんは去って行った。観に来てたらしい風薙さんを探しに行ったのかな?確かボストフ選手と、ジータ選手の3人で来てたみたいだけど……。

 

「……私もユイを追い掛けるわ。また、会いましょう?」

 

「そうだね。次があれば、今度こそ抑え切ってみせるよ」

 

「私の方こそ、今度は早川さんを打ち砕いてみせるわ」

 

怖いよ……。確か上杉さんとウィラードさん、風薙さんの3人は二宮と清本によると群馬にある遠前高校にいるみたいだし、風薙さんも含めて、次に会うのは全国大会か、県対抗総力戦になりそうだ。

 

(私も応援に来てくれた武田さん達に会っておこうかな……?)

 

……と思ったけど、疲労感がヤバいから、今日のところは宿泊施設に戻ってゆっくり休もう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪アメリカ代表は負けたか……。連続世界優勝の記録は4で止まったな≫

 

≪それ程今年の日本代表が強かったんですよ。可能だったなら、私もあの試合に混ざりたかったくらいです≫

 

≪それは私も同感だ。去年も日本代表とは骨のある試合をしたが、今年は更に拮抗した実力のぶつかり合いだった。カナタもそう思うだろう?≫

 

≪……そうだね。私もあんな風に野球がしたいって思ったよ≫

 

(その為にはまず遥と和解しなきゃ……。誠心誠意謝っても私のした事は許される訳がないけど、話がしたいよ……)

 

≪……彼方に客人が来ますよ≫

 

≪えっ?私に?≫

 

≪マミとウィラードだろうな。あの2人は彼方に懐いている≫

 

≪私とボスは退散しますので、3人でゆっくり話してください≫

 

≪ボストフとジータにも会いたいんじゃ……?そもそも私と2人は同じチームだから、話は今日じゃなくても出来るし……≫

 

≪真深はともかく、ウィラードとは敵同士だったもので……。そうなると私達は邪魔者になるかと≫

 

≪そうだな。お邪魔虫は去るとしよう≫

 

≪また……会えるよね?≫

 

≪今生の別れじゃないし、アメリカに戻れば私もジータもいるさ≫

 

≪もしかすると今度は私達が日本に留学するかも……知れませんよ?≫

 

≪そ、それはまた日本が凄い事になりそうな……≫

 

「「彼方先輩!」」

 

≪じゃあまたな!≫

 

≪また会いましょう≫

 

≪うん……。うん!2人も元気でね!≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、やったわね……」

 

「う、うん……。朱里ちゃん達がシニアの世界一を勝ち取ったよ」

 

「……これは私達も負けてられないね。次は新越谷をまた全国優勝させる番だよ!」

 

「そうだね。あと1週間したら私達も進級だし、また新しい戦力に期待出来るよ!」

 

「私達も進級するのね……。なんだか実感が湧かないわ」

 

「じゃあ私はこれで失礼するね~」

 

「も、もう行くんですか?」

 

「私の中で知りたい事は知れたからね~。日本に帰国して、色々試してみる事にするよ~」

 

「じゃあ次は……また全国大会で……ですかね?」

 

「多分そうなるね~。何かの間違いで新越谷に練習試合を申し込むかもだけど~」

 

「な、何かの間違い……?」

 

「また日本でね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(本当に、世界一になったんだね……)

 

私は改めてシニアの日本代表世界一になったと実感したのだった。

 

ちなみにMVPは金原になったらしい。まぁ打撃でも、守備でも、大活躍だったからね。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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