「じゃあ早速この紅と白が書かれた割り箸を1人ずつ取っていってね!」
芳乃さんがどこから用意したのか、紅白戦用だと思われる割り箸を出してきた。用意周到……。
(ん?なんだかこのまま進めたら嫌な予感がするような……)
その時私の脳裏に過去の経験が過った。あれは混合チームの紅白戦をやる時にチーム分けをした時の……!
「待った」
「どうしたの朱里ちゃん?」
「木虎が入って捕手が2人になった訳だし、木虎と山崎さんがチームリーダーとなってもらうのはどうかな?ほら、前の混合チームと一緒になってやった紅白戦みたいにメイン捕手が1人もいないってなったら面倒だし……」
「う~ん……。それもそうだね。珠姫ちゃん、木虎さん、それで良いかな?」
「私はそれでも良いよ」
「私も賛成です。朱里先輩の言う通りメイン捕手が2人いるのに、片方のチームに偏るのはもったいないので……」
山崎さんも、木虎も賛成してくれるみたい。念の為にもう一押し……!
「クジ引きの前に、チームリーダーの2人に投手陣から1人ずつ選んでもらうよ」
「1人ずつ……ですか?」
「そう。武田さん、川原先輩、藤原先輩、息吹さん、渡辺、猪狩さん、私の7人から1人選んでもらって、その後にクジ引きになるね」
最悪二遊間に偏りが出ても、照屋さんや初野がある程度カバーは出来る。簡単な動きだけなら内野陣でも二遊間は出来る筈……。
「……わかりました。では山崎先輩からどうぞ」
「えっ?木虎さんからで良いよ」
「いえ、先輩の判断から私なりの推察をしておきたいので……」
「そ、そう……?なら私が先に選ばせてもらうね?」
「はい、どうぞ」
(でも誰にしようかな……?実力的な意味合いなら、朱里ちゃんかヨミちゃんになるけど、私達がアメリカに行ってる間に理沙先輩、光先輩、息吹ちゃんがどんな練習をしてたのかを確かめる良い機会かも知れない。それに壁当てしてたっていう猪狩さんの実力も気になるし……)
山崎さんが凄く悩んでる……。それは多分この紅白戦においての先発投手を誰にするか、或いは全員の練習成果を見定めるか、それとも未知数である猪狩さんの実力を見定めるか……。択はいっぱいあるもんね。
「……それじゃあ息吹ちゃんにしようかな」
「えっ?わ、私!?」
(始めは猪狩さんにしようと思ったけど、この紅白戦は度々するだろうし、それならいつでも見られる筈。それに……)
(成程……。息吹先輩を選びましたか。これからの紅白戦はともかく、最初の紅白戦は私達新入部員の実力を把握するもの。山崎先輩はそれを見越して息吹先輩を選んだ訳ですね。なら望み通りに……)
「それなら私は猪狩先輩を指名します」
「……任された」
山崎さんは息吹さん、木虎は猪狩さんをそれぞれ指名。これを軸に、山崎さんと木虎が次々とクジを引いていき……。
・チーム山(雷轟命名)
山崎さん
息吹さん
川原先輩
藤田さん
藤原先輩
春星
大村さん
照屋さん
私
・チーム虎(雷轟命名)
木虎
猪狩さん
中村さん
初野
武田さん
川崎さん
渡辺
主将
雷轟
2つのチームはこのように別れた。
「思いの外バランス良く別れたな」
「そうですね。ポジションもなんとか均等になりましたし……」
ポジションはもちろんの事、パワーバランスも良い感じに別れている。山崎さんのチームには春星と大村さんというパワーヒッターが2人いるのに対して、木虎のチームは中村さんと主将というアベレージヒッターが2人いる。
加えて山崎さんのチームは中村さんや主将程じゃなくても、安定感がある選手がいるし、木虎のチームには新越谷の4番である雷轟もいる。そういう意味でもバランスが取れている。本当にクジ引だよね?
「じゃあ今からそれぞれのチームでオーダーを組んで、試合開始だよ!」
「球審は私がやります」
芳乃さんと藤井先生の言葉でチームはそれぞれどういうオーダーを組むかを考える事に……。この紅白戦は今後も取り入れていきたいね。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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