「さて……地獄の練習メニューその1はまずこのぶら下がっているロープに登ってもらう」
私達はボートで海の真ん中まで来て、大きな岩2つに括られているロープに登るようにボートで待機している社長に言われている。
「さぁ始めろ!」
社長の掛け声によって私達はロープに登り始める。
「こ、これ結構キツいかも……」
「バランス取るのが大変……」
確かに登るのは結構大変だけど、これくらいこなさなきゃ……強くなんてなれないよ!
「あはは!これ楽しーい!」
「なんか木登りをしてる気分になるわね……」
「こんな不安定な木登りなんてないわよ」
それでも何人かは余裕でスルスルと登っていく。流石フィジカルの塊……。
(私も負けてられないね……!)
私だって最近は基礎トレを欠かしてないんだよ!
「や、やっと登れた……」
「これで全員……かな?」
私達13人は途中で落ちずに、登り切った。
(でもこれで終わりなら、あまりにもあっさりし過ぎているような……?)
「ほう?登るだけなら、然程苦戦はしないという訳か……」
「もちろん!私達だって毎日厳しい練習してるんですよ!」
社長の言葉に雷轟がぶら下がりながら、自信満々に答えた。なんか格好付かないな……。
「成程な。だが本当の練習はこれからだぞ?」
『えっ!?』
「ま、まだあるんですか!?」
「当然だ。ただロープに登るだけなら、中学生でも出来る。言っただろう?まずぶら下がっているロープに登ってもらう……と。登ってそれで終わりだとしたらとんだ甘ちゃん共の集まりだな」
な、成程ね……。確かにこれだと地獄と呼ばれるには少し甘い気がしてたんだよ。
「練習メニューその1は両腕でぶら下がり、その体勢で耐え抜くもの……通称鯉のぼりだ。30分間ぶら下がった状態でいてもらうぞ」
社長に言われてそのまま両腕でぶら下がる。
(キツさがさっきと全然違う……)
「先程までに比べて段違いにキツいと思っているだろう……。この練習は両腕の筋肉、持久力、忍耐力を鍛えるものだ。ちなみに去年の秋頃に洛山野球部の部員達の中で半数以上はこの練習をクリアし、それ以外の者達は再びこの島に訪れ貴様達と同じようにこの練習メニューをこなしている」
「ちなみにもしも誰かがその洛山部員達と同じように力尽き、海に落ちてしまった場合はどうなるのですか?」
質問をしたのは二宮。確かに私もそれは気になっていたけど、この状況で余裕そうだな……。
「仮に貴様達が途中で力尽きて海に落ちた場合は……貴様達に『根性無し』の烙印をくれてやろう。洛山野球部の部員達は年に1回、一部の連中は年に2回はこの島に訪れては私の地獄の練習メニューをこなしている……。貴様達のような甘ちゃん共がどこまで粘れるか見せてもらおうか?」
(あの非道が選んだ高校の連中の中でも更に選ばれた者達だ……。この程度の練習で根をあげるような軟弱者ではないだろう)
こ、この体勢本当にキツい。最近コツコツやってた基礎トレがなかったら、今頃海に落ちてたかも……!
「あと25分だ!気張れ愚か者共!!」
そして社長の口が時々悪い。優しいと思われる部分があったり、乱暴だったりと、思わず二重人格なんじゃないかと思っちゃうレベル。
「……そこまで!!」
「お、終わった~!」
「腕が千切れるかと思ったよ……」
(誰も落ちずにクリアするとはな……。やはり中々骨のある奴等が集まっているみたいだ)
「この縄登りからの鯉のぼりを最終日以外毎日やってもらう。覚えておけ!」
社長のその言葉に私達は軽く悲鳴をあげそうになったのは内緒の話……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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