獄楽島内にある練習場に辿り着いた私達。先程までぐったりしていた人達も、野球の練習が出来るとわかった途端に、水を得た魚の如く、張り切っていた。
カンッ!
「セカンド!」
「任せて!」
バシッ!
特に機敏な動きを見せていたのは三森3姉妹。やっぱりこの中では群を抜いて素早いよね。
ズバンッ!
「ナイスボール!どう?薪割りの成果は出てる?」
「う~ん、どうだろう?まだ薪割りも始めたばっかりだしなぁ……。社長も積み重ねていく事で初めて成果が発揮されるって言ってたし、これからじゃないかな」
「でも着々と力が付いていってる感覚はするかも……」
武田さんと川原先輩は社長が施した特別メニューの成果が出ているか試しているみたい。私の方はようやく水切りが10回いったところだからね……。ちなみにウィラードさんは12回くらい成功させてたのを見て、元々のアンダースローの経験の差が出てる気がする。
聞けばウィラードさんがアンダースローで投げ始めたのは小学6年生くらいかららしいので、かれこれ5年くらいだ。私は3年弱くらいなので、地力の差……という事だろうね。
「待たせたな諸君。昼休憩を行った後は試合をしてもらう!」
『し、試合!?』
試合って言っても私達は13人しかいないし、洛山の5人と三森3姉妹を合わせたら21人……。これで紅白戦でもしろって事?
「試合の相手は私が携わってる社会人野球チーム……黒獅子重工が務めよう!」
社会人野球チーム……。上杉さんとか、ウィラードさんのような超高校生級の選手がいるとは言え。黒獅子重工は社会人野球チームの中でも1、2を争う実力のチーム……。不公平感が否めないな。
「自慢をする訳ではないが、我が黒獅子重工はプロチームにも負けないように訓練されている選手揃いだ。普通に試合をすればこちらの圧勝だろう……。だがこちらからは3軍メンバーと洛山高校の代表者5人で挑む。これで戦力差はほぼなくなるだろう」
(つまり黒獅子重工の3軍メンバーに加えて清本、非道さん、黛さん、シルエスカ姉妹の5人を加えたチームと、新越谷代表、白糸台代表、遠前代表で試合をするって事か……)
「な、なんか凄い展開になってきたね……。瑞希ちゃんはどう思う?」
「黒獅子重工の3軍メンバーの選手レベルはプロ注目の高校生と同様かそれ以上……。アメリカ帰りの上杉さんとウィラードさんがこちらの味方に付き、向こうも同様にシルエスカ姉妹を加入……。総戦力を計算すれば、こちら側がやや不利……と言ったところでしょう」
二宮から見て黒獅子重工の3軍選手は高校生レベルに換算すると、全国トップクラスという事だ。スラッガーレベルの打者がこちら側に3人以上いるのがどう出るかって感じだね。
「それでは間もなく昼休憩の時間だ……。しっかりと休み、我が黒獅子重工に臨めるようにするんだ!」
『はいっ!!』
昼休憩の後に行われる試合……この試合が生涯経験した試合の中でもトップクラスの試合になる事を、私はまだ知らなかった……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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