4回が終了。スコアは0対4のまま、夢城さんが奮闘している。ナックルを投げる事と言い、清本を三振させた事と言い、夢城さんが本当に去年の秋から野球を始めた人とは思えない……。
「む?どうしたどうした?我が洛山代表者と黒獅子重工の混合チームが負けているではないか!」
「雷轟やバンガード、上杉みたいな選手がいるからな……。3校混合チームの方が洛山と黒獅子重工の3軍達よりも数段強力なのは間違いない」
話し声がする。なんか聞いた事のある声だけど……?
「今日はありがとうございます~」
「なに、洛山恒例の地獄の合宿に初参加の新越谷と遠前の連中がどのようにして練習に励んでいるのかを見に来たのだよ!」
「この島に来るのは高1以来だが、島の雰囲気もそんなに変わってないな」
えっ?大豪月さんと神童さん!?何故ここに!?
「よく来たな2人共!大豪月の方は次のイニングから入ってもらうが、構わないか?」
「ウム!無論、入らせてもらう!」
「私は今日のところは見学だ。後輩達の頑張りと活躍を見させてもらおう」
大豪月さんは黛さんと交代でマウンドへ、神童さんはこっちのベンチまでやって来て、見学のようだ。
「神童さん、お久し振りです。卒業式以来ですね」
「まぁ卒業後は大豪月と行動していたからな。自分磨きに部員集めと、白糸台にいた頃とは全く違う大学生活を過ごしているよ」
「お二人が通っている仏契大学の部員集めはどうなってますか?」
「……どうにも大豪月が言うには根性のある奴がいないとの事でな。部員の方は私と大豪月を含めてまだ3人しかいない」
仏契大学……。私と二宮と清本が行く予定の大学だけど、野球とは全く縁がないらしいから、大豪月さんの言う根性のある人はいないんだと思う。
「大学の方も人口がかなり少ないからか、大豪月はすっかり大学の中心人物だよ。大学名も改名するくらいだ」
「か、改名……?」
「そうだ。まぁ改名とは言っても、読み方を変えただけだがな」
神童さんが言うには仏契大学の元々の読み方は(ぶつけい)となっていたけど、大豪月さんによって読み方が(ぶっちぎり)となったそうだ。これぞ大豪月クオリティと言ったところか……。私ってもしかしてとんでもない人達(物理)と大学で野球をする事になってない?
5回裏。この回は9番の夜子さんからで、マウンドには大豪月さんが立っている。
「……さて、行くぞ合同チーム。私の球に平伏せ!」
ズバンッ!
『ストライク!』
(おお~。更に速くなってますね~。流石は大豪月さん~)
ま、前に対戦した時と全然違う……。更にストレートが速くなってる。
ズバンッ!
『ストライク!』
「どうした?あと1球しかないぞ!」
(速い……。目で追うのがやっと。こうなったら……!)
大豪月さんが振りかぶった瞬間に、夜子さんはバントの構えを取った。
(形振り構わず当てようという魂胆だろうが……甘い!)
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
「フハハハハ!バントなんかで私の球を打とうなど、甘いわ!」
流石は元高校生最速投手。プロ選手の中でもトップクラスに速いんじゃないの?
(あれが高校生最速と呼ばれた大豪月さんのストレートね。練習中のこの打ち方で、打てるかしら……?)
(凄い……!大豪月さんのストレートがまた速くなってる!早く打席であのストレートが見たいよ!)
上杉さんと雷轟が大豪月さんのストレートを見て、それぞれの想いを抱いている。次の回で確実に回ってくるし、大豪月さんの球に対しての解答が出ると良いけどね。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
大豪月さんはストレートだけで三者連続三振。高校時代のデータではストレートと同速の高速スライダー、高速シンカー、SFFを投げる。もしもそれ等の変化球もあのストレートと同じ球速でこられたら、打つのはかなり困難になる……。
(もしかして雷轟達に課せられた特別練習メニューはその為に……?)
だとしたらこの試合の命運はスラッガー達と大豪月さんによって握られている事になる。特別練習メニューの成果が発揮出来るのかに掛かってる。合宿の名目として組まれている試合だけど、公式戦並に重要な試合になりそうだね……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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