ブンッ!ブンッ!ブンッ!
特別練習メニューSを行っている3人のスラッガー。その内容は5、6メートルもある竹を葉っぱが全部落ちるまで振り続ける事のようだ。
「あの3人……凄い勢いであんなに大きい竹を振り続けているのね」
「そうだね。実際に持たせてもらったけど、半端ない重さだったよ。あれを振れるなんて、普通じゃ無理」
(それを慣れてきたのか、3人共黙々と振り続けている……。更に清本はあれ以上の成果を出しているんだよね)
あの葉っぱが全て落ちた後に、3人がどのようなスイングを身に付けるのか。先日の試合で3人が見せたスイング……あれはかなり速かったけど、それでもまだ未完成。大豪月さんが見せた更に速いスイングが完成形になるんだろうね。素人目にはそこまで違いがあるようには見えないけど……。
「……でも私達は3人の心配をしている場合じゃないのよね」
「そうだね。私達はまだ目標の4分の3にしか到達してないもんね」
私とウィラードさんは水切り。目標は20回以上の連鎖が必要なんだけど、私も、ウィラードさんも、現状は15回前後と言ったところだ。
バシャッ!バシャッ!バシャッ……。
「回数は17回……。もう少し……ってところなんだけどね」
「調子が良い時は20回近くまではいくんだけど、回数が落ちてきたり、伸びてきたりの繰り返しで、上手くいかないのよね……」
何が駄目なんだろうか?攻略法はすぐ近くまで来ている気がするんだけど、それを掴めずにいる……というのが、私とウィラードさんの現状だ。
「あの、ちょっと良いかな?」
背後から声を掛けられた。声のした方を振り返ると、長い黒髪の女性2人がそこにいた。いつの間に私達の背後に!?
「な、なんでしょうか……?」
「取り込み中のところに申し訳ないけれど、この島にある球場はどのように行けば良いのかしら?」
「私達2人は社長に聞きたい事があって、この島にある球場にいるから用件はそこでって社長に言われて来たんだけど……」
この2人……社長に用事があるのかな?
「えっと……島の奥に真っ直ぐ進んで行けば、球場が見えるので……」
「そこに社長がいる訳ね」
「ありがとう。助かったよ」
私達にお礼を言って、2人組は歩いて行った。
「……ぷはっ!」
「な、なんと言うか……今までに会った事のない2人だったわね」
「覇気が凄かったデース……」
スラッガー組の3人はあの2人から発する威圧感のようなものに圧倒されていたようだ。かく言う私とウィラードさんも同様にあの2人から感じた妙な圧に気圧されていた。
「な、何者なのかしら。あの2人は……」
「わ、わからないけれど、只者じゃないのはあの圧で伝わってくるわ……」
上杉さんとウィラードさんが言うように、只者じゃないのはわかる。いや、それよりも……。
「あの2人……『どうやってこの島に来た』の?」
『えっ?』
私の発言に皆が声を大にして驚いた。
「私とウィラードさんは水切りで常に海の方を見て練習してる……。その際に誰かが来たのなら、ボートか何かがこっちに来る筈だよね?それなのに、あの2人組は私達の背後に突然現れた……」
『…………』
訪れる沈黙。あれ?もしかして私達はとんでもない事に振れようとしてない?
「れ、練習を続けよう!」
「そ、そうね!早く完遂させないと……」
この話題はこれ以上触れたら駄目だ。そう思いながら、私達は練習に励んだ。
「社長」
「おお、貴様達か。用件の方は……」
「2軍の人達がちょっとやらかしちゃって、その報告を……」
「わかった。尻拭いの方は?」
「私達の方で済ませて来ました」
「了解した」
「では私達はこれで……」
「ちょっと待った!2人には連中の最終調整として行われる試合に出場してもらう」
「それって彼女達が行っている地獄の合宿の……?」
「ああ。貴様達にも協力してもらうぞ」
「わかりました。私達が役に立つのなら、それに従います」
「期待してるぞ」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
-
見たい
-
見たくない