最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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地獄の封鎖野球⑦

「姉さん達、ちょっと……」

 

「「夜子……?」」

 

夜子さんが姉達に何やら耳打ちをしている。黛さんの攻略法だろうか?

 

「それにしても黛さんのあのカーブ……どんな原理で2段変化してるんだろう?」

 

「……私の推測ですが、黛さんの指の力にあると思います」

 

「指の力?」

 

「ほぼ全ての変化球に共通しますが、手首と肘の捻りが変化球のキレを増します。黛さんの場合は恐らくボールを握る中指と親指の捻りが並大抵ではないでしょう。それ等が合わさって、2段変化を可能にしているんだと思っています」

 

(流石二宮ちゃんだね~。黛ちゃんの剃刀カーブの2段変化の原理をあっさりと見抜くとは~。でもわかっていても、黛ちゃんの剃刀カーブは簡単には打てないよ~?)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

(まぁ三森ちゃん達には普通のカーブしか投げられそうにないのが欠点だけどね~。それじゃあ次はこっちで~)

 

(はい……)

 

1球見送ってからの2球目。黛さんが投げたのはシュート。こちらは剃刀カーブ程じゃなくても、かなりキレている。本当にレベルが上がってるんだなぁ……。

 

 

カンッ!

 

 

6番の朝海さんが黛さんのシュートを捉える。打球は三塁線へ……。

 

(足に付いている重りのせいで加速しにくいわね。でも……!)

 

 

ズザザッ!!

 

 

『セーフ!』

 

(この程度で私達の足を封じたと思わない事ね。ヘッドスライディングを持ち込めば、内野安打を狙うのも難しくはないわ)

 

結果は内野安打。足に重りが2つも付いてるのに、よくもまぁあんなに走れるものだよ……。

 

「流石朝海姉さんね!私も続くわよ!!」

 

意気揚々と左打席へと立つ夕香さん。

 

「そういえばあの2人になんて言ったの?」

 

「なんて事はない。この合宿が終わったら私が2人の為にロールケーキを作るって言っただけ。姉さん達はそれが楽しみなのか、異様な張り切りを見せてるけど……」

 

本当になんて事がなかった……。食欲に忠実過ぎないあの2人!?

 

 

カンッ!

 

 

あっ、夕香さんも続いた。もうあの2人の手綱を夜子さんが握っているような気がしてならないよ……。

 

「ふ~む。これは中々面倒な状況だね~」

 

「どうしましょうか……?『あれ』も投げた方が、良いですか?」

 

「ん~?まだ早計だと思うよ~。黛ちゃんもまだ調整段階だって言ってたし、未完成の状態で抑えられる程、相手の打席は甘くないしね~」

 

「すみません……。でも夏大会が始まるまでには、完成させたいと思います……」

 

「黛ちゃんのペースで良いからね~。じゃあこの試合は剃刀カーブだけで頑張ろうか~」

 

「はい……」

 

ノーアウト一塁・二塁のチャンス。黛さんの剃刀カーブの攻略法が明確にわからない限り、これが最後のチャンスになりかねないから、ここは是非とも打ってほしいところだけど……。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

(1段でも変化の幅が大きくて打ちにくいのに、これが2段変化ともなると打ちにくさが増してくるよ……)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

(……でもあのカーブにもきっと弱点はある筈。今はよく見ておかないと)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

(剃刀カーブを全球見てきたね~。剃刀カーブの弱点でも探っているのかな~?)

 

山崎さんは3球共見送って三振。ただ三振しただけじゃないと思いたいけど……。

 

(それよりも今は剃刀カーブを投げられないであろう左打者に点が取れるか掛かっている……。お願いします。川原先輩)

 

3点ビハインドはキツいから、左打席に立つ川原先輩に状況の打破を願うばかりだ……!

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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