大宮さんと響さんの話を隠れて聞いているのがバレた。なのであえなく2人の前へ出る事に……。
「ぬ、盗み聞きしてすみません……」
「構わないわ。貴女達が聞いているのがわかった上で、私と鈴音は会話をしていたもの」
「だから聞かれて困るような話は一切してないんだよね」
つまり私と雷轟が盗み聞きしているのが、最初からバレていた訳か……。
「ど、どうして私と朱里ちゃんが隠れていた事がわかったんですか?」
あっ、それは私も気になる。見えないように隠れた筈なのに、どうしてバレたんですか!?
「私も鈴音も人の気配には敏感なのよ。気配の種類で誰が潜んでいるか……というのもわかるわ」
何それ怖い。それが本当なら村雨もビックリな気配察知スキルなんだけど?大宮さんの守備と言い、妙に人間離れしているような……。
「あの!」
「どうしたの?」
雷轟が2人に何か聞きたい事があるみたい。多分あの2人が何者なのかを知りたいんだと思う。初めて2人に会った時に何もない所から突然現れたし、気になるよね?
「ふ、2人は何者なんですか!?」
ど直球!新井さんのジャイロボール並のど直球!
「……その質問の意味を聞いて良い?」
「2人は突然私達の前に現れました。朱里ちゃんが言ってたんですけど、この島に来るなら船とかの移動手段とかも見当たらなくて、どうやって来たのかなって。それに……」
「それに……?」
「大宮さんの守備の動きを見た時に思いました。手足に合計2キロの重りが装着されていたのに、軽々と動いていたもので……」
「あの程度の事が出来ないと黒獅子重工の1軍に昇格する事は不可能よ」
「えっ?じゃあ黒獅子重工の1軍選手は全員大宮さんみたいな動きが出来るんですか?」
「そうね。人によって差違や限界はあるけれど、あれくらいの動きなら1軍選手全員が出来るわ。社長を含めてね」
何それ怖い(2回目)。プロ野球選手でさえもあんな動きをする選手はごく少数なのに……。というか社長って選手だったんだ……。
「……で、私達が何者かって質問だっけ?」
「は、はい!」
「ちょっと待っててね」
大宮さんが雷轟に制止を掛ける。なんなんだろう?
(どうする未来?)
(別に私達の正体を話しても構わないけれど、信用してもらえるかはまた別よ)
(まぁそうだよね……。ちなみに未来はどう思う?)
(半信半疑……といったところね。力の一端を見せれば信用してくれると思うけれど、畏怖される可能性もあるわ)
(はぁ……)
大宮さんは腕を組んで考えている。そこまで悩む事なのか……ってそりゃそうだよね。隠しているかは知らないけど、自分達の正体を話してくれって言ってるんだもんね……。
「……今から話す事はとても信じられない事だと思う。それでも聞く?」
とても信じられない?一体何を話すつもりなの?
「は、はい!」
「き、聞いてみたい……です」
な、何にせよ2人の正体が聞けるチャンス。これを逃す訳にはいかない。
「じゃあ話すね?私と未来は……」
大宮さんと響さんはこことは違う世界から来た事、様々な世界を転々とした後にこの世界に来た事、不思議な力を持っている事等々……凡そ信じられない話だった。しかし……。
(二宮が言っていた別世界から来た人達……というのが大宮さんと響さんになるのかな?未だに半信半疑ではあるけど、納得出来る部分もある)
「別世界の話が聞きたいです!」
「ええ……。思いの外食い付いてきた」
「良かったわね」
「良いの……かな?」
雷轟が大宮さんに懐いていた。雷轟にとって別世界の話はお伽噺みたいなものだろうか?大宮さんの話も興味津々で聞いていたし……。
「雷轟さんはあのように鈴音の話を信用したみたいだけれど、早川さんはどう思ったかしら?」
そんな中、響さんが私に話し掛けてきた。なんだろう?響さんから放たれる圧を除けば、母さんと雰囲気が似てるから多少好感が持てる。
「……半信半疑ですかね。大宮さんの話を聞いて納得出来る部分もありました」
「納得出来る部分?」
「雷轟が言ったように大宮さんの守備の動きや、何もない所から突如現れた事……。それに2人から感じた妙な圧に関してもそれで辻褄は合いますから……」
「そう……」
(この娘達の洞察力は大したものね。この世界の中心人物……というだけあるわ。これなら私や鈴音が干渉せずとも、この世界は良い方向に進みそうね)
響さんが納得したような表情を見せた。私の話が役に立ったのかな?
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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