「浦の星……ってどこ?」
「静岡。学校がある内浦はここに負けず劣らず人口が少ない……」
「そ、そんなに……?」
この町に匹敵する程に人口が少ないのかな……。
「去年も全国大会に出たっていうのに入学希望者が増えず、既に廃校が決まってるって噂だからね。そこの野球部は最後に爪跡を残そうって魂胆で組まれているって話だよ」
「そう考えるとこの学校がまだ残ってるって異常なんじゃ……」
「…………」
「……は、話を戻そうよ!」
「こ、これ以上この話題に触れるのは危険かも知れないしね!」
なんだかこの世の理に触れそうな予感がしたから、私と明美ちゃんで必死に話題を戻す事に……。
「浦の星の去年のデータは正直全く宛にならないね」
「どうしてよ?」
「あそこの野球部は去年3年生しかいなかったからね。だから今いる野球部は全く新しいチームだ。向こうの部員は丁度9人しかいないし」
「ウチ等と同じって事か……」
「新チーム同士って事で、練習試合の許可も快く取れたよ。こっちも色々な事を試したいし、向こうのデータも取れるしで良い事ずくめだ」
確かにこっちからしたら損をしてないどころか、得ばかりだもんね。
「由紀、静岡と言えば『あれ』の確保はどうなったのかしら?」
「抜かりないわ亜紀。私の『あれ』に対する拘りは生半可なものじゃないの。通販ポチポチで完璧よ」
由紀ちゃんと亜紀ちゃんは何の話をしてるんだろう……?
「おーい。支払いをするのは私なんだし、私の貯蓄も無尽蔵じゃないんだし、程々にしてくれよ~」
「心得ています。ほんの15ダース程しか注文しませんでした」
『多っ!?』
由紀ちゃんのとんでも発言に私を含めてほとんどの人が同じ突っ込みをした。何を15ダースも頼んだんだろう……。
「さて……と。ちょっと早いけど、オーダーを決めようかね」
「待ってました~!」
「先に言っておくけど、イーディス、アリス、ロニエの3人はもちろんスタメンだから」
「まぁ当然よね」
「き、緊張してきました……」
「頑張っていきましょう」
イーディスさん達も張り切ってる。私も良いところを見せられたら良いなぁ……。
「……で、当たり前だけど、彼方、真深、ユイの3人はベンチスタートだから」
「酷いっ!」
酷過ぎるよ。私達が何をしたって言うの!?
「まぁあくまでも今回の試合目的はイーディス達の実戦投入だし、ウチのトップ3をおいそれと向こうに見せる訳にはいかないね」
「彼方ちゃん達はとっておきって事だね」
「まぁその認識で構わないよ」
(正直今の浦の星野球部に彼方達を出すメリットがほぼ皆無だしね……。イーディス達だけでも充分互角以上には戦えるだろう。あとは味方の守備力と、由紀の投球内容次第か……)
「それじゃあオーダーを発表するぞ~!」
天王寺さんがノートに書いたオーダー表が……。
1番 ライト 明美ちゃん
2番 ショート 雫ちゃん
3番 センター イーディスさん
4番 ファースト 盾ちゃん
5番 ピッチャー 由紀ちゃん
6番 サード アリスさん
7番 レフト 洋子ちゃん
8番 セカンド 昌ちゃん
9番 キャッチャー ロニエさん
……と、こんな感じだった。
「これからの練習試合は基本的にこの9人をスタメンにするけど、試合の成績次第で打順が前後するから、頭に入れておいてくれ!」
「ウチ等経験者組がベンチから皆の動きとかを見ていったら良いんやな?」
「その通り!」
本当だ。練習経験に差はあるけど、このスタメンは天王寺さんが集めた優秀な初心者達(一部例外あり)なんだ……。
「じゃあそれぞれ試合に向けて練習だ!」
『おおっ!!』
練習試合……。私はスタメンで出れないけど、皆の打撃や守備をしっかり観察して、皆の力にならなくちゃ……!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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