4番の松浦さんにホームランを打たれて4対3。リードが1点だけになっちゃったよ……。しかも次の小原さんも松浦さんに匹敵するパワーヒッターらしいし……。
「次は小原か……。パワーと足、肩なら松浦にやや軍配が上がるが、それ以外は小原が上回る厄介な打者だ」
「見た感じハーフっぽいけど……?」
「父親がイタリア系アメリカ人らしいね。まぁ彼女は幼少期から日本にいるみたいだし、ハーフってのは余り関係ないと思うけど」
カキーン!!
なんて話をしてる間に打たれちゃってるよ!?
『ファール!』
よ、良かったぁ。なんとかライト線切れたよ。
「やっぱストレートだけやと続けざまに打たれるんちゃう?」
「まだ大丈夫だと思うよ。若干差し込まれてるっぽいし」
(それにいざとなればイーディスの人間離れした身体能力で解決するかもだし、あの程度ならまだまだなんとかなる範囲内かな)
「さーて。このまま打たれ続けるか、それとも一矢報いるか……。どうするバッテリー?」
「またタイムなの?」
「す、すみません。でも1度タイミングを整えた方が良いかと思って……」
「……まぁ良いわ。私はあくまでも貴女に従う投手よ。私を上手く操るのが今の貴女の役目。私をリードで引っ張っていく気持ちでいかないと相手打線に呑まれてしまうわ。あの4番に初球から打たれたのと、先程の大ファールが例ね」
「はい……」
「志乃先輩も言っていたわ。貴女の考えられたリードは悪くないと……。だから自信を持ってリードしなさい。弱気は相手に漬け込まれるだけよ」
「弱気は漬け込まれるだけ……」
「……本来なら貴女が打たれ続けている私を慰めるべきなのよ?私が貴女を慰めるようでは本末転倒なの。気張って投げていきなさい」
「は、はい!」
「あっ、ロニエさんが戻って行った」
「何を言っていたのかしら?由紀ちゃんがロニエさんに説き伏せられていたようにも見えたけれど……」
「さてね。本人達の溝知る……ってところだろう。多分由紀がロニエに激励したんじゃない?」
「普通慰めるの逆やろ……」
「さっき松浦にホームランを打たれた時も、小原に大ファールを打たれた時も、問題なのはアラベルが甘いコースに誘導してしまったから。それは緊張からきているのか、それとも……」
皆が言うには、さっきのタイムで由紀ちゃんがロニエさんを慰めている……?みたいな内容みたいだったけど……。
「志乃ちゃんってロニエさんの事をよく見てるよね」
「……別に。同じ捕手だから気付いた事があっただけ」
「着眼点の良さが志乃の才能であり、捕手としても必要なスキルだからね。こういうのは将来プラスになる」
(そんな志乃が一時的に野球を辞めざるを得なくなる程に瑞希の才能……いや、『異常性』が際立ったって事か……。野球ってのは少しの才能の差が大きく道を開けるからわからないものだ。まぁだからこそ面白いんだけど)
カキーン!!
「ま、また打たれた!?」
「しかも今度はセンター方向に……」
大ファールをもらってからの、センター方向へ良い当たり。でもこれは……。
『アウト!』
「うん。今回はちゃんと由紀を操る事が出来たみたいだな」
「夢城姉の投げるストレートはちゃんと芯に当てなきゃ、あのように詰まらされる……。重さだけなら渡辺の上を行く」
「つまりさっきのはアラベルのリードミスで芯に当てられたって事か……」
「そうなるね」
(まぁ同じ戦法はもう通じないだろうけど。2打席目に入ったら由紀に変化球を解禁させておこうか……)
その後も由紀ちゃんのストレートと、ロニエさんのリードによって浦の星打線を悉く抑えていった……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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