最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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地獄への誘い

4月も終わりに差し掛かり、世間一般ではGWを迎えようとしていた。

 

「真深ちゃん、ユイちゃん、部活に行こっ!」

 

「あっ、彼方先輩……」

 

「私達、実は天王寺先輩に呼び出されているんです」

 

「天王寺さんに?」

 

天王寺さんが真深ちゃんとユイちゃんを呼び出し……。何を話すんだろう?

 

「わかった……。じゃあ先に行ってるね!」

 

「すみません……」

 

「良いよ良いよ!天王寺さんも2人に大切な話があるだろうし、それを無視してなんて言わないよ」

 

野球部全員の前で言わないとなると、余程大切で秘密の話かもだし、複数人が関与する訳にもいかないよね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おー、すまんねぇ。わざわざ来てもらって」

 

「いえ……。それよりも私とユイに話しておきたい事とはなんでしょうか?」

 

部活に行く前に、天王寺先輩から通知が来た。話しておきたい事があるから……と。

 

「その前に聞きたいんだけど、真深とユイは彼方に着いて来る形で野球部に、この町に来たんだよね?」

 

「そうですね。彼方先輩がやらなければならない事がある……という話で、私とユイは彼方先輩によくしてもらったので、その恩を返すべく……」

 

「成程成程。彼方に聞いた通りだったな」

 

天王寺先輩は彼方先輩から私達がこの町に来た理由を聞いていたみたいね。

 

「じゃあ本題に入ろう。もしも彼方が目的を果たし、野球部を引退したら2人はどうするのかな?」

 

「「えっ……」」

 

突如、天王寺先輩からそんな質問が……。彼方先輩が引退した後の話……?

 

「2人は彼方に着いて来る形でこの野球部に入った訳だ……。じゃあ彼方の引退と同時にアメリカに帰るのか?彼方は引退後はアメリカに帰るらしいが、2人はそれに着いて行く形で帰国するのか?」

 

「「そ、それは……」」

 

私もユイも動揺のあまりにまともな返答が出来なかった。私達は彼方先輩に着いて来る形で日本に来た……。それなら彼方先輩がアメリカに戻るのなら、私達もそれに合わせてアメリカに戻る事になるのだろうか?答えが出せない……。

 

「……っ!」

 

(ユイも同様に言葉を詰まらせている……。私達はそこまで大事に考えていなかったのかも知れないわね)

 

「……どうやら考える時間が必要みたいだな。それならゆっくりと考えると良い。ちょうど今日の部活で話したい事もあるしね」

 

天王寺先輩は茶封筒をひらひらと見せながらそう言った。あの封筒に何か入っているのかしら……?

 

「あの、それは……?」

 

「GWの予定が書かれている紙が入っているのさ。まぁ詳細は部室で話そう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっまたせ~!」

 

「「遅れてすみません」」

 

天王寺さんが真深ちゃんとユイちゃんを連れて部室に来た。心なしか真深ちゃんとユイちゃんの元気がないような……。それに天王寺さんが持ってる茶封筒はなんなのかな?

 

「天王寺、それは……?」

 

「先程ちらりと中を見たけど、どうやら洛山高校野球部からの手紙みたいだ」

 

洛山から……?練習試合の申し込みかな?

 

「な、内容は……?」

 

「何々……?『遠前高校の諸君を我が洛山高校の地獄の合同合宿に招待する。自信がある者、強くなりたい者、己を変えたい者、無謀者、死に急ぎたい者はこの地獄に来られたし!』だそうだ」

 

「つ、突っ込み所が多過ぎる……」

 

「一体どんな合宿を……?」

 

「手紙によると、獄楽島という所で洛山野球部はGWに毎年合宿をしているらしい。『今年は私達も一緒に参加しませんか?』って事だろう。内容までは流石にわからないけどな」

 

「ご、獄楽島……!?」

 

獄楽島という言葉に反応したのはイーディスちゃんだった。何かあったのかな?

 

「あ、あんな所で合宿なんて正気の沙汰じゃないわよ!あたしは行かないからね!!」

 

「す、凄い拒絶反応ですね……」

 

「一体イーディス先輩に何があったのでしょうか……?」

 

アリスちゃんとロニエちゃんはそんなイーディスちゃんの反応に動揺している。どうやら獄楽島に行った事があるのはイーディスちゃんだけみたい。

 

「それって全員参加なん?」

 

「いや、最大5人までだ。それにウチからは3人しか出すつもりはない。人数に余裕もないからな」

 

「あんな所で野球の練習なんて出来る訳がないわよ……」

 

さっきからイーディスちゃんの拒絶反応が凄い。そんなに凄まじい場所なのかな……。

 

「イーディスの反応が面白いから、1人目はイーディスに決定……」

 

「悪魔かあんたは!?」

 

「したいところだけど、選出メンバーはもう既に決まっている」

 

「ほっ……」

 

「……けどやっぱり追加でイーディスも行かせようかな~?」

 

「絶・対・に・イ・ヤ!!」

 

「でも人数に余裕もないのも事実だから、やっぱり他の人達にしようかな」

 

「ふぅ……」

 

「……と思ったけど、それでもイーディスを行かせようかな~?」

 

「あたしで遊ぶな!!」

 

天王寺さんとイーディスちゃんのこのやりとりがこの後10回くらい続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で、本題の選出メンバーだけど」

 

「あんた、絶対に碌な死に方しないわよ……」

 

イキイキとしている天王寺さんと、疲弊しているイーディスちゃんを見て他の皆は苦笑いしているか、呆れている。私は前者かな。

 

「真深とユイ、そしてお目付け役に由紀にも行ってもらうとしよう」

 

「私達が……」

 

「洛山主宰の合宿の選出メンバー……」

 

「GW初日から4泊5日で、持ち物は一部必須の物以外は自由。当日まで数日はあるから、しっかりと準備をするように!」

 

天王寺さんは真深ちゃんとユイちゃんの傍に寄って……。

 

「一旦この町を離れてゆっくりと考える事だね。自分のこれからの選択肢を……」

 

ボソッと呟いた。何を言ったんだろう?

 

「「……はい!!」」

 

「由紀も頼んだよ。真深とユイの様子を見ておくように」

 

「わかりました」

 

そんな訳でGWに洛山主宰の地獄合宿に真深ちゃん、ユイちゃん、由紀ちゃんの3人が参加する事が決まったよ!

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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