今日から洛山主宰の地獄の合宿……。野球部の皆に見送られ、遠前町を離れて天王寺先輩が言っていた獄楽島に向かう船着き場に来たけれど……。
「誰も……いないわね」
「洛山の人達が船で迎えに来てくれるって言ってたし、私達は待っていれば良いのよ」
由紀ちゃんがそう言って釣りの準備をし始めた。ここで釣りをするつもりかしら?
「真深は……さ、天王寺先輩の言ってた質問の答えは出せた?」
「……いえ、まだよ。思えば天王寺先輩がこの合同合宿に私達を行かせたのも、答えを考える時間を与える為なの」
天王寺先輩は一旦この町を離れてゆっくり考えろ……とも言っていた。気分転換も兼ねているのかしら?地獄の合宿って触れ込みだから、気の休まる感じはしないけれど……。
「どんな合宿になるかはわからないけど、私達にとってプラスになる事は間違いないし、絶対に乗り切っていきましょう」
『うんっ!』
天王寺先輩からの質問の答えを考えていると、東の方から声が聞こえた。その方向に行ってみると……。
「あら?ヨミに珠姫?それに早川さんと遥ちゃんも……」
「えっ?真深ちゃん!?」
「それにウィラードさんも……」
ヨミ、珠姫、早川さん、遥ちゃんともう1人……新越谷高校野球部の5人がいた。彼女達も洛山主宰の合宿に招待されたのかしら?
「世界大会振りね。貴女達も洛山から招待状が来てたの?」
「まぁね……。という事は上杉さん達のところにも?」
「ええ。私達の高校は私とユイと……そしてもう1人の3人がこの合宿の参加者なの」
その内の1人はあそこの釣り堀で釣りをしているけれど……。由紀ちゃんのマイペースさは少し羨ましいわ。
「あれ?由紀は?」
「あそこの釣り堀で釣りをしているわ。相変わらずマイペースよね……」
「由紀ーっ!もうすぐ出発の時間になるから、釣りは止めておきなさい!」
「わかったわ。ブラックバスを6匹程釣ったから、個人的には満足よ」
ここの釣り堀ってブラックバスが釣れるのね……。
「えっと……。川原光です。この中では唯一の3年生になるのかな。よ、よろしくね?」
「はい、よろしくお願いします。お互いに有意義な合宿になるようにしましょう」
(社交辞令増し増しの挨拶な気がするけれど、失礼になっていないかしら……?ヨミ達の先輩みたいだし、この合宿の間は仲良くやっていきたいわね)
そう考えていると、また東の方から5人の人影が……。2人がテンションが高そうに走っており、1人がその2人を諌めて、あとの2人がそれに着いて行く。その内の1人は二宮さんね。早川さんもそうだけれど、世界大会ぶりの強力なライバルが集結してくるわね。
「……やっぱり白糸台も来てたんだね」
「洛山と白糸台は毎年合同合宿を行っているみたいですからね。洛山名物の地獄の合宿には去年は行ってなかったみたいですが……」
早川さんと二宮さんの話を聞く限り、二宮さん達が通っている白糸台高校は洛山と交流があるらしく、ほぼ毎年合同合宿をしているみたい。今回の合宿では洛山と白糸台がメインで、遠前と新越谷は合同校を増やすべく誘われたのかしら?
「お~、揃ってるねぇ~」
「こ、今年は思ったよりも参加者が多いですね……」
「わざわざ3校に招待状を送ったからね~。10人くらいは来てくれなきゃ困るよ~」
洛山高校の非道さんと黛さんが私達を迎えに来た。他の洛山野球部の参加者……エルゼちゃんやリンゼちゃんとかは現地待機かしら?
「洛山高校名物の地獄の合宿へようこそ~」
「わ、私達洛山高校の合宿参加者は先に現地で待機しています。私と非道さんは参加者の皆さんを迎えに来ました……」
「それじゃあ皆船に乗って乗って~」
非道さんが指差す先にある大きい船に私達は乗船した。
「全員乗ったら出港するよ~」
(いよいよ始まるのね。洛山主宰の地獄の合宿が……!)
この合宿で私なりの答えを出す必要があるわね……!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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