試合は6回表まで進み、スコアは6対8で私達が洛山を追い掛ける形となっている。
前の回で同点に追い付いたところまでは良かったのに、その裏の回でエルゼちゃんとリンゼちゃんの連続ホームランによって突き放されてしまった……。
(それにしてもリンゼちゃんのホームランは昔の彼女を知っている身からしたら違和感しかないわね……)
洛山に入ってから得た長打力を考えれば、アメリカシニア勢の中で1番伸びているのは間違いなくリンゼちゃんよね。
「さぁ反撃だ~!」
「なんとしても同点に追い付くわよ!」
『おおっ!』
遥ちゃんとユイがこの合同チームを引っ張り、皆がそれに賛同する……。このチームが1つになっていく感じがして良いわね。合宿が終わればまた敵同士になる訳だけれど……。
「なんか重りまみれになったね。お互いに……」
「そうだね……」
鋼さんと早川さんが言うように、私達は8点分の重りをそれぞれ付けており、私も腕に1点分の重りが付いている状態だ。
(左右合わせて1キロ……と言っていたわね。スイングの妨げにならないか心配だわ)
「あれ?向こう……選手の交代をするみたいだよ?」
「黛さんを交代させるのかしら……?」
相手チームは選手交代。もしも黛さんを交代させるとなると、出て来るのは恐らく大豪月さん……。それなら前回のリベンジを試みたいわね。
ズズズズ……!
『!?』
(違う……!この雰囲気は昨日私達の背後に現れたあの2人組!?)
早川さんも私と同じ反応をしており、海辺にいた他の人達は何やら戸惑っており、妙な圧を感じた他の人達は圧を放っているのがどんなに人なのかを考察していた。
(交代したポジションはセンターとショート……。黛さんは続投みたいね)
あの2段カーブを打たなければ私達は多分勝てない……。向こうも其がわかっていて、黛さんを続投させているのよね。
「本当にあの2人も出るんだ……」
「でも内1人は腕と足に重りを付けてるよ!」
「社長が封鎖された箇所は交代先の選手にも引き継ぐって言ってたから、あの人は腕と足に重りを付けているんだね……」
ショートを守るのが響さん、センターを守るのが大宮さんというみたい。大宮さんの方は腕と足にそれぞれ1点分ずつ重りを装着しているから、プレーしにくい筈だけれど……。
「どんな選手だろうと、私達は逆転するだけよ」
「……そうね。由紀ちゃんの言う通り、私達は逆転するだけ。頑張って行きましょう」
由紀ちゃんはふとした時に頼りになる発言をしてくれるのよね。普段は何を考えているのかよくわからない事が多いけれど、今は頼もしい存在だわ。
カンッ!
「初球から打っていった!」
「あのセンターの人は深めに守ってるから、ヒットは確実だよ!」
「光先輩は長打力もあるから、あのセンターの人もそこを警戒して守ってたのかもね」
川原さんが打った打球はセンター前。大宮さんはフェンスギリギリの位置で守っているから、ヨミの言う通りヒットは確実……の筈だったのに……。
ズザザッ!バシッ!
「よっ……と」
『アウト!』
嘘……。あの位置から間に合った!?なんて守備範囲をしてるの!?
「う、嘘……。フェンスギリギリの位置から、センター前の打球を捕るなんて……」
「私達3姉妹並か、それ以上の守備範囲……」
三森さん達も驚いている。大宮さんの様子からはあと数秒程の余裕があったようにも見えるし、しかもそれだけじゃなく……。
「それだけではなく、彼女には腕と足に重りが装着されています。にも関わらず悠々とスライディングキャッチを決めていました」
二宮さんの言う通り、腕と足に重りを付けているにも関わらず、それを苦にしている様子すらなかった……。どんな鍛え方をしたらそんな事が出来るというの……!?
(益々興味深くなっちゃうじゃない……!)
これは本当に、1度話してみたいわね。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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