最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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想いを託して

7回表。スコアは6対8と変わっていないので、このまま凡退が続くと私達の負けが決定してしまう……。

 

「絶対に打ってやるデース!」

 

「頑張れバンちゃーん!」

 

この回は3番からなので、私に回っては来るけれど……。

 

(バンガードさん次第で私もやる事が変わってくるわね)

 

 

カキーン!!

 

 

『ファール!』

 

「ああ……」

 

「惜しかったね……」

 

タイミングが完璧だっただけに、今のファールはとても惜しかったわ。でもあれなら……きっと打てる!

 

 

カキーン!!

 

 

バンガードさんが打った打球は大きなバウンドをして、内野の頭を抜けた。

 

「センター、お願いします!」

 

「任せてよ」

 

センターには打球を捕った大宮さんが……。まさかセンターゴロを狙うつもり!?

 

「絶対に生き残ってやるデース!!」

 

 

ズザザッ!

 

 

バンガードさん決死のヘッドスライディング。ファーストの捕球音とタイミングは同じ。判定は……!?

 

『セーフ!』

 

「やった!先頭が繋いだよ!」

 

「次は真深ちゃんだね!」

 

「ホームランで同点だ~!」

 

「…………」

 

(この局面……。ホームランを狙いに行くのはありなのだけれど、もしも同点止まりならジリ貧が続くだけ。それなら……!)

 

「?」

 

(次の遥ちゃんに託して、私のやれる事をやるだけね)

 

「……この局面、真深は狙うつもりね」

 

「そうね。お誂えだもの。真深が打席に立つ前にバンガードさんと話し合っていたのも、あれを行う為だと思うわ」

 

ユイも由紀ちゃんも私の狙いをわかっている。これまでの練習試合でも何度かやった事はあるし、部活でも見せていたから、それで由紀ちゃんもわかったのかもね……。

 

(バンガードさんに指示を出して……と)

 

(……わかったのデス!)

 

黛さんが投げる1球目。

 

(ストレート、コースは低め……。やるしかないわね)

 

「行くデース!」

 

バンガードさんには初球で盗塁をしてもらおうとサインを出していた。私達のチームは基本的にサインを出さないから、アドリブで行動するか、個々人でサインを出し合う事になっているのよね……。

 

 

コンッ。

 

 

『ええっ!?』

 

敵を欺くにはまず味方から……。表情に差違はあれど、ユイと由紀ちゃん以外は驚いているわね。

 

(そもそもこのセーフティバントも基本的に私のアドリブだったりする訳だけれど……)

 

だから過去のデータでやった事があるとは言え、確率だけで言えば相当低いのよね。

 

『セーフ!』

 

向こうも意表を突かれたのかやや対応が遅れ、そのお陰か少しずつ余裕も持ってセーフになる事が出来た。

 

(私達はやれる事をやったデース)

 

(あとは任せたわよ。遥ちゃん!)

 

この試合を決めるのは……遥ちゃんの役目よ。頑張ってね!

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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