朱里「今年も1年よろしくお願いします」
遥「この小説も投稿してからもうすぐ1年半を迎えますので、是非是非応援お願いします!」
朱里「まぁ私達の視点で話が始まる訳ではないけどね」
遥「では始まります!」
バンガードさんが出塁し、真深が繋げて、雷轟さんがホームランを放ち、私達のチームは逆転に成功した。
「遥ちゃんが打ったとは言え、あの剃刀カーブはやっぱり簡単には打てないね……」
「あれをまともに打てそうな右打者は上杉さんくらいかもね。バンガードさんも苦戦していたみたいだし……」
しかし後続はランナーが出るも、追加点には至らなかった。右打者にあのカーブを打つのは無理があるものね。
(でも雷轟さんは体勢を崩しながらも打った……。バンガードさんも、真深も、どこかで雷轟さんが決めてくれるとわかっていた、信じていたかのように……)
あれで野球を始めて1年と少しだものね。早川さんが組んだオーダーでは経験の差で真深を4番に選んだみたいだけど、もしも雷轟さんが真深のような経験を得た打者だとしたら……?
(まさかアメリカ一のスラッガーとも言われているクリフ・ボストフ以上の打者に……!?)
考えるのも恐ろしいわね。敵に回る事を考えれば、経験の浅い初心者で良かった……と思うべきなのかしら。
「あれ?この最終回って誰が投げるの?」
「あっ、そういえば光先輩は代打に出したんだっけ……?」
そして7回裏に投げるのは誰か……って話に。一応投手陣は私も含めて全員肩を作ってはいるけど……?
「…………」
(やはり手の内がバレる……という大きなリスクを背負う以上はおいそれと自分が投げるとは言えないものね。私だってそうだもの)
ここにいる人達は高校生のレベルを越えている選手達ばかり……。データのあるなしで結果が大きく変わってくるわ。
「……私が投げるよ」
沈黙を破ったのは早川さん。
「朱里ちゃんが?」
「うん。皆を見ていると、私も合宿の成果を試したくなってね。それに……」
「それに?」
「……いや、なんでもないよ」
早川さんが何を言おうとしてたのかはわからない。でも少し羨ましいわね。私も少し臆病になっていたから……。
(……そうよね。手の内がバレるから何なのって話よね。ここで日和っていたら勝てる相手にも勝てなくなるわ!)
早川さんはそれを教えてくれた。そのお礼として、今日のところは貴女に試合を決めるのを譲るわ!
(そして見せてもらうわ……。地獄の合宿で行われた特説練習メニューUの成果を!)
早川さんが振りかぶって1球目を投げる。
ズバンッ!
『ストライク!』
(凄い……。あれが私と早川さんが練習していた……アンダースローの投手が投げる特別な球。球威もキレも私が今まで投げてきた球とは段違いだわ)
あれが私の腕にも宿っているのね。あんなのを見せられたら、俄然燃えてくるじゃない!
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
早川さんが投げた球は低空から浮き上がり、更には砂埃に紛れて消えたように錯覚させる球だった。
それは私が憧れ、野球を始めようと思った過去のプロ野球の映像に映っていた早川茜さん……。その姿がダブって見えた。
(そうよね……。あの早川茜さんの娘さんだもの。シニアリーグの世界大会ではオーバースローだったけど、あのアンダースローこそが、本来の早川さん……あるべき姿よね!)
私にとって同世代の中で最大のライバルであり、尊敬に値する投手……それが早川さんなのよね。
(でも憧れるだけじゃ駄目……。憧れを越えてこそ、私が野球をやっている意味を見出だせるのよ!)
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!ゲームセット!!』
三者連続三振に抑えた早川さんを見て、私は改めて目標を早川母娘を越える事に決めた。
ことよろでーす。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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