「諸君!これにて洛山主催、地獄の合同合宿を終了する!3泊4日の間ご苦労だったな!!」
合宿は終わり、私達に課せられた特別練習メニューはそれぞれ無事に遂行出来た。
(あの大竹を振り切り、葉を全て落とした成果は、この手に、腕に宿っている……。あとは実戦に繋げるだけね)
私、遥ちゃん、バンガードさんとユイと早川さん、由紀ちゃん、ヨミ、川原さん、鋼さんはそれぞれ大竹の素振り、水切り連続20回、大量の薪割りと普通では絶対にやる事がなかった特別な練習をする事によって、格段に実力を上げている筈……。
(あの時の試合で見れたのはあくまでも途中経過……。きっと完成形はとてつもない事になっていそうね)
「諸君の活躍を祈っている。ただし忘れるな!この合同合宿では同じ釜の飯を食べた仲ではあるが、本来ならばそれぞれ敵同士である事をな!!」
皆と戦えるのは全国の舞台……。まずは互いに県大会を勝ち抜かなければならないわね。社長の言う事ももちろん忘れる訳がない。
「迎えの船が来たから、それに乗るが良い!」
迎えの船は行きしなに私達が乗った船と同じもの……。これに乗るのはまだ慣れないわね。中はそうでもないけれど、外観は完全に難破船だもの。
「私は泳いで大学に帰るぞ!神童も一緒にどうだ?」
「嫌に決まっているだろう。普通に船に乗って帰る」
「フン、軟弱者め。だらしないぞ!」
「おまえの場合は屈強と言うよりはただの馬鹿だ。頼むから、大学の連中に悪影響を与えるなよ?」
神童さんと大豪月さんは船の前でこんなやり取りをしていた。豪快な大豪月さんと、冷静な神童さん……。この2人は正反対な性格ながらも、良いコンビに見えるわね。
「最後に……新越谷のスラッガー!」
「私ですか……?」
社長が遥ちゃんに何やら耳打ちをしている。何を話しているのかしら?
「……わかりました。その時が来たら、訪れようと思います」
「そうしてくれ。向こうには私から口添えしておこう」
何の話かは気になるけれど、これからは敵になるのだし、踏み込む訳にはいかないわね……。
(でもこの3泊4日は私達にとって良い経験になった……。きっとこれからの野球人生でも今回の経験が助けになる事もそれなりにある筈だわ)
それに……天王寺先輩の出した問題の答えも私の中では整理が付いた。私なりに考えて、考えて……ようやく決めた答え。私の今後が変わってくるであろう答え。自信を持って、胸を張って、答えるつもり……!
「……そうか。わかった。報告ありがとう」
ピッ。
「誰と電話してたの?」
「ん?由紀に真深とユイの様子を逐一報告してもらってたんだ。私の出した問題を答えられているか……とかね」
「ふーん……?」
真深ちゃんとユイちゃんに何を言ったんだろう?私にも関係があるのかな?
「……それよりも明後日には練習試合をするから、心しておけよ」
「それは良いけど、まだどことやるか聞いてない……」
「あっ、まだ言ってなかったっけ?」
「練習試合をやる……としか言われてへんな」
「あー、私的には言ったと思ってたんだけどなぁ……」
天王寺さん的には既に伝えたものと思っていたみたい。そういう事ってよくあるよね。
「で、どこと試合をするの?」
「対戦相手は神奈川県にある……紅洋高校」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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