神奈川県紅洋高校。今日私達が試合する相手だ。向こうからこっちに来てくれるみたいだけど……。
「わざわざこっちに来てくれるんだ?」
「まぁ向こうは夏大会前の遠征も兼ねてるからね。ウチはその中の通り道に過ぎないのさ」
そして遠前高校はその通り道で最後に寄る地点みたい。どういう道のりなのか気になる……。
「おいでなすったぞ。あの列にいるのが紅洋高校野球だ」
天王寺さんが指す方向には2列に並んで歩いている集団が……15人くらい?足並み揃えて歩いている。統率されてるなぁ……。
「待たせたなァ?天王寺ィ……」
「やーやー、久し振り飛鳥。成果はどうよ?」
「19試合全勝だ。テメー等に勝って20連勝と洒落込むつもりだコラ」
今年のGWは1週間あるから、かなりのハイペースで紅洋高校は練習試合をこなしているみたい。
「どうかな?遠前野球部はオンボロだけど、精鋭揃いだ。そう簡単にそっちの思い通りにはならないさ」
「はん、テメーが何を考えているのかは大体わかってんだよ。ウチ等がそれを乗り越えて勝つだけだ」
天王寺さんと嶋田さんはバチバチのライバル関係みたい。シニア時代ではよく全国大会や、練習試合で試合してたみたいだしね。
「……それにリトル時代のチームメイトもいるみたいだからなァ」
「…………」
「久し振りだなァ。水鳥ィ……」
「リトル振り……」
「天王寺のいるチームとは言え、またテメーと試合が出来るのは大きいな。楽しみにしてるぜェ?」
「……まぁぼちぼちにやってく」
そっか。志乃ちゃんもリトル時代は嶋田さんと同じチームだったんだっけ?3年振りくらいに2人は会うみたいだけど……。
「……試合前にテメー等にウチの期待のルーキーを紹介する」
昨日天王寺さんが言ってた紅洋に入った強力な新入部員の事かな?
「花形ァ!星ィ!」
「「ッス!!」」
嶋田さんはかなり大きい声で部員の名前を呼ぶ。グラウンド全体に響くなぁ……。もしかしなくても嶋田さんって体育会系?呼ばれた娘達も嶋田さんに影響されている節があるし。
「今日の試合相手である遠前高校野球部だ。挨拶しろ」
「「は、はい……」」
嶋田さんに呼ばれた2人は返事は勢い良かったけど、急にもごもごし始めた。人見知りなのかな?
「「ど、どうも……」」
「どーもどーも」
天王寺さんが私達を代表してそれに答えた。
「おい……。ビビるんじゃねぇよ。相手に舐められたら、その時点で不利になるだろうが!」
「は、はい!」
「す、すみません!」
うーん。体育会系だねぇ。嫌いじゃないけど……。
「は、花形美鈴です!紅洋高校野球部ではファーストを守っています!今日は遠前高校野球部と試合が出来る事をとても光栄に思っています!!」
「わ、私は星美智瑠です!紅洋高校野球部でピッチャーやらせてもらってます!と、遠前高校野球部には超高校生級の投手がいるという事で、今日はその様子を参考にさせてもらえればと考えてます!!」
「「今日はよろしくお願いします!!」」
「上出来だ。この2人は遠前高校野球部にいるある奴のプレーに痺れちまったみたいでなァ……。天王寺や水鳥共々今日はよろしく頼むぞ?」
ある奴……誰なんだろう?真深ちゃん?ユイちゃん?それとも両方?
「ユイ……。合宿終わってから初試合よ。気力はどうかしら?」
「私はすこぶる調子が良いわ。そういう真深は……聞くまでもなかったわね」
「ええ……!社長からもらった新しいバットの感触を確かめるにも良い機会だしね」
真深ちゃんもユイちゃんも合宿が終わってからなんだかウズウズしてる……。私もあんな感じなのかな?
「私はベンチでダラダラするわ。天王寺先輩から許可はもらっているもの」
由紀ちゃんの方は余り乗り気じゃない……?言い方に凄く問題があるけど、合宿の疲れが残ってるのかな?でも由紀ちゃんは無尽蔵のスタミナの持ち主だし……。
「彼方ー!そろそろ試合を始めるぞ~?」
「あっ、うん!」
(まぁ今日は紅洋高校との試合に集中しよう)
私が出られるかはわからないけど……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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