最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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砂埃に紛れる魔球

『アウト!チェンジ!!』

 

真深ちゃんがホームランを打った後はランナーを出しつつも、追加点には至らなかった。

 

「う~ん。追加点は取れなかったか……」

 

「向こうの守備が中々に堅い」

 

「投手の方も典型的な打たせて取るタイプの選手だし、バックの守備力を信頼した良い投手だよ」

 

「紅洋高校野球部は飛鳥以外の全員が1年生だからな」

 

「えっ?」

 

「聞いた事がある。嶋田の指示する練習内容や、プレーの要求レベルが高過ぎて、辞める部員も続出していったって……」

 

「それこそ2年前の新越谷高校野球部に起きた不祥事……とまでは言わないけど、毎日吐きそうになるまで練習させられた挙げ句、朝早くから夜遅くまでの練習に根をあげたんだと。休日なんてほぼほぼぶっ通しだったみたいだし」

 

「うわぁ……」

 

時代錯誤の人なのかな……?余程やる気と根気がある人じゃないと着いて来れないかも。

 

「でも今いる15人くらいの人達は1年生とは言え残ってるし、練習内容も緩和されたんじゃないの?」

 

「違うね。むしろその逆……。飛鳥は更に練習を厳しくしたんだよ。まぁ練習試合が主になったんだけど」

 

「ま、まさか名のある名門校に殴り込み!?」

 

「いや、ウチみたいな県外の無名のところばかりだね。それも万年初戦敗退レベルの高校だ……。曰く名のある高校に余計な警戒を持たせず、本番の大会では初見の内にコールドゲームを決めるつもりで畳み掛けるらしい」

 

「す、凄い考えだね……」

 

(まぁその中でもウチは例外中の例外……。なんでもそっちの思い通りにいくとは思わない事だね)

 

「さて、切り替えて守るぞ。この3点を絶対に死守するつもりでプレーしろ!」

 

『おおっ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

「あれは厄介ですねー。低空から浮き上がるだけじゃなくて、砂埃でボールを見失ってしまいますー」

 

「伴、捕手のテメーから見てあの球はどうだ?」

 

「少なくとも1打席目はキツいですねー。付け入る隙があるとするなら……」

 

「するなら?」

 

「捕手の動きを見て判断すると良いですー」

 

「捕手の……」

 

「動き……?」

 

「見てもらったらわかると思うんですけど、今投げられてる球は砂埃に紛れてボールが見えなくなる……といった代物で、最終的には捕手のミットに収まりますので、捕手がミットを構えた瞬間が合図ですー」

 

「成程な。捕手がミットを構えた時がもうすぐボールが収まる合図……。それを観察しつつ、自分の判断で叩けって事かァ?」

 

「大雑把に言えばそうですねー」

 

(まぁ投げているのが並の投手ならそれで100点満点の解答なんですけど、あれ程の球の使い手が並で収まるレベルの投手じゃないので、当てる事が出来たところで……って言った感じですかねー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

(まずは3人……!)

 

最短であと18人。このまま完全試合を決めるつもりで投げてやるわ!

 

(そうでもしないと……早川さんを越えられない気がするのよね)

 

「ナイピだよっ!」

 

「ありがとうございます!」

 

「凄いね~!まるで消える魔球みたいだ」

 

「私が憧れている投手がこの球を決め球にしていて……。私も投げられるようになって、とても嬉しい気持ちでいっぱいです」

 

向こうに控えている選手の事を考えると、点をあげられないのもまた事実……。向こうの投手も立ち直っているし、追加点も厳しそうだし、私が頑張らないと……!

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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