今日は開会式。天王寺さんによると、この日にユニフォームの配布があるんだとか……。
「じゃあサクッと発表しちゃおうか。1番は彼方、2番は志乃、3番は盾、4番は昌……」
「ちょちょちょ!発表のスピード早いって!もっと緊張感持って発表するものじゃないの!?」
怒涛の勢いと言わんばかりにさっさと発表する天王寺さんにイーディスちゃんが意義を唱えた。
「え~?無駄に焦らしてたら、時間がもったいないじゃん。発表もギリギリになった訳だし……」
「発表がギリギリになったのはあんたの自業自得でしょうが……。そうじゃなくて、理由がいるんじゃないかって話よ!」
「あー、理由ねぇ……?今発表した4人は単純にそのポジションでの性能の高さかな?ファーストに関しては盾よりも恭子の方が上だけど、恭子は外野を守る事が多いから、基本的に内野を守る盾が優先されたって訳」
成程……。天王寺さんなりに理由は考えているんだ。
「じゃあ続けるぞ?5番は洋子で、6番は雫……」
「ストップストップ!」
またもや静止。今度は洋子ちゃんだ。
「私が5番で良いの!?ユイちゃんとかアリスちゃんの方がサードとしての実力はあるのに……」
「これも理由としては単純だよ。ユイの背番号は2番手投手のもので決定しているから。アリスに関しては……正直洋子とアリスにそこまで大きな差はないんだよね。だから経験の差で洋子に5番を与えた……。それだけだ」
確かに天王寺さんの言う事も一理ある。アリスちゃんは凄くセンスがあって、メキメキと上達してるんだけど、洋子ちゃんもそれには負けてない。
成長スピードこそはアリスちゃんに軍配が上がるけど、洋子ちゃんの場合は粘り強さがアリスちゃんよりも上だと天王寺さんは評価したんじゃないかな……?
「雫の方は言うまでもなく適性ポジションだから。じゃあ発表に戻る。7番は真深、8番はイーディス、9番は恭子。10番はユイ、11番由紀、12番亜紀、13番アリス、14番明美、15番ロニエ……」
「これで全員?」
「天王寺さんがまだじゃないかな……?」
「私?まぁ選手起用じゃないけど、ベンチには20人まで入れるみたいだから、16番に入る……。だが私だって最後まで見れる訳じゃないから、それを心に入れておくように!」
「天王寺……」
「…………」
「…………」
この時の私達は天王寺さんの発言の意味がわかっていなかった。発言の意味がわかっているのはイーディスちゃん、アリスちゃん、ロニエちゃんの3人だけだった……。
「んじゃ、これから選手入場だ。しっかりと行進するように!」
(いよいよ始まるんだ……。夏大会が!)
……で、群馬県予選。私達の試合の日。
「それじゃあ見事に行進がバラバラだった遠前野球部の第1試合がいよいよ始まるぞー」
(す、凄い棒読み……)
開会式の行進では初心者が多くいたせいか手足が同時に出ていたり、途中で止まって後ろの子にぶつかったりと、ある意味で私達の高校は注目を集めてしまっている。
「さて……。じゃあオーダーを発表しようか」
1番 センター イーディスちゃん
2番 ショート 雫ちゃん
3番 ライト 恭子ちゃん
4番 ファースト 盾ちゃん
5番 レフト 亜紀ちゃん
6番 ピッチャー 由紀ちゃん
7番 サード 洋子ちゃん
8番 キャッチャー ロニエちゃん
9番 セカンド 昌ちゃん
「初戦はこんな感じでいくけど……。何か質問は?」
天王寺さんの発表したオーダーに対して手を挙げたのは恭子ちゃんだった。
「なんか攻撃力に欠けるオーダーやけど、大丈夫なん?」
「心配はないさ。というか準決勝までは彼方、真深、ユイ、志乃は出さない」
「ほぇ~。それまたなんで?」
「理由は簡単。4人……特に彼方達アメリカ組が大会の頭から出たら、ゲームにならないから。まぁ準決勝から志乃を出しつつ、後半にはロニエに代わる……或いはその逆はあるかもね。アメリカ組に関しては骨のありそうな相手じゃないと出す事はない」
天王寺さん的に骨のありそうな相手ってどこだろう?今日相手にする前実は県大会優勝候補なんだよね?そこに対して骨がないって……。あとアメリカ組っていうのは私と、真深ちゃんと、ユイちゃんの事?
で、試合結果の方だけを言うと、2対9で私達の勝ち。6回コールドだった。
「まぁ予想通りの内容だったかなぁ……」
「特に危ない場面もなかったもんね?」
イーディスちゃんは安定の4安打だし、盾ちゃんは2本ホームラン打ってるし、チームの安打は13本だったし……。
投球方面も初回に2点を取られてからは特に何の問題もなかったかな。その後の回は三者凡退で抑えていたし……。
「なんかあっちゅーまやったな……」
「まぁ初戦だしね」
なんか対戦相手に少し同情しちゃいそうな試合結果だったね。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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