「次の対戦相手は梁幽館高校!」
「去年の夏を連想させるわね……」
私達の次の相手は去年と同じ梁幽館高校。
「向こうは去年のクリスマスイブに練習試合した面子とほぼ同じみたいだね」
「それに加えて親1年生が何人レギュラーに食い込んでいるか……だね」
それは確かに。橘みたいな逸材が新規加入している可能性も0じゃないしね。
「じゃあ今から梁幽館のデータをおさらいしようか!」
芳乃さんがタブレットを使って梁幽館の今年のデータを開く。
「今年の梁幽館は上位5人を固定しているね。そしてあとの4人は相手投手のデータを見て起用する選手はまちまちだけど……」
ちなみに今の梁幽館の1~5番は橘、村雨、西浦さん、高橋さん、小林さんで固定されている。あとは吉川さんが投げるかどうかで変わってくるみたいなんだけど……。
「今の梁幽館の勝ちパターンは1番の橘さんが出塁して、2番の村雨さんか3番の西浦さんがランナーを帰塁させて得点、4番の高橋さんがランナーを全員帰す働きをしているよ!」
「データを見てわかった事は今の橘の出塁率は8割を越えていて、全国の高校生で出塁率が3位なんだよね」
ちなみに2位は阿知賀の原村さんで、1位は白糸台の日葵さん。あの2人は打率もかなり高いし、確実性かなり高い。
「す、凄いわね……。橘さんに至っては投手なんでしょ?」
「そうだね。今の梁幽館の2番手投手兼リードオフガール」
しかも来年にはエースとして抜擢される可能性がかなり高いとかなんとか……。よくよく考えると可笑しいよね?私からしたら橘も『異常』の部類に入るよ。
「梁幽館の初戦は橘さんと堀さんの継投で勝ち抜いているから、次の私達との試合で投げてくるのは……」
「多分吉川さんだろうね。色々因縁があるだろうし」
去年の夏大会の2戦目から関東大会と吉川さんには縁がある。イブの練習試合でも出場していたしね。
「梁幽館戦はヨミちゃんが先発で、抑えに朱里ちゃん投げてもらうって感じかな?」
「私はそれで構わないよ。武田さんは?」
「う~む。朱里ちゃんが力を貸してくれるのは心強いけど、私も最後まで投げたいしなぁ……」
「ヨミちゃん。ヨミちゃんを信用してない訳じゃないけど、もしもの時があるから、朱里ちゃんの力は絶対必要になってくるよ」
「……それもそうだね。朱里ちゃんの方が防御率は高いし、皆との1打席勝負でも全員三振に仕留めているし、私がヤバくなったらお願い!」
「で、出来れば普通の状態で私も投げたいかな……」
(しかしもしも私が梁幽館を相手に投げる事になったら、橘に私のフォームを生で見せる時が来るのか……)
まぁ本番にならないとまだわからないかもね。もしかしたら武田さんが完投するかも知れないし、そうなると私の登板は機会4回戦か、その次になるだろう。
(出来る限りの事はするつもりだけど……。梁幽館の成長具合によっては過去3度の試合よりも苦戦するのは必然的だろうね)
それでもなんとか梁幽館に勝ちたいものだ。
ズバンッ!
「ナイスボール!」
「和美先輩、最近調子が良いですね~」
「まぁ次の試合の先発を任されてるからな。新越谷にはこれまで2敗1分け……。ここで勝たないと、梁幽館は新越谷に苦手意識があるみたいになってしまう。それは阻止しないと!」
「余り張り切り過ぎて、制球が定まらないとか止めてよね?」
「大丈夫さ。はづきの言うように、最近調子が良いからね。珠姫達には負けられないって!」
「向こうも初戦は武田と早川のWエースを温存しているし、ウチを相手にどっちが来るかわからないのが厄介だわ。下手するとどっちも来そうだし……」
「どっちが来ようと関係ないですよ。今度こそ勝つのは私達梁幽館なんですから♪」
「頼もしいねぇ。はづきは武田さんに対しては相性が良いし、ウチ等の中でも打率トップ3に入ってるし、大会後の県対抗総力戦にも選ばれるだろうし、私達の分まで頑張ってほしいもんだ」
「……そういえば和美先輩も、依織先輩も代表メンバーに選ばれたとしても辞退する積もりなんですよね?」
「私も和美も受験勉強があるからね。プロに指名されればそれに越した事はないけど、先行きが不安だから、ある程度安定した学力は確保しておきたいのよ」
「依織先輩はその理由でわかりますけど、和美先輩が受験勉強って似合わない……」
「おーい。それはどういう意味なのかな?後輩よ」
「まぁはづきの言いたい事はわかるわ」
「い、依織まで……」
「……何にせよ今は目前の試合に集中するわよ」
「そうだな」
「はーい!」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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