最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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梁幽館戦前日

梁幽館との試合もいよいよ明日に迫っている。先発は武田さんで、梁幽館が相手な為、春星もスタメンでの出場が決まっている。しかし……。

 

(逆に決まっているのはそのくらいで、その他のスタメンが定まらないな……)

 

主に打順。とりあえずスタメンが確定しているのは中村さん、主将、山崎さん、武田さん、春星、雷轟の6人。あとは誰を出すかによって打順が大きく変わってくる。だからこうして私と芳乃さんが頭を悩ませている訳で……。

 

「どうしようか……?」

 

「どうせなら吉川さんと橘さんの両方に対応が出来るメンバーを選出したいよね」

 

「とりあえず私達がわかる限りの2人の球種を確認しておこうか」

 

そんな訳で、吉川さんと橘の球種を洗い出していく事に。

 

「吉川さんの持ち球はストレートと、カットボール、武田さんのあの魔球に類似する縦曲がりのスライダー、そして今年度に入って投げ始めたシュートとシンカーか……」

 

「シュートとシンカーに関しては映像でしか見た事がないから、いきなりの対応は難しそうだね……」

 

「私達の対応力が試されるね」

 

(それに吉川さんが投げるとしたら、今度こそゾーンを警戒しないといけない。関東大会で勝ちを拾えたのは吉川さんがゾーン状態に入ったのがゲームの中盤以降だったから……。もしも頭からゾーン状態に入られたら、本当に1点勝負になりかねない……)

 

先発は武田さんでいく訳だけど、武田さんは今のところ橘に全敗している……。しかし橘を抑える事が出来るなら、流れをこちらに手繰り寄せる事も決して不可能じゃない。そう考えると、初回の梁幽館の攻撃次第で試合が決まっても可笑しくないかも……。

 

「次は橘さんだね!」

 

「橘の球種はストレートと、3種のスクリューに、カーブとスライダー、そしてスクリューをベースとしたストレートに見せた変化球……か」

 

橘は偽ストレートを覚えてからは、ちょくちょく見せ球に使っている。それで奪三振数が稼げるんだから、大したものだ。偽ストレートを初見で打てる人は多分いないと思うんだよね……。

 

「これ等の球種に強い人を出していきたいよね」

 

「しかし話は簡単じゃない……。梁幽館の初戦の事を考えたら、多分吉川さんの方に重点を置いた方が良いかもね」

 

向こうも多分そのつもりだと思うし、橘が投げるとしたら、多分左のワンポイントだろうから、基本的には中村さんと雷轟の相手を務める事になるだろう。あとは川原先輩かな?

 

「……よし!明日のオーダーは明日に発表するね!」

 

「私はそれでも良いけど……。皆も多分気になるんじゃない?」

 

「だからこれからやる梁幽館対策の練習を見て、誰を起用するか改めて考えたいの。だから今日いっぱいは時間が掛かると思う」

 

芳乃さんが渋い表情をしながらそう言った。表情から察するに、多分ギリギリになりそうだろうね。しかもここから打順とかも考える事になると尚更……。

 

「時間は掛かるけど、あとは私でやっておくから、朱里ちゃんは練習に行ってきてほしいな」

 

「ん、わかった。でも去年の時みたいに無理は駄目だよ?」

 

「わかってるよ。いざとなったら、朱里ちゃん達皆を頼りにするね!」

 

芳乃さんは私と同じように抱え込むタイプの人間だ。なので去年の中村さんや私みたいに踏み込まなければならない時もある。

 

(それが芳乃さんだけで済めば良いんだけど……)

 

また……何か不安ね気持ちに駆られてしまう。誰かが、泥沼にはまってしまうような……そんな予感がする。気のせいならそれに越した事はないんだけど……。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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