「今日は梁幽館との試合だよ!」
「これまでの戦績は2勝1分け……。勝率では上回っているが、今日の試合に勝てるかどうかはまた別の話だ。最後まで諦めずに、自分達の出来る事を精一杯やるぞ!」
『おおっ!!』
2戦目……。対梁幽館との試合だけど、正直吉川さんが先発なのか、橘が先発なのかが読めない節がある。私達の実績を考えれば、出し惜しみは出来ないし、クリスマスイブに練習試合をした時からの梁幽館を考えると、吉川さんと橘のどちらが上か……というのがハッキリしないのだ。
(まぁ吉川さんも橘もタイプが違う投手だから、一概にこっちの方が……というのはないんだよね)
だからこそ、昨日芳乃さんが頭を悩ませていた訳だ。
「……じゃあ、今日のオーダーを、発表するね」
途切れ途切れに芳乃さんが口にしたオーダーは……。
1番 ファースト 中村さん
2番 セカンド 初野
3番 ショート 春星
4番 レフト 雷轟
5番 センター 主将
6番 サード 藤原先輩
7番 ライト 私
8番 キャッチャー 山崎さん
9番 ピッチャー 武田さん
このようになった。概ね想定通りのオーダーではあるんだけど、誰がどのような投手と相性が良いのかを議論し続けるのは限界があるからね。
「去年の夏と同様に、状況次第では朱里ちゃんが火消しをするかもだから、頭に入れておいてね」
「了解」
前にどこかで言ったように、捕手と投手の打順は並んでいる方が互いに時間が取れて合法的だ。そして今回のオーダーではいつでも私が投げても良いよう、私と武田さんの間に山崎さんが入る形になっている。少なくとも攻撃面ではほとんど隙のない構成になっている。
(更にこのオーダーでは少なくとも下位打線で切れる……なんて事はない、攻撃面最強のオーダーだろうね)
武田さんも打率が段々上がってきてるし、打撃方面でも意外性もあるから、ここぞという場面で期待が出来る。吉川さんからも打った実績もあるしね。
(だからあとは完全に向こう次第……。このまま勝っていきたいね)
「すまない。隣、良いだろうか?」
「別にそれは構いませんが、非常に既視感を感じますね」
「事実私と奈緒は去年の関東大会で新越谷と梁幽館の試合を観戦する時、二宮に同席を求めている」
「あの時とは2人の状況が違うと思いますけどね。ここで油を売ってて良いんですか?」
「昨日は私が所属しているチームの移動日でな。今日の試合はナイターだが、梁幽館と新越谷の試合となれば是非とも見ておきたいと思ったから、足を運んだんだ」
「私はオフ。母校の梁幽館と、可愛い妹がいる新越谷の試合は絶対に見逃せない」
「……そうですか」
まもなく試合開始の時間……。後悔のない試合をしたい。その上で私達新越谷が勝つんだ!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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