最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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県大会3回戦!新越谷高校VS梁幽館高校⑤

「静華さんは相変わらず厄介な足をしていますね。敵に回ると面倒な事この上ないです」

 

「……私は深めのレフトフライで二塁から本塁へとタッチアップした村雨よりも、そんな村雨に対する反応が淡白な君の方にゾッとするよ」

 

「多分慣れているんだと思う」

 

「流石に今のようなタッチアップを見るのは初めてですが、静華さんなら違和感は特にありませんので。それよりも当たった時に備えて対策を考えた方が有意義でしょう」

 

「正論だが、正論なんだが……」

 

「普通は二塁から本塁へ一気に突っ切るタッチアップは最早暴走。でもそれが暴走にならない村雨に、そしてそれに慣れている今の梁幽館に言葉が浮かばない……」

 

「ああ。OGとしては心強い筈なんだが、私達の知っている梁幽館ではなくなっていく事に恐怖すら覚えるよ……」

 

(それは大袈裟だと思いますが……。しかし静華さんのあの走塁に慣れていないのなら、それが当たり前の反応……という訳ですか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっすが麻友先輩ですね♪キチッと仕事をこなしました!」

 

「ありがとう。でも……」

 

「本来はヒット以上の成果を出そうとした……ですか?」

 

「うん。武田の球が最後に対戦した時とは比べ物にならないくらいに成長しているんだ……」

 

「まぁ新越谷と最後に直接対決したのはクリスマスイブですし、それだけ期間が空いていれば、著しい成長を見せるのは当たり前なんじゃないですか?」

 

「いやいやはづきさん、普通では考えられない成長速度をしていますよ。武田さんは……」

 

「それに普通は何度も戦うなんて事はないでござるよ。まぁ新越谷に関してはこの試合で4度目の対戦になるでござるが……」

 

「ええ~?でも私だって去年に比べたら滅茶苦茶成長してるって実感してるし、それが普通なんだと思ってたよ……」

 

「それもはづき殿の成長速度が早過ぎるだけでござる」

 

(私達からすれば静華さんも大分可笑しいような気もしますが……)

 

「そうですね。ここ1年で1番成長しているのは間違いなくはづきさんです。自信を持ってください」

 

「友理先輩……」

 

「そうそう!今は私がエースだけど、はづきは私よりも凄い投手だってわかってるからな」

 

「和美先輩……」

 

「それにあんたは投手としても、野手としても、ありえない速度で成長してるわ。それはあんたの才能だけじゃなくて、色々な人に教えを請うているし、その成果が実ったのよ」

 

「そうだよ。はづきちゃんは私にとっては憧れの選手でもあり、ライバルでもあるんだから!」

 

「依織先輩、弥生ちゃん……」

 

(良い話でござる……)

 

「さて……。ランナーはいなくなりましたが、私の仕事自体は変わりません。梁幽館の流れを継続させる為にも、一発狙っていきましょう」

 

「ファイトです!友理先輩!」

 

「さて、このまま勢いを継続させていただきますよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1点取られて、ツーアウトランナーなし。そして打席には4番の高橋さん……。

 

(高橋さんか……。前の練習試合で武田さんは出会い頭にホームランを打たれている。その後は上手く抑えたとはいえ、内容は余り良くない……。武田さんの対応次第になるかな)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

コースギリギリにあの魔球。勝負を避ける意志が見られないのはこの時点では良い事だ。

 

(それとも練習試合の借りを返したいのか……。まぁどっちにしろ高橋さんとの勝負には賛成だね)

 

これ以上ピンチを背負うと取り返しの付かない事になりかねないし……。

 

 

カキーン!!

 

 

『ファール!』

 

「良いぞ友理ーっ!」

 

「ナイスカットでーす!」

 

聞いた?あれでカットなんだって。なんか既視感ある会話だな……。

 

(流石、中田さんの後任と言われる実力は健在か……)

 

まぁシニアの時から知ってたけど、あの時は清本とかいう異常性の塊であるチビッ子スラッガーがいたから、そんなに気にならなかったんだよね。それでも通算ホームラン数200近いのは可笑しい事なんだけど……。

 

 

カキーン!!

 

 

『ファール!』

 

(さっきもそうだけど、よく飛ばすなぁ……)

 

(でもカウントはこっちが有利……。不利を取る前に仕留めるよ!)

 

(うん!)

 

4球目。武田さんが思い切り振りかぶる。

 

(この局面で投げてくるのは……武田さんの決め球)

 

(思い切り来て……ヨミちゃん!)

 

武田さんの投げるあの魔球に対して、高橋さんは待ってましたと言わんばかりにタイミングを完璧に合わせてくる。もしも本当にタイミングがあったとしたら、綺麗にタイミングを合わせた高橋さんがホームランを打つだろうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし……。

 

 

ズバンッ!

 

 

(か、空振り!?タイミングは完璧だった筈……!)

 

決め球というのは投げる投手からしたら絶対的な球だ。簡単に打たれて良い訳がない。

 

そして地獄の合宿を経て、武田さんの球は全体的に驚異的な球速、キレ、変化量、重さが加わった。そしてそれは決め球であるあの魔球も例外ではない。

 

(あの高橋さんを三振に仕留めるとは……。本当に武田さんはどこまで成長するのか計り知れないよ)

 

私も……武田さんには負けられないな。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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