試合は進んで6回。この試合も0行進が続く投手戦となっている。表ではヒットを打ちつつも、チャンスで決め切れない私達新越谷。裏ではここまで猪狩さんによってパーフェクトに抑えている。稜桜の打線は決して悪くはないんだけど……。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
そして猪狩さんの奪三振数もこれで10個目。これもう稜桜側は猪狩さんを止められないんじゃないかな……?
「…………」
「どうかしましたか?」
「……叔母が来てる」
「泊先輩の叔母って……まさか!?」
「そのまさか。でもあの人は多分お忍びで来てると思うから、騒ぎになるのを拒む。私を見に来たのかはわからないけど、私はいつも通り投げるだけ……」
「そう……ですか。わかりました。泊先輩がそれで良いのなら、私は何も言いません」
「藍は良い子」
なんか猪狩さんと木虎が話し込んでたけど、調子が悪い訳じゃないんだよね?猪狩さんはポーカーフェイスが上手いから、よくわからないんだよね……。
「やはり彼女は本物でしたね」
「当然さ。あの子もボクの血筋を受け継いでいるからね」
「娘……ではないですよね?」
「そうだね。ボクの子供は野球をせず、『猪狩コンツェルン』の跡取りになるそうだ。事業系統に力を入れているよ」
「だから代わりに姪である猪狩泊さんに貴女の技術を教え込んだ……という訳ですか」
「ボクが教えたのは壁当てという遊びに過ぎないさ。それをここまで活かしきれているとは……。新越谷高校という野球部は中々に良い練習を取り入れている」
「それは私も思いました。新越谷野球部は選手を育成する能力がかなり高いです」
「す、すっかり瑞希ちゃんと気が合ってるね……」
「2人の空間が出来上がっているレベルだよね~。アタシじゃたじたじになって、近付けないよ」
「わ、私も。人見知りだし……」
『アウト!チェンジ!!』
6回終了。猪狩さんはここまでパーフェクトを継続している。もしかしたら本当にあるんじゃない?
「泊ちゃん、調子はどう?」
「特に問題ない。まだまだ投げ足りない……」
「こ、ここまでパーフェクトだもんな。このまま完全試合行くんじゃないか?」
「特に危なげもないし、1点取れれば勝てるかもね」
芳乃さんの言う通り、1点勝負ではあるんだけど……。
「でも誰か泉さんの球を打てそうかな?今のところあと1歩で……って場面が結構あったし、もう7回だし、慎重にチャンスを作っていきたいね」
更にこの回は7番から。下位打線に向かっていく。普通なら不安ではあるんだけど……。
「…………」
(猪狩さん……目付きが変わった?)
もしかしたら、もしかしたらこの打席の猪狩さんには期待出来るかも……?
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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