最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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猪狩泊の評価

稜桜学園との試合から翌日。朝起きて、新聞のスポーツ欄を開くと……。

 

(やっぱり猪狩さんの事が書かれているね。猪狩さんの経歴はともかくとして、県大会4回戦目という折り返しの舞台で完全試合をやってのける……というのはかなり凄い事だ)

 

余程の実力差がない限りは成し遂げる事は出来ない所業。梁幽館に比べれば稜桜学園の強さは1段落ちるけど、それでも中堅以上の実力があるのも確か……。

 

(『新越谷の隠れエース爆誕!』とも書かれている……。これは猪狩さんの背番号が19番なところから来てるんだと思う。そういえば相も変わらず二宮達3人が私達の試合を観に来ていたみたいだけど、3人……特に二宮から見て猪狩さんはどう映るのだろうか?)

 

『それで私に電話を掛けてきた訳ですか……』

 

「二宮の視点から猪狩さんの評価が聞きたくてね」

 

シニア時代でも二宮から高評価をもらった選手達は大成して高校野球という舞台に足を進めた。現時点で二宮と同期の白糸台レギュラーの4人は二宮のお眼鏡に叶った選手達で、プロ入りも確実視されているらしい。

 

『それで私からの猪狩さんへの評価ですが……野球を本格的に始めたのが今年度からというだけあって、体幹がまだまだ不完全ですね。対策が早いチームは既にその隙に付け入る準備が完了している事でしょう』

 

まぁこれは私も同意見。試合を観ていた二宮達はもちろん、柳大川越、咲桜、そして美園学院を破った親切高校辺りは既に対策を済ませている頃合いだと思う。

 

(親切高校といえば、一ノ瀬さんを引き摺っていた小柄の女子生徒からは妙な雰囲気を感じたな。まさに今話している二宮と似て非なる雰囲気を……)

 

『評価を続けますよ?』

 

「うん。お願い」

 

『不完全な体幹とは思えない程の球速、球のキレ、変化球の変化量、そしてエースと呼ばれるのに必要な闘志……。それ等を全て兼ね備えている猪狩さんはもしも新越谷野球部と同じ条件で練習された状態で入部していたとしたら……』

 

正直その先の言葉を聞くのがとても怖い。それ程に昨日の猪狩さんは凄かったんだ。武田さんを始めとする投手陣達は奮起しているけど、私からすれば急成長するライバルにビクビク怯える日々が続くよ。やだ私ったらノミの心臓?

 

『……新越谷のエースナンバーを獲得していたのは間違いなく彼女になるでしょう。これは和奈さんやいずみさん、そして同席していた猪狩守プロも同意見でした』

 

なんかしれっととんでもない追加情報が聞こえたような……?そういえば猪狩さんは昨日叔母が試合観戦に来てたって言ってた気がするけど、まさか二宮達と一緒だったとは……。

 

「……ありがとう二宮。聞きたい事は聞けたよ」

 

『どうでしたか?朱里さんから見た彼女は……?』

 

「概ね二宮と同じ意見だったよ。味方としては頼もしいけど、秋大会以降ではエース争いとしてもしかしたら最大のライバルになるという事もね……」

 

『成程……。朱里さんが言うのでしたら、私の推測も間違ってはいませんね。良い事が聞けました』

 

二宮は私の解答にご満悦の様子だった。思った事をそのまま言っただけなんだけどね……。

 

『それでは失礼します。今日も予定がありますので』

 

そう言って二宮は通話を終了させた。私の方は丸1日の休日なんだけど、どうしようかな……。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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