対姫宮戦。結果だけを言えば、私達新越谷が2対4で勝つ事が出来た。多分春星がスリーランを打ったんだと思う。私と雷轟が戻って来た時には既に決着が付いていたのだから……。
「あっ、朱里ちゃん!遥ちゃんは大丈夫……?」
「どうだろうね。本人は大丈夫って言ってたけど、どうにも嫌な予感がするというか……」
雷轟の方を見ると、いつもの元気が戻っていて、ホームランを打ったと思われる春星に絡んでいた。あれが空元気じゃなければ良いんだけどね……。
「……それにしても随分と話し込んでたね?20分以上も」
「そうね……。遥ちゃんに何かあったのかと心配だったわ」
「まぁ雷轟を宥めるのに時間が必要でしたからね……」
嘘は言ってない。でも何れ皆にも話さなきゃいけないのかもね。雷轟と風薙さんの事を……。
「試合にも勝てたところだし、ひとまずは安心……だな」
主将は相手ベンチを見てやや複雑そうに言った。負けたら引退……。姫宮野球部を引っ張っていった金子さんと吉田さんを中心に、全員が抱き合って涙を流していた。
「…………」
「怜、あの子達の分も私達は勝ち進む必要があるわ」
「理沙……。そうだな。小陽達の想いを背負って、頑張らなきゃな」
主将と藤原先輩はこの試合でまた一皮剥けた気がする。私と雷轟は後半丸々いなかったから、何とも言えないけど……。
「チームの支柱である朱里さんと雷轟さんが抜けても、危なげなく勝つ事が出来ましたか……」
「代打で出て来た陽さんのスリーランが勝敗を分けたような気がするね」
「星歌もホームランを打たれてからは無失点だし、かなり手強くなってたね~」
「その星歌さんですら3番手以降という立ち位置にいますし、今の新越谷の投手陣は全国トップレベルでしょうね」
「決して大袈裟な表現じゃないのが、洒落にならないよね~」
(その新越谷ですら、今の遠前に勝つのは難しいと思いますが、どうなるのかはまだ未知数ですね。恐らく重要なのは全国大会ではなく、県対抗総力戦……。雷轟さんと風薙さんもそうですが、上杉さん、上杉さんの従姉妹である武田さん、そして朱里さん……。この5人が中心になっていく事でしょう)
「何事も起きなければ、それに越した事はないのですが……」
「どうしたの?」
「なんでもありませんよ。こちらの話です」
カキーン!!
学校に戻って来た私達は次の試合に向けて練習中だ。雷轟も練習でなら問題なさそうだけど……。
「いよいよ大会も終盤戦!あと3回勝てば全国の舞台へ進めるよ!」
「次の対戦相手は柳大川越……。奇しくも去年の夏大会でも同じところで当たったな」
「今年の夏大会は予想外の事が立て続けに起こってますからね。親切高校がかつての強豪の仲間入りになるんじゃないかって新聞でも騒がれてますし……」
芳乃さんの言う通り、今の親切高校は美園学院、熊実、宗陣、椿峰と私達と同じくらいに強豪校を破っていっている。当たるとしたら決勝だし、対策はその時でも良さそうだね。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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