今日は準々決勝。柳大川越との試合の日……。
(柳大川越と試合をするのも4回目か……)
これまでの戦績は1勝1敗1引き分け。柳大川越とは今までの相手の中でも1番の接戦を繰り広げてきたと思う。
「今日のこの試合でベスト4最後の1枠が決定する……。それが私達になるよう、今日の試合も頑張ろうね!」
『おおっ!!』
ちなみにあとの3枠は私達が勝った時の次の相手である咲桜、これまで美園学院、熊実、大宮大附設とベスト4以上の実力を持つ高校を薙ぎ倒して来た親切高校、そしてバッテリーを中心に、チーム全体が大幅な成長を遂げた影森だ。
「じゃあ今日のオーダーを発表するね!」
1番 ファースト 中村さん
2番 セカンド 初野
3番 センター 主将
4番 レフト 雷轟
5番 サード 藤原先輩
6番 キャッチャー 山崎さん
7番 ライト 大村さん
8番 ショート 川崎さん
9番 ピッチャー 川原先輩
この試合では初野と川崎さん、この次の試合では藤田さんと春星のコンビを試す予定だ。練習では連携も問題なかったけど、少しでも隙を見せたら、柳大は……というかここまで来た猛者達はそれを逃す事はないだろう。ミスをするなら、シートノックの内にしてほしいものだ。
「朱里ちゃん、ギリギリまでありがとね」
「皆の役に立つのなら良かったよ。その代わり……と言ってはなんだけど、この試合は休ませてもらう訳だし」
数日間に渡る朝倉さん対策は今日の朝まで行われ、見る限りその成果を発揮が出来そうなのはほんの数人しかいない。
更には練習と本番は違う事、そして本命の敵である朝倉さんと私とでは同じ球種を投げられたとしても、根本的に投手としてのタイプが違う事。以上の2点が試合にどう影響するかがこの試合の肝となるだろうね。
「新越谷と柳大川越の試合もこれで4度目……。総合力は新越谷がやや優勢ですが、柳大川越には積もり積もった連携力がある事、そして埼玉内でトップクラスの投手である朝倉さんの存在が大きそうですね」
「そして新越谷と柳大川越の戦績は5分5分……。真の意味での優劣はこの試合で決まりそうだな」
「神童さん……。本日は大学はお休みですか?」
「まぁな。本来なら白糸台の試合を観るべきだろうが、連中ならもう心配はないだろう。少なくとも全国大会への切符は手に入れられる筈だ。それは二宮も同意見だろう?」
「そうですね。それに打力で言えば、私よりも適任の捕手がいます。私はまだ2年生で、彼女は3年生……最後の夏です。悔いのない野球をしてほしいとも思っています」
「半田の事だな。あいつの長打力は評価出来るが、いかんせん捕球率が低い。だから本来ならば外野辺りに転向させる筈だったが……」
「今の半田さんは新井さんのストレートや、鋼さんのスライダーも難なく捕れる捕球力を身に付けています。本来ならば正捕手は半田さんに渡って、私はもう1年の間、このように他県の試合観戦を中心に、他校の新たな情報収集に勤しむつもりでした」
(二宮はこう言っているが、二宮の捕球センスと先読みスキルは他にいない唯一無二の、二宮瑞希だけのものだ。それに加えて情報収集能力も高い……。彼女のような『異常』が他にいるとは思えないな)
「もうすぐプレイボールか……」
「試合でいない和奈さんと、いずみさんの分までこの目に焼き付けておきましょう。新越谷と柳大川越の因縁を……」
「目に焼き付けなくても、おまえなら媒体に試合情報を残しそうなものだがな……」
『プレイボール!!』
試合開始。勝つのは私達新越谷だ……!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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