決勝戦当日。この試合で今年の埼玉最強の高校が決まる……。
「いよいよ決勝戦だね……」
「準決勝から1週間も日程が空いたから、その分の準備期間として私達も、そして相手側も……。入念な準備をしてきたと思う」
「その集大成をこの試合でぶつける……のよね。勝つに越した事はないけど、後悔のない試合にしたいわ」
それぞれがそれぞれの思いをぶつけて、決勝戦に臨む。
「……今日のスタメンを発表するよ!」
決勝戦のオーダー。一ノ瀬さんの放つ変化球に対する見極めの練習をこの1週間してきた。そして今日発表されるオーダーは、見極めに自信がある選手と、それに合わせて総合力を高めたオーダーになる。
1番 ファースト 中村さん
2番 セカンド 藤田さん
3番 センター 主将
4番 サード 雷轟
5番 ショート 春星
6番 レフト 照屋さん
7番 ライト 大村さん
8番 キャッチャー 山崎さん
9番 ピッチャー 武田さん
そして発表されたのがこのオーダー。バッテリーの打順を近くして、あとは球種の見極めに長けている主将を3番、照屋さんを6番、やや見極めが苦手な春星を5番に、下位打線に雷轟と対のスイングを持つ大村さんを配置した。大村さん自身も球の見極めは得意な方だしね。
「決勝戦……絶対に勝って、全国に行くぞ!!」
『おおっ!!』
まもなく試合開始……。一ノ瀬さんの変化球を上手く捉えられるかがこの試合に勝つ鍵となるだろう。スタメンの皆には頑張ってほしい。
「なんとか試合開始に間に合ったね~☆」
「それにしても凄い客数だね……」
「片や去年の夏から全国優勝候補の一角に登り詰めた高校、片や数々の埼玉強豪を破ったダークホースの高校……。そしてそれぞれが一定以上の結果を残している事を考えると、過去の結果は当てにはなりませんね」
「つ、つまりこの試合でどっちが勝つか予想が付かないって事なのかな?」
「そうなりますね」
「でもなんかわかるかも……。親切高校……だっけ?あのチームからは清澄高校と同じ感じがするんだよね」
「清澄高校と親切高校に共通する点はどちらも1から部員を集めたという事と、それぞれの選手が高いポテンシャルを秘めている……という事ですね」
「瑞希ちゃんは親切高校の情報を集めているの?」
「もちろんです。選手情報と、その選手の能力まで把握していますよ」
「うわー、相変わらず瑞希の情報収集能力ってヤバイねー……」
「そしてこの試合で親切高校は今まで出して来なかった隠し球を見せて来るでしょう」
「それって……向こうのライトの事?」
「えっと、名前は……ってええっ!?彼女は確か……。でもなんで決勝戦になって初出場なんだろ?」
「温存……でしょうね。データが少ない分、警戒心も薄れるからだと思いますよ」
「こりゃ新越谷は大変なところと当たったんじゃない?」
「どう抑えるかは武田さん次第ですね」
『プレイボール!』
相も変わらず私達は先攻。先頭打者の中村さんが左打席へと入る。
(朱里ちゃんの先輩でもある一ノ瀬さんはサイドスローの変化球投手……)
(はぁ……。なんか観客が多いなぁ。しかも知り合いが3人いるし。さっさと終わらせたい……)
鬱なオーラ全開で一ノ瀬さんは1球目を投げる。
(シンカー?なら初球打ち……!)
カンッ!
中村さんはシンカーが苦手球種なようで、決勝戦に向けて対策を入念にしていた……。だから初球から打ちに行こうと思ったんだね。そして打球はライト前に。
ズバンッ!
「えっ……」
『アウト!』
「ライトゴロ!?」
「なんつー肩してんだよ。あのライト……」
親切高校のライトは……成程ね。でも今の今まで試合に出てなかったよね?
(アメリカ代表のミッキー・スズキこと鈴木美希さん……。まさか親切高校にいたなんてね。この試合での1番打者……)
例え一ノ瀬さんの変化球対策をしていたとしても、簡単には点を取れないって訳だね……。この決勝戦も投手戦になるのかな?
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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